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企業情報ニュースリリース

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2014年9月16日

流体解析や気象予測などの大規模シミュレーションに高い性能を発揮する
スーパーテクニカルサーバ「SR24000シリーズ」を販売開始

従来モデルに比べ、約1.6倍の実効性能を実現

[画像]「SR24000シリーズ」
「SR24000シリーズ」

  株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、流体解析や気象予測などの大規模シミュレーションに高い性能を発揮するスーパーテクニカルサーバ「SR24000シリーズ」を製品化し、9月17日から販売開始します。本製品は、最新のPOWER8TMプロセッサーの搭載などにより、従来モデルに比べ約1.6倍*1の実効性能を実現しています。従来から提供している日立独自の豊富な運用ノウハウやソフトウェア技術と組み合わせることでスーパーコンピュータシステムとしての性能を最大限に引き出し、大量データを用いた科学技術計算の迅速な処理を可能にします。
  なお、本製品は学校法人早稲田大学(総長:鎌田 薫/以下、早稲田大学) 理工学術院に先行納入され、博士課程教育リーディングプログラム「実体情報学」*2における計算機システムとして、ヒューマノイド、医療用ロボットなどに使われる各種アプリケーションの高速化などの研究に活用されています。

*1
2012年11月発売の「SR16000 モデルXN1」と、今回発表の「SR24000 モデルXP2」との同一コア数での比較。
*2
早稲田大学が推進する、ITと機械技術の融合により新たな「ものづくり」の基盤技術を創出する研究。

  大規模なシミュレーションを超高速で実行できるスーパーテクニカルサーバは、流体解析や気象予測、防災科学、素粒子研究、生命科学、新材料開発など、幅広い領域の科学技術計算に用いられています。また近年、あらゆる機器がインターネットに接続されるIoT(Internet of Things)時代の到来により、センサーを介して社会インフラ分野の施設や設備から得られる大量データをスーパーコンピュータで解析し、活用する動きが広がっています。そのため、プロセッサー性能のみならず、大量データを格納できるメモリ容量やそのデータをプロセッサーへ高速に供給するメモリ転送速度など、大規模なデータを滞りなく伝達する高い通信性能が求められるとともに、データ処理を効率化する並列処理などのソフトウェア技術や運用管理ノウハウはますます重要な要素となっています。

  今回、販売を開始する「SR24000 シリーズ」では、高集積で大規模なシステム向けに2U*3のシャーシにPOWER8TMプロセッサー(周波数3.42GHz)を最大20コア搭載できる「XP1」と、高い単体性能が求められるシステム向けに4UのシャーシにPOWER8TMプロセッサー(周波数3.52GHz)を最大24コア搭載できる「XP2」の2モデルを用意しています。最新プロセッサーの搭載や、ノード*4あたりのメモリ転送速度を従来モデル比約2.8倍*5となる384GB/秒に向上したことなどにより、従来モデル比約1.6倍*1に実効性能を強化しました。さらにInfiniBand*6によるノード間ネットワークを高速化し、従来モデル比約3.3倍*5となる54.2GB/秒のノード間データ転送速度を実現しています。これらにより、大量データを利用した大規模シミュレーションなどの科学技術計算の迅速な処理を可能にします。また、システムの規模や用途に応じてモデルを選択できるため、消費電力や設置面積などシステム導入・運用にかかるコストを抑えつつ、高性能なスーパーコンピュータシステムを構築できます。

*3
1U:44.45mm。
*4
ノード:並列コンピュータを構成する独立した演算処理単位。
*5
2012年11月発売の「SR16000 モデルXN1」と、今回発表の「SR24000 モデルXP2」の比較。
*6
InfiniBand(インフィニバンド) : サーバ用の高速ネットワーク・インターフェイスの規格。

  なお、従来から提供している自動的に演算の並列処理を行う「自動並列化コンパイラ」や「クラスタ管理技術」、分散共有ファイルシステム「Hitachi Striping File System」といった日立独自のソフトウェア技術や運用管理ノウハウを組み合わせることで、「SR24000シリーズ」の性能をシステムとして最大限に引き出すことができます。

  日立は、今後も「SR24000シリーズ」をはじめとするテクニカルサーバを、多数の研究機関や企業の先進的な研究を支えてきた実績やシステム構築・運用ノウハウと組み合わせて提供し、高性能、高信頼なスーパーコンピュータシステムの提案、導入を積極的に行っていきます。

  今回の発表にあたり、以下のコメントをいただいております。

学校法人早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部 情報理工学科 教授
アドバンストマルチコアプロセッサ研究所所長 笠原 博徳 氏

  早稲田大学が採択された、文部科学省の「博士課程教育リーディングプログラム」における「実体情報学博士プログラム」(プログラムコーディネータ:総合機械工学専攻 菅野重樹教授、サブコーディネータ: 情報理工・情報通信専攻 小林哲則教授)では、日立より最新鋭サーバ「SR24000」を導入しました。本システムは最先端のPOWER8™プロセッサーを用いたシステムで、高速なプロセッサー間結合網と共有メモリを持つため、プログラム中の並列性抽出と共に性能が向上しやすい構成となっています。このシステムは、本プロジェクトで研究分野の一部となっているヒューマノイド、医療用ロボット、音声対話、通信、情報などの各種アプリケーションの高速化、マルチコア用並列化コンパイラの研究に最適なシステムと考えております。また、POWER8™プロセッサーは電力制御を高速に行うことができるオンチップレギュレータが搭載されており、早稲田大学が世界最先端の研究を行っている、並列化コンパイラを用いたコンピュータの自動電力削減方式の研究開発を促進できると期待しております。「SR24000」システムを有効活用し、情報系、通信系、機械系の技術を融合し、医療、エネルギー等の重要分野でイノベーションを先導する先見力、構想力、突破力を兼備した人材を輩出していきたいと考えております。

新製品「SR24000シリーズ」の概要

モデル名プロセッサー
(周波数)
ノードあたり
プロセッサー数
(コア数)
ノードあたり
最大メモリ
容量
最大
ノード数
ノードあたり
理論演算性能*8
XP1*7POWER8TM(3.42GHz)2個
(最大20コア)
1,024GB512
ノード
547.2GFLOPS*9
XP2*7POWER8TM(3.52GHz)2個
(最大24コア)
675.84GFLOPS
*7
両モデルとも冷却方式は空冷で、高効率熱交換水冷リアドア(排熱を水によって熱交換して冷やす方式を採用した後面ドア)をオプションにより提供可能。
*8
理論演算性能:実際にプログラムを実行したときの性能ではなく、同時に動作可能な全ての演算器が動作したときの性能。
*9
1GFLOPS(ギガフロップス):浮動小数点演算を1秒間に10億回実行する能力。

新製品「SR24000シリーズ」の価格と出荷時期

モデル名価格出荷時期
XP1個別見積2014年12月1日
XP2

関連情報

SC14への出展について

2014年11月16日から21日まで米国ニューオリンズで開催されるスーパーコンピューティングの国際学会SC14に参加し、「SR24000シリーズ」を展示、紹介します。

他社商標注記

  • POWER8TMは、米国およびその他の国における米国International Business Machines Corp.の商標または登録商標です。
  • InfiniBandは、InfiniBand Trade Associationの商標またはサービスマークです。
  • その他、記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 情報・通信システム社 ITプラットフォーム事業本部

以上

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