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2011年2月22日
株式会社東京証券取引所
株式会社日立製作所

東京証券取引所の指数高速配信サービスが開始

〜 世界最高水準、TOPIXをミリ秒レベルで配信 〜

  株式会社東京証券取引所(以下、東証)は、株式会社日立製作所(以下、日立)の協力のもと、本年2月28日(月)から、TOPIXなどの株価指数について、現行の1秒毎の配信サービスに加えて、構成銘柄の値段が変化する都度、ミリ秒レベルで算出、配信する「指数高速配信サービス」を開始いたします。本サービスは、指数構成銘柄の最良気配*1を基に「東証気配指数」も新規に算出する、世界最高水準の先進的サービスです。

*1
最良気配 : 最も安い売り注文の値段と最も高い買い注文の値段。

本サービスの特徴(メリット)

  • 指数構成銘柄の約定値段等又は最良気配が変化する都度、指数を算出、配信します。そのため、従来、相場の変化が指数に反映されるのに最大で1秒かかっていたものが、10ミリ秒以下(1〜10ミリ秒*2。1ミリ秒は1秒の1000分の1)で反映されることとなり、およそ100分の1に短縮されます。マーケットの動向を素早く、より細かくキャッチして取引を行うことが可能になります。
*2
導入前テストにおける実績値です。
  • 「東証気配指数」は、その時点で売買可能な最良気配を反映しているため、取引に際してトラッキングエラー(目標となるベンチマークの指数から乖離する可能性を表す数値)がより少ない指標として利用することができます。また、従来の株価指数が算出されていない寄付き前の市場動向が把握可能になります(寄付き前は、売り注文の累計数量と買い注文の累計数量が逆転する値段を基に算出されます)。

本サービス導入の背景

  近年の金融テクノロジーの進展を背景にしたアルゴリズム取引等の発展により、取引システムや市場情報配信の高速化に対するニーズが高まっています。これらのニーズに対応するため、東証は次世代株式売買システムarrowheadの稼働やコロケーションサービスを導入してきました。
  一方、「TOPIX先物」と「TOPIX構成銘柄の現物バスケット」等との裁定取引を効果的に行うため、投資者はarrowhead稼働後に急増した情報量に対応することが課題になっています。
  こうした投資者のニーズに応えるため、指数構成銘柄の値段が変化する都度、高速計算したTOPIXなどの株価指数をFLEXサービスを通じて提供するものです。

本サービスの概要

1. 対象指数

  TOPIX、TOPIX Core30、TOPIX500

2. 算出指数及び配信時間

  • (1) 高速指数 : 約定値段等を基に算出
     (9:00頃〜11:00頃、12:30頃〜15:00頃)
  • (2) 東証気配指数
    •   最良売り気配指数 : 最良売り気配を基に算出
    •   最良買い気配指数 : 最良買い気配を基に算出
     (8:00頃〜11:00頃、12:05頃〜15:00頃、注文受付開始時刻から配信)

3. 算出配信間隔

  約定値段等又は最良気配が変化する都度、10ミリ秒以下(1〜10ミリ秒。1ミリ秒は1秒の1000分の1)で算出、配信

4. 配信方法

  東証の相場報道システムFLEX Standardサービスを通じて配信します。

5. 指数値の取扱い

  参考値として取扱い、公式な統計データ(四本値等)には採用いたしません。

先進技術の活用

  本サービスにおける大量データに対応した指数高速配信を実現するために、基盤システムに下記のような日立の最新技術が適用されています。これにより、短期間でのサービス開始を実現しました。

  • 「uCosminexus Stream Data Platform」:
    大量データを高速に処理する先端技術であるストリームデータ処理に対応したストリームデータ処理基盤製品
  • 「uCosminexus TP1/ Server Base Enterprise Edition」:
    高速メッセージ処理を行う分散トランザクション処理製品

  これにより、1秒あたり8,000件もの大量な株価情報データに対してもレイテンシ*3をミリ秒レベルに確保するなど、高速化を実現しました。また、これら最新技術と従来の指数算出に関する技術を最大限活用し、高い生産性及び短期間でのシステム開発を達成することにより、早期のサービス開始を実現しました。

*3
レイテンシ : データ転送においてデータを要求してから実際に送られてくるまでの処理時間。

関連情報

以上

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