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2010年1月4日
株式会社日立製作所
執行役会長兼執行役社長 川村 隆
あけましておめでとうございます。
今年は、小平浪平創業社長が、数人の仲間達と日立鉱山内の小屋の中で5馬力の誘導電動機を自らの技術で創り上げてから100年、日立創業100年の記念すべき年です。日立の100年は、「和」、「誠」、「開拓者精神」という日立創業の精神を胸に、先人達が社会の変化に対応し、社会の発展に貢献し続けてきた歴史です。今私たちは100年後の未来に向け、日立創業の精神を継承していく大事な役割を担っています。
未来の成長にむけた日立の変革は、既に成果をあげつつあります。例えば、7月1日付で分社した日立オートモティブシステムズ株式会社や日立コンシューマエレクトロニクス株式会社では、事業構造改革を進め、当初の見通し以上の大幅な業績改善を実現しています。また、社会イノベーション事業強化に向けて、上場会社5社を完全子会社化することを決定しTOBを実施しました。さらに、成長を加速するための資金の獲得と財務体質の強化を目的として、新株式および転換社債の発行による資金調達を実施しました。2009年は、皆さんとともに、社会イノベーション事業への傾注や赤字事業の改善、グループ経営構造の改革など、今年からの飛躍に向けた守備固め、基盤整備を着実に推進してきた年でした。
2010年、日立グループはグローバルに社会イノベーション事業を強化し、環境価値創造を図ることで、各国の社会の発展に貢献していきます。環境に配慮しながら、安全で、信頼性が高い社会インフラを提供することができる企業が世界中から待ち望まれている今こそ、私たちの出番です。
日立の製品やサービスをお使いいただいているお客様は、強い日立の復活を心待ちにしていますし、日立の株主の方々は、私たちの未来を信じて、投資をし、事業の成長と社会への貢献を期待しています。私たちは成長を実現し、この期待に応える責任を負っているのです。その責任を果たすため、皆さんには、特に次の3点をお願いします。
まず、「2010年度の黒字化必達と2011年度以降の成長に向けた足固め」です。日立は社会に対し、2010年度の黒字化必達とその先の成長を約束しています。私は、その実行が次の100年を導くと強く感じています。一人ひとりが「優先順位の見直し」を十分に意識し、「Time is Money」を肝に銘じて、スピーディーに改革を進めてください。
次に、「グローバルな環境価値創造への貢献」です。私たちは、優れた技術を開発し、製品・サービスの提供を行うことで、これまでも、そしてこれからもグローバルに社会の発展に貢献していきます。特に、環境価値創造を実現する日立の社会イノベーション事業を支える製品・サービスに対する世界の期待を強く感じています。まさに「Inspire the Next」なのです。業務や日常生活などあらゆる局面で環境への意識を高め、グローバルな課題である環境価値創造に貢献していきましょう。
そして、「人財の重要性の再認識、グローバルな人財活用の拡大」です。日立の復活には、優れた人財をグローバルにかつ積極的に活用していくことが欠かせませんが、人財の育成や活用は、一朝一夕になるものではありません。生まれ育った文化的背景や性別を超えて、ともに学び成長していく姿勢が大事だと考えています。常にグローバルな視野での人財育成、活用を意識し、実行してください。
100年目の今年、日立は「確かな技術でつぎの100年へ」をキーワードに、各分野での飛躍をめざします。私も先頭にたってがんばります。日立100年の力を今こそ結集し、この1年を実りある年にしていきましょう。そして、私たち自身も「強い日立」の復活を実感できるようにしていきましょう。
以上