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2020年6月17日
株式会社日立産機システム
受変電設備の安定運用と持続可能な社会に貢献
新型72/84kVガス絶縁開閉装置
株式会社日立産機システム(取締役社長:荒谷 豊)は、信頼性とメンテナンス性を高め、温室効果ガスの使用量を抑えた新型72/84kVガス絶縁開閉装置(以下、新型GIS)を2020年7月1日より販売開始します。
ガス絶縁開閉装置(以下GIS)は、電力の供給のために設置される断路器や遮断器(以下、VCB)などを金属製の密閉容器に収納し、絶縁性能や消弧性能*1に優れた六フッ化硫黄ガス*2(以下、SF6ガス)を充填し、大規模な工場や大型の公共建物など大量の電力を使用する施設に設置される受変電装置です。GISに搭載されるVCBは平常時以外の短絡・過電流・地絡状態などの異常時にも電路を安全に遮断できる装置であり、GISの安全性、保守に特に重要な機器です。
今回、新たに開発したハイブリッド形VCBは、永久磁石と電磁石を組み合わせたシンプルな構造により、一般的な電動ばねによる操作機構と比較し部品点数を大幅に削減しました。また全ての摺動部に固体潤滑を採用し、グリースレスの遮断器機構部とすることで、定期的な注油が不要で安定した機能を維持できるため、点検作業の低減と点検周期の延長を実現しました。
さらに新型GISでは、ハイブリッド形VCBの採用と、機器の最適なレイアウトにより、絶縁用に使用されるSF6ガスの使用量を当社従来機比で約14%低減*3しました。
GISは不具合が生じると施設の設備に電気が供給されず甚大な影響がありますが、ハイブリッド形VCBを搭載した新型GISは高い信頼性と点検周期延長による受変電設備の最適なLCM*4を実現するとともに、温室効果ガス削減により持続可能な社会に貢献します。
一般的なVCBは、電動ばねによる操作機構となっており、蓄勢したばね力を、より小さな力で保持するために複雑な機構を必要としていました。新型72/84kVガス絶縁開閉装置には、永久磁石と電磁石を組み合わせたシンプルな構造で操作器の部品数を約85%削減したハイブリッド形VCBを遮断器に採用することで、故障発生率を低減し、高い信頼性により電力の安定供給に貢献します。
一般的なVCBは摺動部にグリースを使用しており、定期的に注油を行い安定した動作を維持させますが、保守作業で注油が適切に行われない場合や周囲環境により摺動部が正しく動作せずGISに不具合が生じることがありました。新開発のハイブリッド形VCBは、全ての摺動部に固体潤滑を採用し、シンプル構造と併せて、点検作業の低減と点検周期の延長を実現し受変電設備の最適なLCMを実現します。
従来型のVCBと新型ハイブリッドVCBの保守比較
ハイブリッド形VCBの採用と、最適な収納機器レイアウト、絶縁ガスの低圧力化などにより絶縁用に使われる温室効果の高いSF6ガスの使用量を従来機比約14%低減し持続可能な社会の実現に貢献します。
No. | 項目 | 定格仕様 | ||
1 | 定格電圧 | 72kV | 84kV | |
2 | 雷インパルス耐電圧 | 350kV | 400kV | |
3 | 商用周波耐電圧 | 140kVrms | 160kVrms | |
4 | 定格電流 | 800/1200A | ||
5 | 定格周波数 | 50/60Hz | ||
6 | 定格短時間耐電流 | 25kA(2s) | ||
7 | SF6定格ガス圧力 (最低保証ガス圧力at20℃) |
GIS区画 | 0.07MPa G(0.05MPa G) | |
VCT区画 | 0.16MPa G(0.13MPa G) | |||
8 | 準拠規格 | JEC-2350(2016)、JEM-1499(2012) |
日立グループは、OT(Operational Technology)、IT(Information Technology)およびプロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業に注力しています。日立グループの、モビリティ、ライフ、インダストリー、エネルギー、ITの5分野の中、日立産機システムはインダストリー分野のプロダクト事業を通じてお客さまの社会価値、環境価値、経済価値の3つの価値向上に貢献します。
株式会社日立産機システム 事業統括本部
受変電制御システム事業部 企画部 企画グループ [担当:榎本 隆]
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TEL : 080-8862-6187
以上