ひたちなか総合病院は、株式会社日立製作所の企業立病院として1945年(昭和20年)に開設されました。当院の使命は、地域社会への医療貢献はもちろんのこと、社員の福利厚生、医療機器設計開発への関与です。
茨城県は人口当たりの医師数が全国で二番目に低い県ですが、その中でも当茨城県常陸太田・ひたちなか二次医療圏は最も低く、全国平均を大きく下回っています。当院はその中で、人口20万人のひたちなか市・東海村地区唯一のいわゆる総合病院として地域医療を担っています。2010年にリニューアル・増床しましたが、302床の中小病院です。「急性期機能に重点を置いた地域完結型医療」を逐行するためには、以前より地元の医師会、隣接する水戸医療圏内の病院、同じ日立製作所の企業立病院である日立総合病院との連携を図ってまいりました。さらに2025年に向けて日本の医療改革は進んでおり、日常生活圏域を単位とした医療・介護・予防・住まい・生活支援を包括的に確保する「地域包括ケアシステム」の構築には、ひたちなか市、地元の医師会との更なる連携が重要と考えております。
当院は県内の筑波大学との連携を重視し、筑波大学附属病院ひたちなか社会連携教育研究センターを設置し、大学から質の高い医療、教育・研究を提供できる医師を招聘しております。また基幹型臨床研修病院、筑波大学・東京医科歯科大学の協力型研修病院として、医師初期研修医、後期研修医はもちろん、各種専門職の固有技術のスキルアップを図っています。さらに、ITやチーム医療を活用した「プロセスに医療の質を織り込む」ことを実践し、安全・安心な医療の質を基盤とした患者・職員の満足の向上、病院経営の安定、さらなる医療の質改善という「総合的医療の質経営」を実施しております。
当院の理念は、「地域を護る病院」です。高齢化が進みますと、自分の生活圏で安心した医療・介護を受けたいと考える人は、今後ますます増えていくと思われます。そのニーズにお応えするためにも、当院は更なる病院基盤の充実が必要で、職員一同努力していく所存です。今後もひたちなか総合病院をよろしくお願いいたします。
院長 吉井 慎一