FLORAシリーズのLAN構成での不具合クレームの原因として多く見受けられる、構成上の不具合事例を紹介致します。
本内容はFLORAシリーズのLANに限ったものではなく、10BASE-T/100BASE-TXイーサネットLANで共通的な内容です。
事例1
<現象>
下図のような10BASE5との組み合わせの構成において、10BASE-Tの通信ができない、または遅い。
<原因>
図中のトランシーバ*1のSQEスイッチ設定が不正である。本来OFFと設定すべきところがONになっていた。
<説 明>
- 上記環境の10BASE-Tに複数のメーカーのパソコンが導入されている場合、本現象は、各LAN機能の特性の違いによっては、通信のできるパソコンと通信のできないパソコンがでてくる可能性があります。
- また、同一のパソコンであってもHUBの特性によって、1段目のHUBに接続した場合と、2段目のHUBに接続した場合とで現象が変わることがあります。
- リプレースや端末の増設(HUBの増設)時には、10BASE5のイエローケーブルが既に設置されている場合は、特に注意して確認をお願いします。
<SQEスイッチの設定方法>
トランシーバのSQEスイッチの設定は以下のように行って下さい。
- トランシーバーケーブルにHUBが接続されている場合は、該当トランシーバ(*1)のSQEスイッチは、OFFにして下さい。
- トランシーバーケーブルに端末が接続されている場合は、該当トランシーバ(*2)のSQEスイッチは、ONにして下さい。
事例2
<現象>
10BASE-T/100BASE-TXの通信ができない、または遅い。
<原因>
ツイストペアケーブルの作りが不正である。特に8芯タイプを使用した自作ケーブルでよく見受けられ、コネクタの3ピンと6ピンの信号線がツイストしていない。
<説 明>
- 本不具合は特に100BASE-TXでの通信で顕著になります。誤った配線のカテゴリ5UTPツイストペアケーブルを用いた場合、10BASE-Tでは、業務上支障なく動作していても、ケーブルの変更なく100BASE-TXへのアップグレードを行った場合に、100BASE-TXでまったく通信ができなくなることがあります。
- 本不具合は、10BASE-Tでも発生する可能性があります。
- 10BASE-T/100BASE-TXで実際に使用される信号線は、コネクタの1ピン,2ピン,3ピン,6ピンの信号です。4ピン,5ピン,7ピン,8ピンは使用されないため結線がなくても支障ありません。
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