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2013年1月24日
マイクロソフトのHyper-Vと日立のサーバ論理分割機構Virtageの組み合わせで
効率的なクラウド運用を実現するソリューションの開発、提供を推進
株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、サーバ仮想化分野における日本マイクロソフト株式会社(以下、日本マイクロソフト)との連携を強化します。具体的には、日本マイクロソフトが提供する仮想化機能「Microsoft® Windows Server® 2012 Hyper-V®」(以下、Hyper-V)と日立の統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」に搭載されているサーバ論理分割機構Virtage(バタージュ)の組み合わせで、効率的なクラウド(クラウドコンピューティング)運用を実現するソリューションの開発、提供に向けて、「Virtage for Hyper-Vソリューションセンター」を本日付で共同開設し、2013年度上期(2013年4〜9月)にソリューションの提供を開始します。
今回の連携強化に先立ち、両社は、論理的に分割した独立性の高いサーバ区画(LPAR*1)上で、複数のサーバ仮想化ソフトウェアの安定的な動作を実現するVirtageの最新技術に、Hyper-Vを適用できることを共同で検証しました。日立は、新たに共同開設したセンターにおいて、本検証結果をもとに、Hyper-VとVirtageの組み合わせで、効率的なクラウド運用を実現する「高信頼サーバ仮想化ソリューション for Hyper-V」を開発し、2013年度上期から提供を開始します。本ソリューションにより、クラウドサービス事業者や企業の情報システム部門は、1台の物理サーバ上に複数のHyper-V環境を集約可能となり、仮想サーバ運用の柔軟性を損なうことなく、LPAR間の高い独立性を活かした、より効率的なサーバ資産の活用を実現できます。
さらに、日立は、2013年度中に日立クラウドソリューション「Harmonious Cloud」へ「高信頼サーバ仮想化ソリューション for Hyper-V」を適用する予定です。
近年、ITシステムのTCO(Total Cost of Ownership)削減などを目的に、サーバ仮想化技術を活用したクラウドの導入が加速しています。マルチテナント*2のクラウドシステムにおいては、サーバを効率的に利用するため、1台の物理サーバ上に複数のテナント(企業・部門)の仮想サーバを集約するケースが増加しており、このようなシステムでは、隣接するテナントの負荷変動に伴う性能低下の防止や、テナント間のセキュリティ確保、仮想サーバの管理、障害発生時の独立性の確保などが課題となっています。また、仮想化技術の浸透と発展に伴い、ITシステムが仮想化ソフトウェアの利用、管理を前提として設計されるようになっており、仮想化ソフトウェアが動作するサーバ環境を、より迅速かつ効率的に提供することが求められています。
日立は、2006年に独自のサーバ論理分割機構Virtageを開発し、「BladeSymphony」に搭載しています。Virtageは、LPAR間の高い独立性を実現し、物理サーバと同等の信頼性を確保できることから、企業の基幹系・大規模システムなどに幅広く利用されています。また、2012年9月には、業界で初めて*3LPAR上でサーバ仮想化ソフトウェアを安定的に動作させる技術を開発してVirtageに搭載し、マルチテナントのクラウドシステムにおいて、高い集約性とテナント間の独立性の両立を可能にしました。
今回、日立と日本マイクロソフトは、LPAR上での複数のサーバ仮想化ソフトウェアの安定的な動作を実現するVirtageの最新技術に、Hyper-Vを適用できることを共同で検証しました。具体的には、1台の物理サーバをVirtageで分割し、作成した複数のLPAR上において、Hyper-V上の仮想サーバを停止せずに他のLPAR上のHyper-Vに移動させる「ライブマイグレーション機能」や、ビジネス継続性と障害回復に備える「Hyper-V レプリカ機能」などが動作することを検証し、Virtageの特長である高い独立性と、Hyper-Vの特長である柔軟な運用性を兼ね備えたクラウドシステム基盤として機能することを確認しました。
両社は、本検証結果をもとに、Hyper-VとVirtageを組み合わせた効率的なクラウド運用を実現するソリューションを開発、提供するべく、サーバ仮想化分野における連携を強化しました。両社は、今後も協力して相互の製品の特長やノウハウを融合した付加価値の高いソリューションの開発、提供を進めていきます。
日立と日本マイクロソフトは、Hyper-VとVirtageの組み合わせで、運用の柔軟性と、複数の仮想化環境間の独立性を両立し、効率的なクラウド運用を実現する「高信頼サーバ仮想化ソリューション for Hyper-V」の開発、提供を推進するべく、日立ハーモニアス・コンピテンス・センター(東京都港区)内に「Virtage for Hyper-Vソリューションセンター」を本日付で共同開設しました。
日立は、本センターにおいて「高信頼サーバ仮想化ソリューション for Hyper-V」の提供に向けた検証を継続し、2013年度上期に提供を開始するとともに、2013年度中に日立クラウドソリューション「Harmonious Cloud」へ「高信頼サーバ仮想化ソリューション for Hyper-V」を適用する予定です。
さらに、日本マイクロソフトと共同で、本ソリューションを活用した新たな事業展開に向けて、広告、セミナーなどのプロモーション活動を推進します。
「高信頼サーバ仮想化ソリューション for Hyper-V」の導入に向けて、クラウドサービス事業者や、企業の情報システム部門を対象として、検証環境の貸出しやソフトウェアベンダーへの検証支援、導入に向けたコンサルティングなどを実施することで、効率的で高信頼なクラウドシステム基盤の構築を支援します。
本ソリューションは、クラウドサービス事業者のマルチテナントのシステムや、複数部門が混在するプライベートクラウドシステムにおいて、テナントごとに分割したLPAR上でHyper-Vを動作させることを可能にすることで、テナント間の独立性を保ちつつ、効率的なシステム構築を実現します。これにより、Hyper-Vを前提としたソフトウェアなどの開発環境や、トレーニング環境、システム検証など、多数のHyper-Vを同時に動作させる用途において、複数のHyper-V環境を少数の物理サーバに集約可能となります。また、1台の物理サーバ上で異なるバージョンのHyper-Vを混載できるため、新しいバージョンのHyper-Vにシステムを移行させる際に、物理サーバを複数準備する必要がなくなり、低コストで迅速なシステム移行を実現します。さらに、Hyper-Vが動作するサーバ環境が急遽必要になった場合でも、新たに物理サーバを用意することなく、VirtageでLPARを追加することで迅速に対応できます。Virtageは、プロセッサーコア単位でLPARを作成できるため、負荷の低い用途向けには小規模なLPARを割り当てるなど、よりきめ細かなサーバ運用が可能となります。
日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 エンタープライズアライアンス統括本部長 五十嵐 光喜
日本マイクロソフトは、日立製作所様とのサーバ仮想化分野における連携を強化し、「高信頼サーバ仮想化ソリューション for Hyper-V」の開発、提供を共同で推進できることを嬉しく思います。「高信頼サーバ仮想化ソリューション for Hyper-V」は、独立性と柔軟性を兼ね備えた強固な仮想化環境をお客様にご提供できるものと確信しています。弊社は、今後も日立製作所様とともに、お客様のさまざまなご要望にお応えすることで、業務効率向上、企業競争力強化をご支援いたします。
Virtageは、統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」に搭載されている日立独自のハードウェア論理分割機構です。メインフレーム開発で培ってきた論理分割技術に、ハードウェアによるサーバ仮想化支援機構であるインテル® バーチャライゼーション・テクノロジーを組み合わせて開発しました。オーバーヘッドを低減し物理サーバと同等の信頼性を保つことができるため、大規模な基幹系システムにも利用できます。詳細は、以下リンクをご覧ください。
Windows Server 2012 Hyper-Vは、完全な仮想化プラットフォームを提供し、データセンターからクラウドまでをカバーする柔軟なソリューションによってスケーラビリティとパフォーマンスの向上を実現します。組織は、以前にも増して簡単に仮想化によるコスト削減を実現し、サーバハードウェアへの投資を最適化することができます。詳細は、以下リンクをご覧ください。
Virtage for Hyper-Vソリューションセンター
東京都港区港南二丁目16番1号 品川イーストワンタワー13階
(日立ハーモニアス・コンピテンス・センター内)
以上