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2019年9月12日
SNSやブログ、アプリストア、イントラネットなどのさまざまなメディアをモニタリングし、
ブランド侵害コンテンツの特定・対処などを迅速化
株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、AIなどのデジタル技術を活用し、企業におけるブランド価値の維持・向上をトータルで支援する「ブランドモニタリングサービス」を、10月1日から提供開始します。
本サービスは、日立独自のWeb検索技術(以下、クローラ技術)と、テキスト認識や画像認識のためのAIを活用することで、SNSやブログ、アプリストア、イントラネットなどのお客さま指定のサイト*1を網羅的にモニタリングし、定期分析のレポートや管理ポータルの形式で提供するものです。今回、社名やロゴを悪用した不正アプリの検知と、企業サイトにおける適正なブランド利用の管理、発表前製品画像などの機密情報の漏えい検知を対象とした3つのサービスを開始します。
日立は本サービスの提供により、ブランド侵害コンテンツの特定・対処などを迅速化し、従来はお客さまが手作業で行っていたブランド管理業務の効率化・高度化や、企業ブランドの強化・毀損リスクの防止に貢献します。
企業のブランド価値は、株価や商品の購買意欲、優秀な人材確保などにも影響を与えるため、企業活動においてブランド管理は重要です。特に、経済がグローバル化し、M&Aや企業再編が増える中で、企業グループ内でのブランドガバナンスの強化は、重要な課題となっています。また、企業内でブランドを取り扱う部門は、広報・宣伝、マーケティング、法務、知財、営業など多岐にわたるため、管理が煩雑になりやすいほか、昨今では、インターネットやモバイルの普及により、SNSやアプリをはじめとした新たな領域でのブランド対策も急務となっています。
今回提供開始する「ブランドモニタリングサービス」は、中核技術として、日立独自のクローラ技術のほか、リスクワードを文意などから自動判別するテキスト認識AI*2や、ロゴや製品画像などの固有の特徴(形状・色合い・模様)を識別する画像認識AI*3を採用しています。クローラ技術により、一般の検索エンジンでは収集できない深層Web*4を含め、Webサイトやアプリストア、SNSなどのお客さま指定のさまざまなメディアから幅広く情報収集します。テキスト認識AIと画像認識AIは、あらかじめ学習した社名やロゴ、製品などの表示基準、ブランドルールをもとに、収集した情報がお客さまブランドに関連する情報か否か、ガイドラインに基づき適切に利用されているかを判断します。
今後、日立は、マーケティング、ブランドマネジメントを専門とする一橋大学ビジネススクールの阿久津聡教授の協力を得て、ブランド理念構築や企業ブランディングによって持続的に業績を向上させるブランド経営のあり方を支援するメニューを拡充し、攻めと守りの両輪でブランド経営を支援する総合ブランディングサービスとして本サービスを強化していきます。
昨今、企業の正規アプリを模してユーザーや代理店向け資料が無断販売される事例など、不正アプリによるブランド侵害が数多く報告されています。
本サービスは、Google PlayとApp Store®の各国向けアプリストア(140か国以上)を対象に、企業名やロゴを不正利用している可能性のあるアプリを検知し、定期レポートとしてお客さまに提供するものです。ストア内のアプリ情報から、アイコンや説明画面を画像認識し、類似性の高いアプリを網羅的に検出するため、画像内に組み込まれた企業名やロゴなど、通常のテキスト検索では発見できない偽アプリにも対応します。また、テキスト認識AIにより、一般性の高い名称も自動的に意味を判定することで、関連性のないアプリを除外し、お客さまの確認負荷を軽減します。
なお、本サービスは、日立建機株式会社向けに開発した不正アプリ検知機能を強化したものです。日立建機では、毎月数万回の検索に相当する作業を自動的に実施できるようになり、不正アプリの定常的なモニタリングが可能となるなど、一定の効果を確認できました。
本サービスは、社員やグループ企業などによる適正なブランド利用の管理・徹底を支援するサービスです。具体的には、ロゴのサイズや配置、ページデザインなどのブランドルールをAIに学習させ、ルールに従っていない違反コンテンツを自動検知するほか、管理ポータル上で問題箇所が是正されるまで該当ページの最新状況をトラッキングします。これにより、対象サイトの常時モニタリングや問題箇所の一元管理などを実現し、ブランドマネジメント部門の業務を効率化・高度化するとともに、ルールに則ったビジュアルイメージの統一化やブランドガバナンスの強化を支援します。
なお、今後、日立のシステム&サービスビジネス部門のブランドマネジメント業務の一部に本サービスを適用し、継続的な機能強化を図っていきます。
本サービスは、発表前の製品写真や社外秘資料をはじめとしたお客さまの機密情報の特徴をAIが学習し、外部への漏えいを検知して定期レポートとしてお客さまに提供するものです。深層Webにも対応するクローラ技術と画像・テキスト認識AIにより、機密情報が不正にアップロードされる懸念のあるサイトをモニタリングしながら、企業名やロゴ、キーワードなどの関連情報と組み合わせて機密情報か否かを分析し、情報漏えいを検知します。これにより、お客さまはいち早く事態を把握することができ、迅速な対応を行うことで、情報の拡散による被害拡大といったリスクを低減できます。
国内外でのM&Aや人材採用難、さらに働き方改革や健康経営への期待から、強いコーポレートブランドの構築は企業にとって重要なテーマです。また、デジタル領域でのブランドガバナンス強化も喫緊の課題とされ、「ブランド」の重要性が再認識されています。ブランドマネジメント業務は、守りの知財管理だけではなく、攻めのコーポレートブランド戦略の立案と推進まで多岐にわたります。
日立が開発した「ブランドモニタリングサービス」は、テクノロジーの支援により、知財管理の質を飛躍的に高めるだけでなく、広範な業務全般を少数精鋭で担当しているブランドマネジメント・チームが、構想力やリーダーシップといった人間力を必要とするブランディング施策の立案や実践に注力できるようになるため、新たな価値の創造が期待できます。今後、日立と協力し、テクノロジーを活用しながら、社員の自社ブランドへのエンゲージメントの向上や活気ある職場づくりなど、更なるブランディング活動支援の研究に取り組んでいきたいと考えています。
名称 | 価格 | 提供開始日 |
---|---|---|
無許諾スマートフォンアプリ検知サービス | 個別見積 | 10月1日 |
ブランド適正利用管理サービス | ||
機密情報漏えい検知サービス |
本サービスは、日立が2019年10月17日(木)〜18日(金)に、東京国際フォーラムで開催する 「Hitachi Social Innovation Forum 2019 TOKYO」の展示会場においてご覧いただけます。
日立は、OT(Operational Technology)、IT(Information Technology)およびプロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業に注力しています。2018年度の連結売上収益は9兆4,806億円、2019年3月末時点の連結従業員数は約296,000人でした。日立は、モビリティ、ライフ、インダストリー、エネルギー、ITの5分野でLumadaを活用したデジタルソリューションを提供することにより、お客さまの社会価値、環境価値、経済価値の3つの価値向上に貢献します。
株式会社日立製作所 システム&サービスビジネス統括本部 アプリケーションサービス事業部
事業企画部[担当:酒井、藤野、奥野]
〒212-8567 神奈川県川崎市幸区鹿島田一丁目一番二号
以上