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2012年6月19日
高信頼な仮想化技術の適用により、バッチ処理業務を行う基幹システムの統合を実現
株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、8地域生協(コープ)*1が加盟する生活協同組合連合会コープネット事業連合(理事長 : 赤松 光/以下、コープネット事業連合)において、コープデリ*2宅配事業を支える物流システム基盤「コープデリ宅配物流統合システム」をプライベートクラウド(クラウドコンピューティング)環境で構築し、このたび、本格稼働を開始しました。
具体的には、コープデリ宅配事業の物流システムのデータベースおよびバックアップシステム、従来15カ所の集品センターで個別に構築・運用を行ってきた集品業務用サーバを、日立独自のサーバ仮想化機構Virtage(バタージュ)を適用したプライベートクラウド基盤に集約・統合しました。高信頼なサーバ仮想化技術の適用により、バッチ処理業務を行う基幹システムである物流システム基盤の集約・統合を業務の処理性能を向上しながら実現し、システムの構築・運用コストの削減に成功しました。
コープネット事業連合は、神奈川県を除く関東・信越1都7県の8地域生協が加盟する事業連合で、8地域生協の商品・システム・物流などの共通基盤を整備し、コープデリ宅配・店舗・サービス事業などのチェーン本部機能を担っています。従来、コープネット事業連合の情報システムは、地域生協ごとに構築・運用していましたが、構築・運用コストの削減に向けて、2007年以降、システムの集約・統合を積極的に推進しています。
このような背景の中、コープネット事業連合は、今回、コープデリ宅配事業の物流システム基盤を一新しました。具体的には、物流システムのデータベースおよびバックアップシステムと、従来15カ所の集品センターで個別に構築・運用を行ってきた集品業務サーバのシステム基盤を、日立の統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」とサーバ仮想化機構Virtageを活用したプライベートクラウド環境に移行し、「コープデリ宅配物流統合システム」として集約・統合しました。
UNIXサーバやハイエンドクラスのストレージシステムなどで構築していた従来システムと比較して、ブレードサーバの採用でサーバ台数を約1/4にするとともに、ミッドレンジクラスのストレージシステムを新たに採用したことなどにより、今後5年間のハードウェア・ソフトウェア費用も従来の約1/4に低減し、システムの構築・運用コストの大幅な削減を実現しました。また、集品データ作成を行うバッチ処理業務の処理時間を従来比で約40%短縮し、業務効率を向上するとともに、消費電力量を従来比で約40%削減し、環境面にも配慮したシステムを実現しました。さらに、2013年度に稼働開始予定である発注商流システムの統合、将来的な集品センターの増設や業務拡張などにも柔軟に対応できます。
「コープデリ宅配物流統合システム」のサーバ環境には、「BladeSymphony」の小型高集積モデル「BS320」を採用し、「BladeSymphony」で提供する高信頼なサーバ仮想化機構Virtageを適用しています。また、ストレージ環境には、ミッドレンジディスクアレイ「Hitachi Adaptable Modular Storage 2500」(以下、「AMS2500」)を採用しています。Virtageの適用によって、プロセッサーなどのハードウェアリソースを、業務処理量に応じて効率的に割り当てられる*3とともに、「AMS2500」が提供するダイナミックロードバランスコントローラにより、ストレージシステム稼働中の負荷分散や性能調整を自動化できるため、サーバ仮想化環境を適用したシステムの集約・統合において課題となる、バッチ処理業務の性能低下を引き起こすことなく、処理時間の削減を実現しています。
なお、Virtageは、今回「コープデリ宅配物流統合システム」のデータベースシステムとして採用されているオラクル社の「Oracle Database 11g」が稼働する、PCサーバ向けのサーバ仮想化環境として、オラクル社より認定されており、データベースシステムの安定稼働を強力に支援します。
日立は、これまで日立クラウドソリューション「Harmonious Cloud」の提供で培ってきた多くの実績に今回のノウハウを加え、今後も高信頼なクラウド基盤やサーバ仮想化環境の構築に貢献していきます。
日立は、2012年7月19日(木)〜20日(金)に東京国際フォーラムで開催するHitachi Innovation Forum 2012の日立サーバ仮想化機構Virtageに関するセミナーにおいて、今回発表した事例を紹介します。
株式会社日立製作所 情報・通信システム社 ITプラットフォーム事業本部 サーバ企画部
以上