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事例紹介:土佐カントリークラブ

チェックインを10秒足らずで実現するゴルフ場向け指静脈認証チェックインシステム

土佐カントリークラブ(手結山開発観光株式会社)
代表取締役社長 清水 康文 氏

土佐カントリークラブ取締役 総支配人 池上 昭夫 氏

土佐カントリークラブ 営業部 フロント課 課長代理 今村 庄吾 氏

株式会社 ゴルフ場システム 代表取締役社長 丸山 兼史 氏

いま全国約2,400ものゴルフ場は、景気低迷やプレーヤー人口の減少による競争激化に直面しています。こうした環境下でリピーターの確保や収益率アップを実現するには、お客さま満足度と業務効率をともに向上させる新たな施策が必要です。

そこで高知県最大級のゴルフ場として知られる土佐カントリークラブは株式会社ゴルフ場システム(以下、ゴルフ場システム)が開発した指静脈認証チェックインシステムを導入。メンバーのチェックインを指1本で迅速に行う環境を構築し、お客さま満足度と業務効率の向上、より高いセキュリティをトータルに実現することに成功しました。

導入された製品、ソリューション
指静脈認証システム

チェックイン時間の短縮が課題に

1967(昭和42)年にオープンした土佐カントリークラブは、眼下に太平洋を見下ろすシーサイドの36ホールが特徴です。足摺岬や室戸岬を一望する丘陵地にあり、夏は海風が涼しく、冬は暖かく、1年を通じて快適なプレーが楽しめるため、平日でも数多くのプレーヤーが白亜のクラブハウスを訪れています。

その格調高いフロントに置かれているのが、日立の指静脈認証システムを適用した日本初のゴルフ場向けチェックインシステム「ぴっとインシステム静脈くん」です。2011年10月から本格稼働を開始した同システムの導入理由を、「今までチェックインは、まずお客さまのお名前をサイン(署名)いただき、受付スタッフがそのお名前を予約端末から検索して確認する形で行っていました。しかし日曜・祝日の朝など、たくさんのメンバーの方が集中してチェックインする時は、サインと予約の確認に時間がかかり、お客さまをお待たせする場面が少なくありませんでした。そこで何とか処理を迅速化したい、サインレスで済ませられないかと、ICカードの導入を考えました。しかし、カウンターで会員カードを探し出すのに手間がかかる、忘れて持ってこなければ逆に確認に時間を要するという問題点が出てきました。そこに、長年お世話になっているゴルフ場システムさまからタイミングよく提案されたのが、指静脈認証を使ったチェックインシステムだったのです」と土佐カントリークラブ 総支配人の池上 昭夫氏は語ります。

30秒かかっていた業務がわずか10秒足らずに

ゴルフ場システム代表取締役社長の丸山兼史氏は、「指静脈認証ならサインもせず、カードも持たずに、指を入れるだけでスムーズにチェックインできます。この速さと正確さが、土佐カントリークラブさまのご要望にピッタリではないかと考えました」と当時の様子を振り返ります。「当社が長年、土佐カントリークラブさまに納めているチェックインシステムは日立のサーバを使っており、その信頼性とサポート力は大きな信頼を寄せていました。従来システムはマウスかキーボードでお客さまのお名前を検索し、予約内容を確認するスタイルでしたが、このインタフェースを指静脈認証に置き換えることで、より迅速で業務効率を向上する操作性が実現できると考えたのです。認証精度や使いやすさから指静脈を選定し、当社が日本で初めて提供するゴルフ業界向けの指静脈認証システムを、ぜひ土佐カントリークラブさまに最初に導入していただきたいと提案させていただきました」と丸山氏は続けます。

メンバーとフロント、双方にストレスを与えない
確実でスピーディなチェックインを実現
メンバーとフロント、双方にストレスを与えない
確実でスピーディなチェックインを実現

日立の指静脈認証システムは、生体内の情報を利用するため、偽造のリスクが少ないこと、肌あれなどの影響を受けにくく、高精度の 認証をスピーディに実行できることなどから、銀行ATMや入退室管理、PCセキュリティなど幅広い分野で導入実績を誇っています。日立はパートナーベンダー向けにソフトウェア開発キットを用意しており、既存のシステムに指静脈認証を容易に連携することが可能となっています。このたびゴルフ場システムが開発した「ぴっとインシステム静脈くん」は、お客さまがコンパクトな指静脈認証装置に指をかざすと、約1秒でお客さまの予約情報が受付端末にポップアップ表示。担当者はお客さまのお名前を検索することなく、ポップアップ画面にロッカーキーナンバーを入力するだけでチェックイン作業は終了します。これにより、従来ならサインを書くところからチェックイン終了まで平均30秒ほどかかっていた業務が、トータルでもわずか10秒足らずで終了するようになりました。

導入後、チェックインで列を作る光景がなくなった

 「新システムは誰でも簡単に操作でき、処理スピードも速いためストレスを感じることがありません。混み合う休日の朝でも、お客さまが列に並ぶような光景がなくなりました」と喜ぶのは、フロント業務を担当している土佐カントリークラブ営業部 フロント課長代理の今村庄吾氏です。今村氏によれば、2011年10月のシステム導入後、メンバーが多数集まる「開場記念日」 の2日間だけで、約1,700名いる個人会員のうち600名が指静脈情報の登録を完了。現在は約1,000名が登録を終えているため、「指静脈認証によるスピーディなチェックインがほぼ日常化している」そうです。「登録に要する時間は10秒もかかりません。ほとんどのメンバーの方が喜んで登録してくださいました」と池上氏は語ります。指静脈認証によるチェックインは土佐カントリークラブのメンバーに限られているため、10秒足らずでのスマートなチェックインは、メンバーならではのステータスを示す光景ともなりました。ビジターは従来どおり紙にサインする形で予約を確認するため、そのスタイルの違いが会員権獲得に向けたモチベーション創出効果も生み出しているようです。

土佐カントリークラブに導入されたシステムの概要
土佐カントリークラブに導入されたシステムの概要

利便性とプレミアム感が業界内でも着実に浸透

 「私は新システムの導入によって、ゴルフ場とメンバーのコミュニケーションにも好ましい効果が出てきたような気がします」と語るのは、土佐カントリークラブの経営を担う手結山開発観光株式会社の代表取締役社長を務める清水 康文氏です。

「当初の目的は、お客さまをフロントでお待たせしないこと、フロント側の業務効率を上げることにあったのは確かです。しかし最近、フロントでお客さまが指静脈認証装置に指をかざす光景を見ていると、それとはまた別の、非常にいい空気を感じるんですね。これまでサインしている時は、どうしてもお客さまは自分の手元を見つめ、担当者は端末の操作に集中する形になっていました。しかし今は、指をかざす間、お客さまと担当者は互いに笑顔であいさつを交わし、たとえ無言であっても一瞬の間に“今日もよろしく頼みます”“お越しくださり、ありがとうございます”というコミュニケーションを交わしているように感じるのです。この独特の空気感はこれまでなかったものなので、とてもいい効果を生んでいると思います」と清水氏は評価します。

土佐カントリークラブがファーストユーザーとなった「ぴっとインシステム静脈くん」は、現在他のゴルフ場8か所にも導入されており、その利便性とプレミアム感は業界内でも着実に高い評価を獲得し始めています。「今後は指静脈認証によるポイント管理やハンディキャップ情報などの確認、運用側の操作権限認証やログファイル保存など、さまざまな機能追加を予定しています」と丸山氏は次なる構想を語ります。また池上氏も「メンバーの皆さまに対するサービス品質の向上に向け、指静脈認証の適用範囲をさらに拡大していきたいと思います」と笑顔を見せます。

来場者へのホスピタリティあふれるクラブライフの創出に向け、積極的なサービス強化と業務効率向上をめざす土佐カントリークラブ。その事業を支援するため、これからも日立はパートナーベンダーとの密接な協力関係のもと、指静脈認証システムのさらなる進化とソリューション拡充を継続的に進めていきます。

[お客さまプロフィール] 土佐カントリークラブ(手結山開発観光株式会社)

土佐カントリークラブ

[所在地] 高知県香南市夜須町手結山668
[設立] 1966年6月14日
[資本金] 1億4千万円
[従業員数] 150名(2012年8月6日現在)
[事業概要] 会員およびゴルフ愛好者の明朗健全な社交の場として ゴルフの上達、健康増進に奉仕し、ゴルフ場の運営により、 地域の発展に貢献している。

[パートナープロフィール] 株式会社 ゴルフ場システム

[所在地] 大阪府豊中市新千里東町1-4-1 阪急千里中央ビル
[設立] 1983年1月
[資本金] 3,000万円
[従業員数] 25名(2012年8月1日現在)
[事業概要] ゴルフ場総合管理システムのソフトウェア開発・販売、同システムのハードウェア販売、ゴルフ場サプライ品の販売、ゴルフ場経営コンサルタント ほか

関連製品、ソリューション

特記事項

  • 2012年9月7日掲載
  • 本事例中に記載の内容は初掲載当時のものであり、変更されている可能性もあります。詳細はお問い合わせください。
  • 事例は特定のお客さまでの事例であり、全てのお客さまについて同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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