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2013年2月14日
株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、一般財団法人電力中央研究所(理事長 : 各務 正博/以下、電中研)、住友精密工業株式会社(社長 : 三木 伸一/以下、住友精密)と共同で開発を進めている、新型ガスタービンAHAT(Advanced Humid Air Turbine)システム*1において、40MW級総合試験設備での定格出力を達成しました。本設備の運転により、AHATシステムを中容量ガスタービン向けの主要機器で構成できることを世界で初めて検証しました。今後、様々な条件での運転特性、機器の信頼性を確認しながら、実証機に向けたスケールアップ技術の開発、実証機への反映等を行い、中小容量クラス(〜200MW級)の高効率ガスタービン発電システムの実用化をめざします。
近年、経済性向上と環境負荷低減を目的として、高効率ガスタービンの需要が増加しており、また、火力発電プラントには、安定運用に向けた稼働率の向上や環境への配慮、運用コストを最適化するための効率の改善が求められています。ガス火力発電では、高効率発電技術としてガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)発電*2が普及していますが、さらなる高効率化・低コスト化に向けた技術開発が期待されています。また、世界的に風力や太陽光発電等の再生可能エネルギーの大量導入が進んでいることから、起動時間が短く、負荷追従性(発電出力の増減指示への即応性)に優れた電力系統調整用の電源がますます重要になっています。
日立は、これらのニーズに対応するため、2004年から電中研および住友精密とともに、経済産業省の補助事業として、AHATサイクル発電のシステム検証と要素技術開発を進め、2010年に、3MW級の小型ガスタービンでAHATの原理の検証を完了しました。しかし、3MW級検証機のガスタービンは、遠心式圧縮機、単缶式燃焼器など小型ガスタービン向けの構成であるため、発電事業に用いられる多段軸流圧縮機、多缶式燃焼器を備えた中容量ガスタービンでの検証が求められていました。また、環境負荷の低減に寄与するために、NOx排出量のさらなる低減を図ることも課題となっていました。そこで日立は、40MW級総合試験設備を開発し、発電事業用に用いられる中容量ガスタービンでAHATを構成可能とする技術と、NOx低減を実現する燃焼機向け技術を開発、検証しました。
今回検証した40MW級総合試験設備の技術の特長は以下の通りです。
今後、本設備の運転により、様々な条件での運転特性、機器の信頼性を確認しながら、AHAT商用機のシステム特性を評価し、実証機に向けたスケールアップ技術の開発、適用等を行い、中小容量クラス(〜200MW級)の高効率ガスタービン発電システムの実用化をめざします。
株式会社日立製作所 日立研究所 企画室 [担当 : 影山]
〒319-1292 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号
電話 0294-52-7508(直通)
以上