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2010年9月8日
株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、このたび、京都大学基礎物理学研究所(所長 : 江口 徹/以下、基研)から、素粒子や原子核、宇宙などを研究対象とする理論物理学における大規模計算用途のスーパーコンピュータシステム「理論物理学電子計算機システム」を受注しました。本システムは、理論ピーク性能*1が90.3TFLOPS*2となる国内最高クラス*3のスーパーコンピュータシステムとして、2011年1月4日から稼働を開始する予定です。
本システムは、日立のスーパーテクニカルサーバ「SR16000 モデルXM1」(以下、「XM1」)107ノード*4で構成され、ノード間は1秒あたり4GB×2のデータ転送が可能なInfiniBand*5で高速に接続されます。各ノードが128GBのメモリを持ち、また1秒あたり8Gbitのデータ転送が可能なファイバーチャネルインタフェースを16ポート搭載することで、外付けのミッドレンジディスクアレイ「Hitachi Adaptable Modular Storage 2300」2台(実効容量*6は計115.6TB)と接続します。
基研では、物質の諸性質や基本法則を理論的に解明することを目的に、素粒子論、原子核理論、物性論、宇宙論などの理論物理学の研究を行っています。近年、本研究分野では、複雑な自然現象を深く理解するための手法として数値計算に基づく計算物理学の重要性が増し、それに伴い、大規模計算を実現する高性能なシステムの必要性も高まっています。
このような背景から、基研は現行の計算機システムの持つ理論ピーク性能1.18TFLOPSから性能を大幅に向上したシステムの導入を決定し、日立のスーパーコンピュータシステムの高い実行性能や省電力性が評価され、受注に至りました。処理性能の大幅向上により膨大な変数処理に基づくシミュレーションなどが可能となることで、複雑な自然現象の解明が進み、今後の理論物理学研究の新しい展開に貢献することが期待されます。
日立は、引き続き「SR16000シリーズ」をはじめとした先端技術を取り入れたテクニカルサーバの開発を進め、高性能、省電力なスーパーコンピュータシステムの提案、導入を積極的に行っていきます。
なお今回の発表にあたり、本システムについて以下のコメントをいただいております。
この度、日立製作所様のご協力により、京都大学基礎物理学研究所に西日本最大のスーパーコンピュータシステムが導入されることとなりました。ここに厚く御礼を申し上げます。時代の進化と共に、現代の基礎理論物理の分野には、大規模な数値計算によるアプローチが極めて有効な現象が多々あります。今回基礎物理学研究所にこのような大型計算機が導入されることは、京都大学のみならず、日本全国の基礎物理学を研究する皆様の今後益々の発展を支えるものとなります。今後我々は神戸ペタフロップスコンピュータシステムとの連携も探り、より有効に日本の大型計算機全体を活用していく方向性も探っていきたいと考えています。
京都大学基礎物理学研究所は、湯川秀樹博士のノーベル物理学賞受賞を記念し、1953年に「素粒子論その他の基礎物理学に関する研究」を目的とし、我が国で初の全国共同利用研究所として創設されました。1990年には広島大学理論物理学研究所と合併し、新基礎物理学研究所として再発足し、素粒子論、原子核理論、物性論、宇宙論などの理論物理学の様々な分野において優れた研究成果を挙げています。本研究所の「理論物理学研究システム」は600名以上の全国の理論物理学研究者に利用されるなど、共同研究や研究交流の一大拠点としても重要な役割を果たしています。
「XM1」は、OSにAIX®を採用したスカラ機*7の科学技術計算分野向けスーパーテクニカルサーバです。1ノードに最新のPOWER7®プロセッサーを4個、メモリを最大256GB搭載でき、1ノードあたりの理論ピーク性能が844.8GFLOPS*8と高性能を実現しています。また、消費電力あたりの性能では433 MFLOPS*9/ワット*10を実現しており、省電力なスーパーコンピュータシステムを構築することができます。
電話 | 0120-2580-12 |
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利用時間 | 9:00〜12:00、13:00〜17:00(土・日・祝日を除く) |
以上