事例紹介：日立INSソフトウェア株式会社

日立INSが提供するネットワーク・ソリューションは、インフラ部分のプラットフォーム層、運用を考えたミドルウェア層、アプリケーション層という3階層からなるトータル・ソリューションである。

「通信・公共・金融業界のミッション・クリティカルなインフラ構築から各種業務アプリケーションの開発・構築まで、長年にわたって幅広く手がけてきた経験とノウハウを体系化して、お客さまのニーズに最適な形で応える問題解決型のアプローチを強化しています」と佐々木 正夫氏は紹介する。

そして、トータル・ソリューション力をさらに高めていくために力を入れているのが、幅広いスキルを持った技術者の育成である。

「これからの技術者には、技術力だけでなく、コンサルティング力や交渉力をはじめ、社内の各部門の力をとりまとめてソリューションを作り上げる調整能力やリーダーシップなど、多種多様なヒューマンスキルが不可欠です」と久芳 和明氏。

そこで同社は、経済産業省の「ITSS(*)」に準拠した人材育成制度を策定し、体系的に実行。社員の自立的なキャリアアップを支援しながら、「技術力プラスアルファ」の力を伸ばし続けてきたのである。その中で、「Cosminexus認定資格制度」を、幅広いスキルを持つ技術者育成の一環として、積極的に活用している。

「日立INSは技術者集団であり、常に新しい技術を習得し続けていくことが、企業の力につながります。Cosminexusは、信頼性の高いアプリケーションサーバを中核に、ワークフローやポータルシステムをカバーしており、これからのWebアプリケーション開発に重要な製品。業務アプリケーションの開発者から、ミドル層やプラットフォーム層の設計・構築の担当者まで、幅広いスタッフがそれぞれの立場で効率よくCosminexusの基本を学ぶことで、ソリューション力が全体的に高まり、お客さまにも安心感や信頼感を提供できるのが、資格取得の大きな目的です」（佐々木 正夫氏）。

Cosminexusの信頼性設計や運用設計のテクニカルスキルを認定する「Cosminexus認定プロフェッショナル」を取得したのが佐々木 貴敏氏である。

「すでにCosminexusを使ったJ2EEのシステムを複数開発しており、Cosminexusについての技術的な知識はありました。さらに一歩進んで、構築技術を学ぶことで、お客さまの要望に応じて的確なシステムを開発する力を身につけたいと考えて、『Cosminexus認定プロフェッショナル』を取得したのです」と佐々木 貴敏氏は語る。

講座を受講したことで、これまで疑問に思っていたことが氷解したり、実践的な構築技術に数多く触れることができて有意義だったという。

「たとえば、『1時間にこれだけの件数を処理したい』という要件があったら、どのようにサイジングし、どのようなパラメータを設定するのが最適であるか、的確な知識が得られました。また、『こういう現象が起きたときはこういう対処をしなさい』という知識など、実際の業務に役立つ具体的な情報も講座で伝授してもらえ、正直、こんな情報まで教えてもらえるのかと驚きました」（佐々木 貴敏氏）。

知識を得られただけでなく、顧客から相談を受けたときに提案の根拠を明確に示せるようになり、コミュニケーションの要素も含めたスキルを高めることができたのも大きな成果である。

一方、片野 良之氏はCosminexusを使用したインストールや環境構築のテクニカルスキルを認定する「Cosminexus認定エンジニア」を取得した。

「ミドルウェア層の設計やミドルウェアのインストールを担当していますが、Cosminexusを用いる案件が増えてきましたので、基本的な知識を身につけておこうと思って受講しました」（片野 良之氏）。

同氏は、Java™やJ2EEの知識はなかったが、Cosminexus認定資格講座では実機を使ってわかりやすくポイントを教えるため、スムーズに知識を得ることができたという。

「Cosminexusとはこういうもの、という全体像をつかむことができましたので、違和感なく理解でき、Cosminexusを含むシステムを開発・構築ができるようになりました。また、お客さまから設計内容について質問をいただいたときに、的確に答えられるようになったのもメリットです」（片野 良之氏）。