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Hitachi

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2009年12月14日

中規模MVNO向けにビジネスアプリケーション/フレームワーク搭載の
「MVNO向けハード一体型All-In-Oneシステム基盤」を販売開始

MVNOが低コスト、短期間でサービス立ち上げ可能

  株式会社日立製作所(執行役会長兼執行役社長 : 川村 隆/以下、日立)は、このたび、加入者5万人を想定した中規模MVNO*1向けに、回線登録、開通指示や、加入契約者情報の管理、料金計算などを行うビジネスアプリケーションおよびフレームワーク*2を搭載し、柔軟な拡張性、容易なカスタマイズ性を兼ね備えた「MVNO向けハード一体型All-In-Oneシステム基盤」(以下、本システム基盤)を製品化し、2009年12月16日から販売を開始します。
  具体的には、日立が開発したMVNO事業を行うのに必要なMVNE*3基盤のOSS/BSS*4汎用業務モジュール*5を、ブレードサーバである統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」に搭載したハード一体型のシステムで提供します。これを利用することによりMVNOは、OSS/BSS自体の開発が不要となり、低コスト、短期間で導入することができます。

*1
MVNO (Mobile Virtual Network Operator) :
  仮想移動体通信事業者。携帯電話などの移動体回線網を自社では持たず、保有する他の事業者から借りて、独自の通信サービスを行う事業者のこと。
*2
フレームワーク :
  アプリケーションソフトを開発する際に頻繁に必要とされる汎用的な機能をまとめて提供し、アプリケーションの土台として機能するソフトウェア。
*3
MVNE (Mobile Virtual Network Enabler) :
  MVNOの事業を支援する事業者のこと。MVNOとの契約に基づき当該MVNOの事業構築を支援する事業者。本件では、日立がMVNEにあたる。
*4
OSS/BSS (Operations Support System /Business Support System) :
  通信事業における通信サービス提供に関わる設備・運用をサポートする運用システム、顧客管理や料金計算などを担う業務支援システム。
*5
モジュール :
  ソフトウェアを構成する部分のうち、独立性が高く追加や交換が容易にできるように設計された部品。

  モバイル通信市場は、総務省のモバイルビジネス活性化プラン*6でも掲げられているように、モバイル市場の一層の活性化、多様なビジネスモデルの登場が期待されています。MNO*7のインフラを活用して独自の通信サービスを提供するMVNOは、7月のWiMAX登場以降、PCのワイヤレスブロードバンドを中心に普及・拡大しています。今後は、カーナビゲーションシステムやデジタルサイネージ、情報家電といったさまざまな機器への通信モジュールの組み込みによるビジネス展開も期待されています。
  これらの背景のもと、日立は、多様なMVNOが独自のサービス拡張を容易にするシステムを開発し、MVNOが自社で所有、運用、機能拡張できる本システム基盤の販売を開始します。
  また、本システム基盤では、従来のWiMAX*8に加え第三世代移動通信方式(3G)のOSSインタフェースを提供します。なお、本システム基盤は、本年7月に開始した「日立MVNO事業支援サービス」*9のメニューの1つとして提供します。

*6
総務省のモバイルビジネス活性化プラン :
  モバイルビジネス市場において、一層の活性化を図ることを目的に、総務省が2007年9月21日に策定したプラン。
*7
MNO (Mobile Network Operator) :
  携帯電話などの移動体回線網を所有、運用し、電気通信役務としての通信サービスを広く提供している電気通信事業者のこと。
*8
WiMAX (Worldwide Interoperability for Microwave Access) :
  IEEE802.16委員会で策定されたブロードバンドワイヤレス標準技術を元に業界団体であるWiMAX Forumが上位ネットワーク層の標準化、相互接続のための認証規格化などの推進を行っている技術の総称。日本ではWiMAXは2.5GHz帯を使用する広帯域移動無線アクセスシステムの技術の一つとなっている。
*9
「日立MVNO事業支援サービス」 :
  2009年7月14日から日立が提供している。MVNO事業に必要なプラットフォームを開発し、これを利用することでMVNOが短期間でビジネス立上げが可能な「MVNEプラットフォーム利用サービス」、およびコンタクトセンタの構築から運用までをサポートする「コンタクトセンタサービス」がある。http://www.hitachi.co.jp/products/it/network/mvne/menu.html

本システム基盤の特長

  本システム基盤は、高信頼なブレードサーバである「BladeSymphony」とMVNE基盤のOSS/BSS汎用業務モジュール/フレームワークで構成します。

1. ハード一体型システム基盤での提供

  ハード一体型システム基盤に搭載されているモジュールの機能は、回線登録、開通指示、通信利用データの集計などを行うOSSインタフェース基盤と、加入契約者情報の管理、販売代理店管理、料金計算、物流管理などを行うBSS基盤、およびMVNOの既設システムなどとの連携を可能にするESB基盤*10からなり、MVNOが独自に通信事業を行うことができます。
  既に開発済みのハード一体型システム基盤であるため、新たな基盤構築の必要がなく、MVNOは短期間でサービスの立ち上げができます。
  また、MVNOに必要なOSS/BSS機能を1ラックにコンパクトに収納し、省スペース化を実現します。

*10
ESB(Enterprise service bus) :
  システム構成の一種であるサービス指向アーキテクチャー(SOA)をベースとして、企業全体のアプリケーションを統合するための技術、あるいはそのためのミドルウェア、ソフトウェアアーキテクチャーの構成要素。

2. MVNOの新サービスへの拡張が容易

  日立が開発したOSS/BSSプロセス統合制御を行うイベント駆動型アーキテクチャー*11を採用したフレームワークを搭載することにより、加入契約者情報の管理など通信事業に必要な業務処理プロセスを容易に追加、拡張することができます。

*11
イベント駆動型アーキテクチャー :
  イベント駆動とは、ユーザーや他のプログラムが実行した操作(イベント)に対応して処理を行なう、プログラムの実行形式。

3. 3GのOSSインタフェースを追加

  従来のWiMAXに加え3GのOSSインタフェースを提供します。これにより、MVNOは、通信速度、サービスエリア、回線価格など、サービスに応じた最適な通信回線を提供できるMNOと契約後すぐに、付加価値の高いサービスの実現ができます。

4. 容易なシステム拡張の実現

  MVNOの加入者が増加した場合や新サービスを追加した場合にも、本システム基盤では業務アプリケーションが動作するブレードサーバを意識しない分散並列処理が可能なため、スケールアウト(ブレードサーバの追加)により容易にシステムの処理能力を拡張することが可能です。

  今後も日立は、従来培ってきた高信頼かつ大規模なシステム技術やリアルタイム処理技術、セキュリティ技術などを駆使し、通信事業に関する実績やノウハウを活かして、MVNOの発展を支えるサービスを幅広く提供していきます。また、次世代モバイル通信サービスなどへの適応も視野に入れ、広くモバイル通信業界の発展を支えるMVNO事業支援サービスを積極的に展開していきます。

本システム基盤のイメージ

[イメージ]本システム基盤のイメージ

本システム基盤の価格、提供時期

名称 価格 提供時期
MVNO向けハード一体型All-In-Oneシステム基盤
(5万加入者向け標準モデル)
  • OSS/BSS汎用業務モジュール/フレームワーク
  • サーバ : 「BladeSymphony BS320」
  • ストレージ : 「BR20」
  • サーバセグメント振り分け用スイッチ : 「AX3630S」
  • ソフトウェア : 「JP1」その他
  • 筐体
63,000,000円〜
(税別60,000,000円〜)
2010年3月31日

関連情報

他社商標注記

  • WiMAXおよびWiMAX Forumは、WiMAX Forumの登録商標です。
  • その他、記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 情報・通信システム社
ネットワークソリューション事業部 ソリューション本部 [担当:加治]
〒212-8567 神奈川県川崎市幸区鹿島田890(日立システムプラザ新川崎)
TEL : 044-549-1478 (ダイヤルイン)

以上

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