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Hitachi

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2013年2月18日

ネットワークロボット技術を活用した「調査モニタリングシステム」を開発

総務省の委託研究「ライフサポート型ロボット技術に関する研究開発」の成果を活用し、
人が立ち入ることができない災害現場で活用するための実証試験を提案

  株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、このたび、災害現場などすぐに人が立ち入ることが出来ない環境下において、現場の状況を把握し、その後の復旧や救助を迅速に進められるためのシステム「調査モニタリングシステム」を開発しました。
  本システムは、現場の図面など二次元マップの情報をもとに、VHF帯*1の無線を利用して遠隔操作する3台のロボットにより得た現場の各種センサ情報を、「空間台帳」のデータに対しに更新することで、災害現場の状態マップを作成していきます。本システムにより作成されたマップにより、災害現場の状況が詳細に把握できるほか、その後の復旧に向けた作業計画の作成やロボットによる復旧作業の実現などに活用できます。
  なお、本システムは、多地点で複数のロボットなどがネットワークを介して連携するネットワークロボット技術の研究開発である総務省の平成21年度からの委託研究「ライフサポート型ロボット技術に関する研究開発」と東日本大震災への復興支援を目的とした平成23年度の第三次補正事業において追加された研究において、ロボットの無線による遠隔操作と空間台帳の作成技術の開発とその実証で得られた成果を活用したものです。なお、本システムに活用するモニタリングロボットシステムは、日立GEニュークリア・エナジー株式会社(代表取締役 取締役社長 : 魚住 弘人)が調達しました。また、このモニタリングロボットシステムは、日立のワイヤレスインフォ統括本部で開発したVHF帯にてロボットを遠隔操作するための無線通信モジュールを搭載しています。
  今後、日立グループの総合力を活かして開発した本システムを、東日本大震災により人が立ち入ることができない災害現場の復旧に向けた支援策の一つとして活用できるよう、関係機関や電力会社などと協力して現場で実証試験を実施するための提案を行うことにあわせ、運転操作員の訓練などを進めていきます。

*1
VHF : Very High Frequency

「調査モニタリングロボットシステム」の特徴

1. 空間台帳の活用

空間台帳は、ロボットの移動のために必要な床面の特性(形状、材質、傾斜、段差など)やエリア内の構造(棚、机、障害物など)、エリア間の構造(開口部、ドアなど)、場所に紐付けられたさまざまな情報を管理し、マップ化するものです。本マップを活用することで、災害現場の状況が詳細に把握できるほか、その後の復旧に向けた作業計画の作成やロボットによる復旧作業の実現などに活用できます。

2. VHF帯を活用

ロボットの制御とロボットにある各種センサやカメラ映像の受信用に、障害物に対しても回り込むなど、電波伝播特性が広範で安定性が高い無線通信が可能なVHF帯を活用します。なお、ロボットシステム自体も相互に無線中継が可能とすることで、個別のロボットでは無線通信で到達できないエリアでも調査モニタリングが可能としています。

3. モニタリングロボットと操作コンソールによる遠隔操作

「ライフサポート型ロボット技術の研究開発」の開発成果である空間台帳データベースを活用し、3台のロボットがそれぞれの位置情報からロボットと障害物の位置関係を操作コンソールのマップ画面に表示します。ロボットを操作する際、障害物との干渉の可能性がある場合は、操作員へのアラームメッセージの表示にて注意喚起するなどの操作サポート機能を有しています。

調査用小型ロボット(本体)の
仕様と外観

項目 仕様
装置名 調査用小型ロボット
重量 約45kg
外形寸法 幅509mm×長さ755mm×
高さ815mm
駆動方式 クローラ型駆動方式
駆動時間 約3〜4時間(連続使用の場合)
積載荷重 20kg以下
操作方法 無線

[画像]調査用小型ロボット

マルチ機能搭載ロボット(本体)の
仕様と外観

項目 仕様
装置名 マルチ機能搭載ロボット
重量 約100kg
外形寸法 幅611mm×長さ879mm×
高さ815mm
駆動方式 クローラ型駆動方式
駆動時間 約3〜4時間(連続使用の場合)
積載荷重 200kg以下
操作方法 無線

[画像]マルチ機能搭載ロボット

操作コンソールの仕様と外観

項目 仕様
装置名 操作コンソール
重量 約32kg
外形寸法 幅724mm×長さ847mm×高さ443mm (収納時)
電源 AC 100V

[画像]操作コンソール

操作コンソール(ロボット操作)の画面

[画像]操作コンソール(ロボット操作)の画面

空間台帳の画面

[画像]空間台帳の画面

「ライフサポート型ロボット技術に関する研究開発」について

複数のロボットがネットワークを通じて相互に連携する、ユビキタスネットワークロボット技術の研究開発を実施するものです。これにより、単体ロボットに比べて実世界の認識や人とのコミュニケーション能力について大幅な向上を図ることをめざします。具体的には、B2B サービス(商業施設などにおける案内や情報提供など)からB2C サービス(家庭内における見守りや生活支援など)まで、特に高齢者や障がい者を対象としたロボットサービスに必要な機能を実現し、その幅広い普及促進を図るものです。さらに、平成23年度補正の事業による実施では、これらに加えて、原子力発電所での利用を想定した実証実験を実施します。

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お問い合わせ先

株式会社日立製作所 情報・通信システム社 公共システム営業統括本部
カスタマ・リレーションズセンタ [担当 : 佐々木、西本]
〒136-8632 東京都江東区新砂一丁目6番27号 新砂プラザ

以上

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