特集記事:キーマンズネット掲載
※「株式会社リクルート キーマンズネット2007/09/19より転載」
名古屋工業大学では、2007年4月1日、全学のシステム連携・情報一元管理への基盤となる「新情報基盤システム」の運用を開始しました。 |
■国立大学法人 名古屋工業大学プロフィール |
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名古屋工業大学では、技術イノベーションと産業振興を牽引するにふさわしい優位な人材を数多く送り出す「工科大学構想」を実現するため、「ひとづくり、ものづくり、未来づくり」を教育理念に、地域性と伝統を生かしつつ時代の新たな要請に応える大学づくりを進めています。 |
名古屋工業大学
「何をするにもまずベースになるのは認証基盤です。そこで、PKI認証と連携して機能するシングルサインオンの環境を作り、教職員および学生が自分のICカードでログインする全学統一認証基盤を作りました」 |
ポータルシステムは学生用、教職員用の2つが提供され、構築には日立の統合システム構築基盤「Cosminexus」のポータル「uCosminexus Portal Framework」が採用されています。 |
■学生用ポータル <クリックして拡大> 携帯電話からも利用できる掲示板情報のほか、図書館情報、出欠管理システムの情報、Webメールの送受信状況などが表示されます。履修登録システムはリンクによって利用可能です。また、英語学習支援システムなど外部システムとのリンクもあります。 ■教職員ポータル <クリックして拡大>
メールボックス、スケジューラ、施設予約情報、電子掲示板、自分が関わっている業務ワークフローの進行状況、新着情報など、個人ごとにカスタマイズされた情報が表示され、必要な情報を即時に把握できます。 |
名古屋工業大学
このポータルによりインタフェース統合が行われたわけですが、その効果について内匠氏は、図書館システムを例にあげて次のように語ります。 |
名古屋工業大学「新情報基盤システム」の構成イメージ |
今回の新情報基盤システムにおけるポータル構築と並ぶ目玉は、ワークフローの導入だったと皆さんが言います。教職員用ポータルから利用するサービスとして、業務ワークフローが提供されたのです。 |
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「単なる承認回覧でなく、財務会計システムと連携しなければならないため、基幹システムとの連携機能が充実している日立の電子フォームワークフローを採用しました。それまで使っていた紙の帳票そのままのイメージで画面に表示できるため、利用者にもスムーズに受け入れてもらえたと思います」 |
業務ワークフローは、稼働を開始して3ヵ月目には合計1万案件で利用されるほどになり、導入がスムーズに進んだことがうかがえます。しかし、そのワークフローシステムを立ち上げるには、ある問題を解決しなければなりませんでした。 「ワークフローシステムを正しく的確に動かすには、利用者ごとのアクセス権限の設定が不可欠ですが、その基になる教職員の属性情報が学内に散在していて、どれが信頼できるものなのか判断できませんでした。そこで、学生と教職員を合わせて7000名以上にのぼる属性情報を集めて整理し、信頼できるデータとして一元管理するための全学統一データベースを構築したのです。ワークフローシステムをこの全学統一データベースと連携させることで、正しい権限に基づく的確な運用がはかれているのです」と内匠氏は言う。
全学統一データベースの構築に使われたのが、複数のデータベースからデータを統合するETLツールである、「DataStage(データステージ)」です。 |
以上のように、名古屋工業大学では、将来に向けた新情報基盤システムを、「インタフェース統合」「プロセス統合」「情報統合」という3層の統合によって実現しました。この3つの統合こそ、日立が考えるSOAのアプローチの基本形です。 |
学生に対しては特にポータルの使い方を広報してはいませんが、当たり前に使いこなせているといいます。携帯電話からのアクセス以外にも、自宅のPCにカードリーダーを取り付ければ、ICカードを使ってVPN経由で自宅から大学のポータルにアクセスできます。 |
現在、多くの企業でSOAに基づいたシステム構築へのご検討、あるいは実践が開始されています。 日立では、今回の事例でご紹介したように、オープンミドルウェア製品群と多くの導入実績に基づいたご提案・サポートをご提供して参ります。 |