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わずか7ヵ月で申請業務80帳票を一気にペーパーレス化。
Cosminexus電子フォームワークフローによる短期開発で、
社内申請業務の効率化と内部統制向上を実現

日立INSソフトウェア株式会社(以下、日立INS)は、Cosminexus(コズミネクサス)電子フォームワークフローを 使って、社内申請業務のワークフローシステムを構築。80帳票分を一気にペーパーレス化した。

開発期間はわずか7ヵ月である。
インターネット経由で、出張先からでも各種申請業務ができる ようになったことで、従業員はいままで以上に機動力ある動きができるようになり、業務の効率 化が進み、内部統制にも効果が出ている。

日立INSは、今回の社内システム構築で培った利用 技術とノウハウを積極的に盛り込みながら、ワークフローシステム構築の上流設計から、導入 支援、保守運用サポートまでのトータル・ソリューションを提供している。

豊永恵里 氏の写真
日立INSソフトウェア株式会社
情報
システム部
情報
システム課
課長
豊永恵里 氏

増子寿子 氏の写真
日立INSソフトウェア株式会社
情報
システム部
情報
システム課
主任
増子寿子 氏

佐々木正夫 氏の写真
日立INSソフトウェア株式会社
インターネットソリューション
事業本部
e-Business
開発部
主任技師
佐々木正夫 氏

比嘉明日香 氏の写真
日立INSソフトウェア株式会社
インターネットソリューション
事業本部
e-Business
開発部
比嘉明日香 氏

杉村芙美子 氏の写真
日立INSソフトウェア株式会社
インターネットソリューション
事業本部
e-Business
開発部
杉村芙美子 氏

従業員の機動力を高めるために
申請業務をワークフロー化

日立INSは、インターネットを中心としたネッ トワーク・ソリューションの会社として、通信・ 公共・金融など幅広いフィールドで事業を展開 している。

「当社の技術者は、お客さまのシステムに 密着して仕事をするため、常にお客さま先で 仕事を行うことが多くなります。ところが従 来は、住所変更届などの社内申請が必要に なると、書類を手に入れるためだけに事務 所に寄ったり、記入後の申請書類を本社へ 郵送するなどのわずらわしさと、申請処理の 完了までに時間がかかるという問題があり ました。各種申請業務をワークフロー化し、 機動力ある処理ができるようにすることは、 年来の課題だったのです」と豊永氏は説明 する。

働きやすい環境を作って業務効率を上げる のは、情報システム部門の使命である。

しかし、既存のワークフローシステムでは 開発にコストがかかるため、すべての申請業 務のワークフロー化にはなかなか踏み切れ なかった。

「また、メールを使った申請では、提出や 承認・変更処理の証跡が残らないため、個人 情報保護や内部統制の観点からも望ましく ありません」と増子氏は言う。

新たなワークフローシステムの検討をして いた時に、同社インターネットソリューション事業 本部から推薦されたのが、日立のCosminexus 電子フォームワークフローである。

Cosminexus電子フォームワークフローは、 導入コストが安く、開発生産性が高い。フロー や入力画面の修正も簡単にできる。しかも、 使い慣れた帳票のイメージと同じ見栄えの電 子フォームを入力画面として使うこともできる ため、幅広い利用者がすぐに利用できるよう になる。

「つまり、導入のしやすさ、作りやすさ、使 いやすさの3拍子がそろったワークフローシス テムなのです」と佐々木氏は評価する。

さまざまな申請業務を
すばやく、簡単に開発できる高い生産性

同社は、2006年9月に開発を開始して、 2007年2月に第1フェーズとして63帳票の申 請処理をワークフロー化し、同年4月には第2 フェーズとして17帳票を加えた。

わずか7ヵ月で合計80帳票のペーパーレス 化を実現したのである。

第1フェーズでは、住所変更届などの人事 系の申請業務をシステム化し、5ヵ月で63帳 票をワークフロー化した。

「私は入社後すぐに電子フォームワークフ ロー開発の担当になりましたが、当時はプロ グラミングの経験がなかったためとても不安 でした。でも、実際の開発では、複雑な画 面もGUIで簡単に作れたので、内部処理の 開発に集中でき、しかも短期間で開発でき ました。いまでは新規開発や修正も、一手 に引き受けています」と杉村氏は語る。

第2フェーズで開発したのは、集計を自動 的に行ったり、社内データベースとのシステ ム連携が必要だったり、審査、承認の記録を 残しておく必要がある経理関係などの申請 業務だ。

こうした高度な機能を持つ電子フォーム設 計も、ワープロや表計算ソフトで作った既存 の帳票フォームを使うことで画面設計作業は 不要だった。

「開発支援部品が豊富に用意されている ので、字数チェック・必須入力項目チェック などの機能はコーディングする必要がありま せんでした。データベース連携もGUI操作で 簡単に設定できましたし、JavaScriptを埋め 込むときもタグキーで呼び出して選択入力で きるのです」と比嘉氏は説明する。

Cosminexus電子フォームワークフローは、 日本企業のワークフローシステム構築に求め られる機能を、標準できめ細かくサポートして いるのも特長だ。

たとえば、自分が不在のときに誰を代行者 にするかを自分で管理できる。担当者が不 在のときは、上長が受信ボックスを見て、上 長自身で処理したり、他の人の受信ボックス へ送ってそこで処理するように指示すること も可能である。

同社は、こうした標準機能を最大限に活用 すると同時に、独自に開発したプログラムは 部品化して、大いに再利用した。

たとえば検索機能はカスタマイズして、自分 が申請したすべての案件を期間指定で一覧 表示したり、進行中の案件を部門単位で一覧 表示できるようにしたが、部品を活用すること でこうした開発の生産性を大幅に上げたの である。

ポータル画面と添付ファイル型帳票画面
ポータル画面(上)と添付ファイル型帳票画面(下)。

社内事例のノウハウを盛り込み
トータル・ソリューションを提供

短期間で80帳票ものワークフロー化が実 現したことで、従業員は手間をかけずスピー ディに各種申請業務ができるようになった。 申請業務のためだけに事務所へ足を運ぶ必 要がなく、外出中でも自分が申請した案件の 進捗状況をひと目で把握できるのだ。

「数多くの業務を一気にワークフロー化した ことで、ワークフローシステムの利用も一気に 定着して、とても効果的でした」(豊永氏)。

情報システム部門としては、開発生産性が 高かったうえ、入力フォームの変更は利用者 がやってくれるため、運用開始後の手直しに 時間を取られることがない。出来上がったシス テムの品質が高く、安定稼働が続いているこ とも、省力化につながっている。

「また、内部統制も大きく前進しました。 『手続きをしてから実行』、『承認者を明確に』 といったルールが自然かつ確実に実行され るのです」(増子氏)。

今後は、監査関係、生産系など、さらに幅 広い業務のワークフロー化を進めていく。 また、業務履歴情報のレポーティング機能 を利用して、帳票の利用頻度を分析してさら なる業務改善に活かしていくことも検討して いる。

「さらに、社内開発で培った利用技術とノウ ハウを、社外のお客さまにも提供していきたい。 特に、たくさん開発した部品を利用することで、 お客さま固有のワークフローシステムを短期間 で開発できるようになったメリットを知っていた だきたい」と佐々木氏は強調する。

日立INSは、今回の社内システム構築で 培った利用技術とノウハウを積極的に盛り 込みながら、ワークフローシステム構築の上 流設計から、導入支援、保守運用サポート までのトータル・ソリューションをこれからも 提供していく。

日立INSソフトウェア株式会社の社内申請システム概要
日立INSソフトウェア株式会社の社内申請システム概要

USER PROFILE

株式会社日立社会情報サービス

[本社] 神奈川県横浜市西区高島1-1-2 横浜三井ビルディング11F
[設立] 1986年4月
[資本金] 5億円
[従業員数] 2250名(2019年9月現在)

インターネットを中心としたネットワーク・ソリューショ ンの会社として、通信・公共・金融など幅広いフィール ドで事業を展開。事業内容は、ICTビジネスソリュー ション、ICTクロスマーケットソリューション、ICTイン フラソリューションの3本柱。最近では、顧客との密 接なコミュニケーションをベースにした「SIソリュー ション提供」に力を入れている。
内部からの情報漏 えいを防ぎ、同時に、外部からのワーム・スパムメー ルをシャットアウトするメールアーカイブ&フィルタ 「WISE Audit」、電子透かしプリントソリューション 「e-紙紋U」、eCRM/CTIシステムソリューションを はじめ、自社開発パッケージも豊富。沖縄の関連 会社・沖縄日立ネットワークシステムズ株式会社を 中核に、「アジアと日本の情報ハブ」構築にも注力 している。

特記事項

  • この記事は、「日経BP ITPro 2008年9月」に掲載されたものです。
  • 電子フォームワークフローセットCosminexusの詳細については、ホームページをご覧ください。
  • 記載されている会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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