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2012年7月4日
独立行政法人 情報通信研究機構のクラウド基盤用のコンテナ型データセンタとして採用
株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、サイズやレイアウトを柔軟に設計でき、短期間に低コストで構築可能な屋外設置式のコンテナ型データセンタ「フレキシブルデザインコンテナ」を、7月6日から販売開始します。今後、クラウド(クラウドコンピューティング)システムやバックアップシステムを設置するデータセンタを早期に立ち上げるなど、データセンタを短期間にコストを抑えて構築したい顧客などを対象として積極的に提案を行っていきます。
なお、「フレキシブルデザインコンテナ」は、独立行政法人 情報通信研究機構(理事長 : 宮原 秀夫/以下、NICT)において、情報通信技術の研究開発や新たなクラウドサービス、システムの研究開発、実証を行うためのクラウド基盤用のコンテナ型データセンタとして、先行的に採用されており、約2.5カ月という短期間で構築し、4月から順次稼働を開始しています。
クラウドの普及などを背景に、省電力・高集積なデータセンタ環境構築のニーズが拡大しており、モジュール内に機器の稼働効率が最大限になるよう最適配置することでデータセンタの省電力化、省スペース化を実現するモジュール型データセンタが注目されています。また、コンテナ型データセンタについては、短期間かつ低コストで構築でき、増設も容易なデータセンタとして、海外を中心に普及が進んでいます。国内においても、2011年(平成23年)3月の国土交通省の通達*1により、稼働時に無人となるコンテナ型データセンタについて、建築基準法上の建築物に該当しない旨の方針が示されるなど、本格的な普及に向けた環境が整い、また、自然災害をはじめとするさまざまな緊急事態の発生に備え、BCP(Business Continuity Plan : 事業継続計画)を強化する取り組みの一つとして、バックアップ用のデータセンタの早期構築のニーズなどが増加しており、コンテナ型データセンタへの関心が高まっています。
日立は、データセンタやサーバ室の省電力化や早期構築ニーズに対応するため、モジュール型ならびにコンテナ型データセンタ関連のソリューションをグループで開発、提供してきました。2009年1月に、省電力・高集積なデータセンタ環境構築ソリューションとして提供を開始した「モジュール型データセンタ」は、小規模な一つのモジュール内に、IT機器を搭載したラックや、空調機器などを稼働効率が最大となるように配置し、データセンタの省電力化、省スペース化を実現するソリューションで、コンサルティングから設計、構築、保守までをワンストップで提供します。また、2011年3月には、株式会社日立情報システムズ(現・株式会社日立システムズ)が、コンテナ型データセンタを活用したシステム運用サービスの提供を開始するなど、グループを挙げてソリューションの強化を図り、グローバルに提供してきました。
日立は、今回、コンテナ型データセンタへの関心の高まりを受け、「モジュール型データセンタ」のラインアップにコンテナ型データセンタ「フレキシブルデザインコンテナ」を追加しました。「フレキシブルデザインコンテナ」は、屋外に設置したコンテナ内に、サーバやストレージなどのIT機器を搭載したラック、冷却用の空調機器などのIT設備を、稼働効率が最大となるように配置することで、省電力・高集積なデータセンタを実現し、無人運転を支援する監視システムとともに提供するものです。通常のコンテナ型データセンタは、コンテナのままで輸送できる特長がある一方、コンテナサイズに制約があるため、保守スペースの確保や、IT機器の高集積化、冷却効率の最適化が課題となることが多い中、「フレキシブルデザインコンテナ」は、システムの規模・構成に応じてコンテナのサイズを柔軟に決めることができるため、設備の稼働効率を高めつつ、十分な保守スペースを確保するなど、顧客ニーズに対応したデータセンタを、短期間で構築できます。日立システムズで従来提供している小規模で可搬性のあるコンテナ型データセンタを活用したシステム運用サービスに加え、日立から今回新たに、現地でコンテナを組み立てることで、より大きなサイズに対応可能な「フレキシブルデザインコンテナ」の提供を開始し、日立グループとして、より幅広いニーズに対応します。
本格的な販売開始に先立ち、「フレキシブルデザインコンテナ」は、NICTのクラウドサービス基盤用のコンテナ型データセンタとして、先行的に採用されました。NICTは、情報通信に関する研究開発用クラウドサービスのグローバルでの提供に向けて、日立の「フレキシブルデザインコンテナ」を採用したコンテナ型データセンタを設置し、4月から順次稼働を開始しています。本データセンタは、科学データを蓄積するための「ストレージ重点型システム」、新世代通信網テストベッド上の仮想マシンからなるサービス開発環境などを中小ベンチャー企業に提供する「IaaS*2型クラウドサービスシステム」、自動音声翻訳などのユニバーサルコミュニケーション技術の研究開発を担う「SaaS*3型クラウドサービスシステム」の3つのクラウドサービス基盤を兼ね備えたものです。
今回NICTに納入した「フレキシブルデザインコンテナ」は、床面積約130?(幅約20.0m×奥行約6.5m)、高さ約3.9mのコンテナ内に、大規模なシステム基盤を実現しています。サーバの一部には日立アドバンストサーバ「HA8000/RS220」、ストレージの一部にはミッドレンジディスクアレイ「Hitachi Adaptable Modular Storage 2500」が採用されています。
また、監視システムを整備することで、無人運転を実現しており、無人で運用されるコンテナ型データセンタについては建築確認を不要とする2011年3月の国土交通省の通達*1を適用し、空調設備や電源設備なども含めて、2.5カ月という短期間での構築を実現しました。
データセンタ内の冷却は、局所空冷方式*4を採用しています。本方式は、水冷方式*5と比べて耐久性が高く、メンテナンスコストが低いという特長があります。また、屋外設置式のデータセンタの冷却方式としては、外気冷却方式*6もありますが、設置場所の気温、湿度などの環境条件から、気密性の高い局所空冷方式を採用しました。PUE値*7は、約1.25*8と優れたエネルギー効率を実現しています。
日立は、今後もグループを挙げて、省電力・高集積なデータセンタ環境構築のニーズに対応する技術・製品・サービスの開発を進め、積極的に提案、導入を進めていきます。
「フレキシブルデザインコンテナ」は、標準化されたパネルなどの部材を現地で組み立てる方式のため、通常のコンテナ型データセンタで課題となるコンテナサイズの制約がなく、設置場所の大きさや導入予定のIT機器の台数などに応じて、自由にコンテナサイズとコンテナ内のレイアウトを設計することができます。空調環境のシミュレーションなどを行うコンサルティングサービスと組み合わせることで、顧客の環境に応じた最適な省電力・高集積な設計が可能です。
柔軟なレイアウト設計により、IT機器の入れ替えやケーブル類の配線作業に必要な保守スペースを十分に確保できます。
また、コンテナ内に間仕切りを設置し、マシン設置エリアと隔離した前室を装備することができます。このため、前室から屋外へ通じるコンテナの外扉とマシン設置エリアへの内扉の2段階で施錠することでセキュリティを向上できるとともに、保守点検時の入退室によるドアの開閉時にも、マシン設置エリアの温湿度環境を維持できるほか、雨風、埃などの進入防止にも効果があります。
従来から「モジュール型データセンタ」で提供してきた、電力や温度・湿度などの環境監視システムに加えて、監視カメラや火災警報器などを配備可能とし、通常時の無人運用を支援します。
独立行政法人 情報通信研究機構(NICT : National Institute of Information and Communications Technology)は、情報通信技術分野における国の唯一の公的研究機関です。「ネットワーク」「ユニバーサルコミュニケーション」「未来ICT」「電磁波センシング」の4つの基盤技術領域を柱として、最先端の研究開発を実施するとともに社会への還元を積極的に推進しています。また、産学官連携の中核的役割を強化するとともに海外の研究機関との連携を推進しています。
製品・サービス名 | 価格 | 提供開始時期 | |
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コンサルティングサービス | 個別見積 | 提供済 | |
モジュール設計サービス | 提供済 | ||
フレキシブルデザインコンテナ |
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7月6日 | |
保守サービス | 提供済 |
日立は、2012年7月19日(木)〜20日(金)に東京国際フォーラムで開催するHitachi Innovation Forum 2012において、「フレキシブルデザインコンテナ」をはじめとする「モジュール型データセンタ」を紹介します。
電話 | 0120-2580-12(利用時間 9:00〜12:00、13:00〜17:00(土・日・祝日を除く)) |
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以上