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2008年6月2日
国立大学法人東京大学
株式会社日立製作所
64台分のカメラ映像を高速処理し、立体映像としてリアルタイムで表示
国立大学法人東京大学大学院情報理工学系研究科の苗村 健准教授と株式会社日立製作所(執行役社長:古川 一夫/以下、日立)は、このたび共同で、カメラで撮影した映像を高速で処理し、特殊な眼鏡をかけずにかつライブで立体映像として見ることができるシステムを開発しました。
これは、東京大学が開発した64台のカメラを搭載した可搬型カメラアレイシステムと、日立が開発した特殊な眼鏡をかけずに立体映像を見ることができる「裸眼立体視ディスプレイ」を組み合わせ、さらに、画像を高速で処理できる技術を開発したことにより、実現したものです。
本システムは、一般的なPCでデータ処理が可能で、かつ、カメラアレイシステムも可搬型であることから、システム全体の移動性にも優れています。また、今起きていることを、そのままライブで、かつ立体感のある映像を通じて伝えることが可能であることから、今後の立体映像のライブ配信・受像システムの実用化につながると期待しています。
特殊な眼鏡をかけずに立体映像を表示できる「裸眼立体視ディスプレイ」には、さまざまな表示方式が存在します。日立ではこれまで、画像を立体的に表示できるIP(Integral Photography)方式を動画用に拡張した、IV(Integral Videography)方式の開発を進めてきました。これは、高精細な液晶ディスプレイ上に多数の小さな凸レンズ(マイクロレンズアレイ)を載せた構造になっており、左右だけではなく、上下方向にも視差*1があることから、複数の人が多方向から同時に、特殊な眼鏡などを装着せずに自然な立体映像を観察することができます。
IV方式では、液晶ディスプレイパネル上の一つのマイクロレンズから60方向の光を出力し、立体映像を表示します。このため、立体映像を表示させるには、60方向から3次元空間を撮影した60の視点をもつ映像が必要のため、これまでIV方式に表示するコンテンツは、事前に作成したCG映像に限られていました。
今回、東京大学と日立は、可搬型カメラアレイの64台分の映像入力を、CG技術(自由視点映像合成技術)を駆使して、リアルタイムで60視点の映像に変換し、「裸眼立体視ディスプレイ」に表示させる技術を開発しました。これにより、カメラで撮影した映像を特殊な眼鏡をかけずにかつライブで立体映像として見ることが可能となります。
本システムの特長は次の通りです。
今起きていることを、そのままライブで、かつ立体感のある映像を通じて伝えることが可能である ことから、今後の立体映像のライブ配信・受像システムの実用化につながると期待しています。
なお、本システムを7月10日(木)および11日(金)に、東京大学で開催される「3次元画像コンファレンス」にて、実演展示する予定です。
国立大学法人東京大学大学院情報理工学系研究科 [担当:苗村准教授]
〒113-8656東京都文京区本郷七丁目3番1号
TEL : 03-5841-6668 (直通)
株式会社日立製作所 システム開発研究所 企画室 [担当:森]
〒215-0013 神奈川県川崎市麻生区王禅寺1099番地
TEL : 044-959-0325 (直通)
以上