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2012年5月24日
日立のスーパーテクニカルサーバ「SR16000モデルM1」を採用
従来比約30倍の総合理論演算性能*1 847TFLOPS(テラフロップス)*2を実現
株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、このたび、科学技術計算分野向けスーパーテクニカルサーバ「SR16000 モデルM1」を中核とするスーパーコンピュータシステム(以下、新システム)を気象庁に納入しました。新システムは6月5日から稼働を開始します。
今回納入した新システムは、各種観測データをもとに気象学や熱力学の法則に基づく数値計算によって大気の運動や降水を予測する「数値予報」及び静止気象衛星データの処理に活用されます。総合理論演算性能は847TFLOPSを有し、従来システムと比べ約30倍の性能となります。これは気象分野のスーパーコンピュータシステムとしては世界トップクラス*3の性能となります。
新システムにより、気象庁は、台風や局地的集中豪雨に対する予測精度の向上や、防災気象情報の高度化、天気予報・季節予報の精度向上が可能となります。
現在の天気予報や台風予報は、スーパーコンピュータシステムを用いた「数値予報モデル」の計算結果をもとに、実況の経過を加味して、最適な予報として発表されます。「数値予報」では、例えば地球全体および日本とその周辺地域の大気を格子状に区切り、各点で気温、風、湿度、雲の状態などのさまざまな気象要素を、スーパーコンピュータシステムを用いて計算することで、数時間後から数日後の各地点の状況を予測しています。気象庁はこの「数値予報」で世界トップレベルの技術を誇り、気象庁が算出した数値予報のデータは日本だけでなく、世界各国の気象予報センターにも配信され、各国の天気予報に活用されています。
今回の新システムの中核を担うスーパーコンピュータには、「SR16000 モデルM1」が採用されました。気象庁で従来利用されていたスーパーコンピュータと比較し、総合理論演算性能は約30倍の847TFLOPS、理論演算性能あたりの消費電力は12分の1となっています。総メモリ容量は約8倍の108TB(テラバイト)、総物理ノード*4数は108ノード(総論理ノード数*5は864ノード)を実装しています。さらに、複数ノードから構成されるクラスタシステム上に高速なデータ転送を実現する共有ファイルシステム「Hitachi Striping File System」により高速のI/O*6を可能としています。また、外部ストレージには、日立のミッドレンジディスクアレイ「Hitachi Adaptable Modular Storage(日立アダプタブルモジュラーストレージ)2500」を採用し、約4PB(ペタバイト)の大容量のディスクにより数値解析や予報結果などの大容量データの長期保存に充分耐えうる性能を実現します。
なお、本システムは365日24時間の稼働が求められるため、日立は、24時間体制でその安定稼働をサポートします。
日立は長年にわたって培ってきたスーパーコンピューティング技術を結集し、今後も最先端技術を取り入れた、高性能、省電力なスーパーコンピュータシステムの提供を通して気象予報の発展に寄与していきます。
スーパーコンピュータ | スーパーテクニカルサーバ「SR16000モデルM1」 |
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ストレージシステム | ミッドレンジディスクアレイ「Hitachi Adaptable Modular Storage 2500」 |
衛星データ処理サーバ、各種ルーチン制御サーバ、各種業務処理サーバなど | エンタープライズサーバ「EP8000」 統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」 |
ファイルシステム | 分散共有ファイルシステム「Hitachi Striping File System」 |
記載の法人名、製品名は、それぞれの法人の商標または登録商標です。
株式会社日立製作所 情報・通信システム社 公共システム営業統括本部
カスタマ・リレーションズセンター [担当 : 西本、佐々木]
〒136-8632 東京都江東区新砂一丁目6番27号 新砂プラザ
以上