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企業情報ニュースリリース

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2018年6月20日

MathWorks MATLABとMicrosoft Dynamics 365を
IoTプラットフォーム「Lumada」により連携させる技術を開発

Node-REDを活用し、OTデータの高度な分析に基づく業務改善を容易に実現

[画像]LumadaによるMATLABおよびMicrosoft Dynamics 365の連携イメージ
LumadaによるMATLABおよびMicrosoft Dynamics 365の連携イメージ

  株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、産業分野でのモデリングやシミュレーションに広く使われているツールである米国The MathWorks, Inc.(以下、マスワークス社)のMATLAB®/Simulink®*1と、企業活動に必要な業務をサポートする米国Microsoft Corporation(以下、マイクロソフト社)のクラウドビジネスアプリケーションMicrosoft Dynamics® 365*2を、IoTプラットフォーム「Lumada」により連携させる技術を開発しました。本技術は、従来分断されていたOT*3システムと業務ITシステムの連携を自動化し、OTデータの高度な分析と業務ITシステムを統合したソリューションの開発を容易にすることで、生産性の向上を図り、革新的デジタルソリューションの迅速な提供を実現します。

  近年、IoT技術の進展に伴い、製造現場などに設置された各種センサーからデータを収集・分析し、生産性の向上や故障率の低減など、多様な経営課題を解決することが期待されています。このような中、日立はIoTプラットフォーム「Lumada」を展開し、多岐にわたるお客さまの課題解決に向けたデジタルソリューションを提供してきました。IoTプラットフォーム「Lumada」では、データの収集から分析までの手順を迅速化するため、GUI*4プログラミングツールとして「Node-RED*5」を採用し、分析手順構築の迅速化を実現してきました。また、2017年8月にはNode-RED上でシステム間の接続インターフェースを統合管理する技術である「Flow Connection Gateway」を開発し*6、システム間での処理やデータ連携を容易にしました。

  今回、日立は、Lumadaを活用したデジタルソリューションの展開を加速させるため、マスワークス社およびマイクロソフト社と協力し、MATLAB/SimulinkとMicrosoft Dynamics 365をNode-REDにより連携することで、高度なデータ分析と業務管理システムを連携させたソリューションを迅速かつ容易に実現できることを実証しました。具体的には、MATLABのデータ分析アルゴリズムの1つである「摩耗状態推定モデル」をNode-REDから制御し、Dynamics 365 for Field Service上にある業務データ・案件データと組み合わせることで、磨耗による故障予知に基づく保守案件情報の自動登録を可能にしました。

  今後、日立は、分析アルゴリズムや連携可能な業務システムの拡充などをオープンイノベーションで進め、IoT技術による革新的デジタルソリューションの提供に向けた技術開発を進めていきます。また、OSS*7コミュニティと連携し、積極的なコミュニティ貢献をめざしていきます。

  なお、本技術の一部は2018年6月20日〜22日に東京コンファレンスセンター・有明で開催されるOpen Source Summit Japan 2018で発表予定です。

JS Foundation*8 エグゼクティブ・ディレクタ Kris Borchers氏のコメント

  企業業務システムへのNode-REDの採用拡大に対し、JS Foundationはとても光栄に思います。Node-REDはプロトタイプツールとして出発しましたが、ユーザーが直接利用する製品の一部として多くの企業で活用されています。今回の日立、マイクロソフト社、マスワークス社による提携は、企業業務におけるNode-REDの採用拡大の素晴らしい例です。また、今回の提携は、顧客やパートナーに便益を与える上でのオープンソースソフトウェアの重要性を示すものです。今後とも、Node-REDプロジェクトに関して日立との連携を深めるとともに、日立のNode-REDおよびJavaScriptエコシステムへの貢献を期待しています。

日本マスワークス社 インダストリマーケティングマネージャ 阿部 悟氏のコメント

  日立との協力により、MATLABとSimulinkの持つ先進的なデータアナリティクスおよび機械学習用アルゴリズムとアプリケーションを、保守運用業務システムから直接利用することが可能となりました。この統合化されたプラットフォームにより、機器の劣化や寿命予測、故障予兆、予知保全、その他重要な保守運用の迅速な導入や、エンタープライズシステムへの展開が進むことを期待しています。

日本マイクロソフト株式会社 執行役員 常務 パートナー事業本部長 高橋 美波氏のコメント

  日本マイクロソフトは、日立のLumada事業でのパートナーシップの一環として、Microsoft Dynamics 365を活用した業務システムとの連携技術の開発と、同技術がグローバル市場に展開されることを心より歓迎いたします。お客さまのデジタルトランスフォーメーションを加速するためには、既にオープンソースに行っている投資を活用し、それらを乗せることができる信頼できるクラウドプラットフォームが必要です。特に産業分野においてはIoT技術を用いた業務の効率化が求められており、日立が開発した先進的な技術と既存アプリケーション、そしてデータの融合によって、お客さまのデジタルトランスフォーメーションが推進されることを大いに期待しています。今後も日本マイクロソフトはグローバルで展開するパートナーシップで日立と連携し、お客さまの事業の発展に貢献してまいります。

*1
MATLAB/Simulink: マスワークス社のデータ分析およびシミュレーションプラットフォーム製品。MATLABおよびSimulinkはマスワークス社の米国およびその他の国における登録商標または商標です。
*2
Microsoft Dynamics 365: 企業活動に必要な業務をサポートするマイクロソフト社のクラウドビジネスアプリケーション。Microsoft Dynamicsはマイクロソフト社の米国およびその他の国における登録商標または商標です。
*3
OT: Operational Technology
*4
GUI (Graphical User Interface): コンピューター側からユーザーに対して情報を表示する際に、視覚的な画像を多く利用するインターフェース。
*5
Node-RED: IBMが開発し、2016年10月にJS Foundation(オープンソースに関するさまざまな活動を支援するための非営利団体Linux Foundationのプロジェクト)に寄贈されたコーディングレスプログラミングツール。 Node-RED公開サイト
*6
プログラミングツール「Node-RED」の機能拡張に向けて、システム連携を容易に実現する技術を開発(2017年8月9日)
*7
OSS: Open Source Software
*8
JS Foundation

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 研究開発グループ

以上

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