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Hitachi

ソフトウェアミドルウェア&プラットフォームソフトウェア

 株式会社日立製作所(以下、日立)はこのたび、統合システム運用管理「JP1」において、マルチクラウド対応を強化した「JP1 V10.5」を製品化し、9月30日から販売を開始します。これにより、複数のクラウド環境を含むシステム全体の運用を効率化できます。

 近年、企業のITには、ビジネス成長への貢献が強く求められており、変化の激しいビジネスに迅速かつ柔軟に対応していくため、システムの初期投資を抑えつつ、短期間でのシステム構築や変化に応じた柔軟な構成変更が可能なクラウドの活用が進んでいます。それに対応し、複数のクラウド環境を適材適所で組み合わせたマルチクラウド環境下で、従来型のオンプレミスシステムも含めたシステム全体を効率的に運用していくことが、ますます重要になっています。

 このような背景の下、日立は、統合システム運用管理「JP1 Version 10」の機能強化版として、マルチクラウド環境でのシステム全体の運用を効率化できる「JP1 V10.5」を新たに提供開始します。「JP1 V10.5」では、市場で多く活用されている主要なクラウド基盤、クラウド事業者が提供する様々なクラウドサービスへの対応を強化したほか、ビジネスの変化に迅速かつ柔軟に対応できる俊敏性を備えた運用を実現すべく、各製品の機能強化を実施しています。

 「JP1」は1994年の販売開始以来、今年で20周年を迎える統合システム運用管理ソフトウェアです。長年にわたり国内、海外を問わず多くのお客様のITシステムの安定稼働を支え、時代のニーズに応える製品強化を行ってきました。日立は、今後もお客様のビジネスを支えるITシステムの運用課題を解決するため、「JP1」をはじめとするITプラットフォーム製品およびサービス開発を推進し、高信頼かつ高効率なITシステムの実現を支援していきます。

「JP1 V 10.5」の特長

1.OpenStackやVMwareクラウド基盤を活用したプライベートクラウド運用の効率化

 今後、企業での利用拡大が見込まれるオープンソースのクラウド管理基盤ソフトウェアであるOpenStackによるプライベートクラウド運用を効率化するため、OpenStack用のクラウド利用者向けサービスポータル製品「JP1/Service Portal for OpenStack」を新たに製品化しました。本製品は、OpenStackが有する迅速かつ柔軟なITリソース割当機能に加え、企業利用で必要となる仮想マシンの利用申請に対する上長承認などの承認処理プロセスや、リソースに対する操作状況、履歴の保存・参照などの機能を備えた直感的で操作性の高いポータル画面を提供します。これにより、クラウド利用者側は必要な時にクラウド管理者を介さずにすぐに必要なリソースを活用でき、クラウド管理者側は利用者の申請に基づくリソース管理業務を自動化できることで、プライベートクラウド運用を効率化し、クラウド利用者とクラウド管理者の双方の運用管理負担を軽減します。

 また、市場での採用実績の多いVMware vSphereを基盤としたプライベートクラウドにおいては、ヴイエムウェア株式会社との協力のもと、クラウド基盤監視製品である「VMware vCenter Operations Manager (以下、「vCenter Operations Manager」)」と「JP1」の統合コンソール製品「JP1/Integrated Management」の連携を実現し、クラウド基盤や仮想化機構の稼働状況を詳しく監視する「vCenter Operations Manager」が取得した監視状況を「JP1」に転送・集約できるようになります。業務の稼働状況なども含めたデータセンター全般の運用・稼働状況の一元管理を「JP1」の単一のコンソールから実現可能となり、運用をさらに効率化できます。

 なお「JP1」では、「アマゾン ウェブ サービス (以下AWS)」や「Microsoft Azure (以下、Azure)」におけるオートスケール*1に対応して追加された仮想マシンの監視設定を自動追加したり、AWSの監視ツールである「Amazon CloudWatch」と「JP1」の稼働性能監視製品「JP1/Performance Management」との連携を実現するなど、クラウドサービス環境での運用性を向上させる取り組みを既に実現しています。今後も「JP1」はマルチクラウド環境における運用を効率化していきます。

*1
オートスケール:予め設定した定義に基づいて負荷の変動に応じて仮想マシンを生成・削除すること。

2.大規模・集約化されたシステム環境における運用自動化や監視の強化による運用性向上

 大規模・集約化されたシステム環境での効率的な運用を実現するため、運用手順の自動化により人的ミス低減や運用効率化を支援するIT運用自動化基盤製品「JP1/Automatic Operation」をさらに強化しました。具体的には、新たにREST API*2に対応したことで既存システムとの連携や運用スクリプト、ユーザー企業独自のGUI画面からのサービスの実行、情報取得、操作などが容易になり、運用自動化の適用範囲が大幅に広がります。

*2
REST API (Representational State Transfer Application Programming Interface):近年急速に普及しつつあるWebアプリケーション インターフェースの一種。OSによらずHTTP経由で連携が可能で、柔軟に変化する環境への適用が容易。

 また監視運用においては、ある事象をきっかけに監視マネージャ側での監視が不能になるほどの大量イベントが発生するイベントストームという状態が大規模システムの安定稼働を妨げる要因となっています。統合コンソール製品「JP1/Integrated Management」では、イベントストーム対策として監視マネージャ側での重複イベントの表示集約やイベントに呼応した自動アクションの抑止を既に実現していますが、今回はさらに、監視マネージャ側からの操作で大量イベント発生元からの通知を抑止したり、イベント発生元で自動的にイベントの大量発生を検知して自動抑止することも可能となりました。監視運用のニーズに応じた、よりきめ細やかな対策が可能となり、大規模・集約化されたシステム環境でのイベントストーム発生時においてもシステム全体への影響を最小化し安定稼働を実現できます。

 このほか、インシデントなどの案件データの大量保存に対応するため、ITプロセス管理製品の大規模運用向けライセンス「JP1/Integrated Management - Service Support Advanced Edition」を新たに提供し、案件数の増大や長期にわたる案件データの蓄積・保管に対応し、大規模環境でも過去の事例の参照など監査やナレッジに基づく効率的な運用が可能となります。

3.スモールスタートに適したライセンスモデルによる投資リスクの最小化

 新規ビジネスの立ち上げなど、システムを小規模から始めてビジネス規模に応じて拡大させたいというニーズに対応するため、小規模から導入しやすいライセンスのラインアップを強化します。昨年12月から提供しているITプロセス管理製品のスモールスタート向けライセンスである「JP1/Integrated Management - Service Support Starter Edition」に加え、今回新たに、高速大容量データ転送製品のスモールスタート向けライセンス「JP1/Data Highway - Server Starter Edition」の提供を開始します。これにより、データ数は多いものの利用頻度が少ないようなユーザーが、初期投資を抑えてシステム導入できるようになります。

 また、今年5月から提供している、AWS上で日立ミドルウェアを活用する際に時間課金で提供するサービスである「オンデマンド・ミドルウェアサービス for Amazon Web Services」では、必要なときに必要な分だけの課金で「JP1」を利用できるため、開発環境をAWS上に構築するなど一時的にミドルウェアリソースが必要な場合にかかるコストを最適化できます。

4.スマートデバイスを含むIT資産のライフサイクル管理の効率化

 IT資産の購入計画から運用保守、廃棄までの一連のライフサイクルを一元管理するJP1のデスクトップ管理製品を強化した「JP1/IT Desktop Management 2」を新たに提供開始します。本製品では、従来製品のシンプルな運用はそのままに、予め設定した管理対象グループごとに必要なソフトウェアを配布するなどきめ細やかな管理機能を装備したほか、スマートフォン、タブレットなどのスマートデバイス管理機能もPCやサーバと一緒にオンプレミス環境で構築できるようになりました。これにより、IT資産全体のさらなる効率的な管理が可能となります。

「JP1 V10.5」 主な新製品/強化製品の価格と出荷時期

「JP1 V10.5」 主な新製品/強化製品の価格と出荷時期
製品名 概要 価格(税別) 出荷時期
オートメーション
JP1/Service Portal for OpenStack OpenStack用サービスポータル製品 350,000円 9月30日
JP1/Automatic Operation IT運用の自動化を実現する基盤製品 900,000円〜
JP1/Data Highway - Server Starter Edition 高速で大容量データ転送を実現する基盤製品(データ送受信管理サーバ)のスモールスタート向けライセンス 900,000円
モニタリング
JP1/Integrated Management - Manager 統合コンソールのマネージャ機能 480,000円〜 9月30日
JP1/Integrated Management - Service Support Advanced Edition インシデント管理、問題管理、変更管理、リリース管理の各プロセスの一元的な管理を支援する製品の大規模運用向けライセンス 3,000,000円〜
ITコンプライアンス
JP1/IT Desktop Management 2 - Manager IT資産ライフサイクルの効率的な一元管理を実現する製品のマネージャ機能 100,000円〜 12月26日
JP1/IT Desktop Management 2 - Smart Device Manager IT資産ライフサイクルの効率的な一元管理を実現する製品のスマートデバイス管理オプション製品 100,000円

Hitachi Innovation Forum 2014 TOKYOでの紹介について

日立は、2014年10月30日(木)〜31日(金)に東京国際フォーラムで開催するHitachi Innovation Forum 2014 TOKYOにおいて、今回発表した「JP1 V10.5」を紹介します。

統合システム運用管理「JP1」に関するホームページ

他社商標注記

  • アマゾン ウェブ サービスおよびAmazon Web Services、AWSは、Amazon.com,Inc.またはその関連会社の商標です。
  • Microsoft、およびMicrosoft Azureは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
  • OpenStackは、米国およびその他の国におけるOpenStack Foundationの商標または登録商標です。
  • VMware、vSphereは、VMware, Inc.の米国および各国での登録商標または商標です。
  • その他、記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

HMCC(日立オープンミドルウェア問い合わせセンター)
電話番号:0120-55-0504(フリーダイヤル)

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ダイヤルイン:044-850-9293(通話料金はお客さまのご負担となります)

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