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Hitachi

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2008年1月8日

東京大学情報基盤センターから
国内最高性能のスーパーコンピュータシステムを受注

[画像]テクニカルサーバ「HA8000-tc/RS425」

  株式会社日立製作所 (執行役社長:古川 一夫/以下、日立)は、このたび、東京大学情報基盤センター(センター長:米澤 明憲)から、テクニカルサーバ「HA8000-tc/RS425」952ノード*1で構成されたスーパーコンピュータシステムを受注しました。本システムは最大理論ピーク性能*2が140TFLOPS*3となる国内最高性能*4のスーパーコンピュータシステムで、2008年6月に稼働予定です。

*1
ノード: 並列コンピュータを構成する独立した演算処理単位。ノードはクラスタを構成するサーバを意味する。
*2
最大理論ピーク性能:実際にプログラムを実行したときの性能ではなく、コンピュータを構成する同時に動作可能な全演算器が、同時に動作したときの性能の和
*3
1TFLOPS(テラフロップス): 浮動小数点演算を1秒間に1兆回実行する能力
*4
2007年11月当社調べ

  近年、スーパーコンピュータの新しいニーズとして、ゲノム情報処理、データマイニング、物理シミュレーションに基づくアニメーションなどの新しい分野が現れてきました。さらに、新しいアプリケーション利用技術であるWEBユーザーインタフェース、グリッド技術などへの対応が求められているようになってきています。これらの要求に応えるものが、オープンソフトウエアとの親和性が高く、ユーザーに親しみやすいプログラム環境を実現できるコンピュータシステムです。

  東京大学情報基盤センターは、全国共同利用施設であり、オープンソフトウエアとの親和性が高いLinuxプラットフォームを提供することで、科学技術分野で多くの優れた研究成果が得られることが期待されます。このような背景のもと、今回、本システムのオープン性、科学技術計算処理における高性能、省スペース性が評価されて受注にいたりました。

  本システムは、1ノードにクアッドコアAMD Opteron™プロセッサー(2.3GHz)を4個搭載し、2U*5サイズのコンパクトな筐体にプロセッサーやメモリなどを高密度に実装したノード952個を、高速多段クロスバネットワーク*6で接続し、単位面積あたりの性能3,738GFLOPS*7/m2を実現する省スペースな高性能スーパーコンピュータシステムです。

*5
1U: 約44.5mm
*6
多段クロスバネットワーク: 並列コンピュータ内部において複数のスイッチ段数で任意のノード間の接続を効率的に行うネットワーク
*7
1GFLOPS(ギガフロップス): 浮動小数点演算を1秒間に10億回実行する能力

  今回の発表にあたり、本システムについて以下のコメントをいただいています。

東京大学情報基盤センター スーパーコンピューティング部門
教授 石川 裕氏

  このたび、T2Kオープンスパコン*8仕様を満たすマシンとして日立製作所製のPCサーバを基にしたクラスタシステムが導入されることになりました。本システムは理論性能値140TFLOPSという国内では最大のスパコンとなります。本システムの特徴を活かして、今まで当センターのユーザーではなかったPCクラスタユーザーや100TFLOPS規模の大規模シミュレーションを動かしたいユーザーに使って頂き、ペタスケール時代に向けた利用拡大に努めていきます。また、T2Kオープンスパコン仕様に基づくクラスタが、企業の計算センターや研究室レベルでも使われていくことを期待しています。

*8
T2Kオープンスパコン仕様:筑波大学、東京大学、京都大学で作成された共通仕様であって、基本アーキテクチャのオープン性、システムソフトウエアのオープン性、ユーザーニーズに対するオープン性を基本とする。

東京大学情報基盤センターについて

  全国共同利用部門のスーパーコンピューティング部門と、学内共同利用部門の情報メディア教育部門、図書館電子化部門、キャンパスネットワーキング部門の合計4部門から構成されています。スーパーコンピューティング部門は、学術研究・教育を目的として一貫してその時代における最先端の計算機システムを導入し、全国の大学・研究機関に対して高水準な大規模計算サービスを提供しています。スーパーコンピューティング部門が所有する計算機システムは、日本の科学技術の発展に大きな役割を果たしており、大規模計算が必要な素粒子、航空宇宙、ナノ・マイクロ科学、電子デバイスや気候の分野などで多くの研究者に利用されています。特に気候分野では、大量の大気循環、海洋循環シミュレーションの計算結果と実観測データの対比・検証を繰り返して行う必要がある地球規模の気候モデルの開発において顕著な成果をあげています。

「HA8000-tc/RS425」の特徴

(1) 最新のクアッドコアプロセッサーを採用することで優れた性能を発揮

  最新のクアッドコアAMD Opteron™プロセッサー最大4個による16コアSMP*9の並列処理を実現しました。高速多段クロスバネットワークでノード間を接続することによって、ノード間転送の多い大規模科学技術計算を高速に処理します。また、OSはオープンソースであるRed Hat社のLinuxを採用し、優れたプログラム環境を提供します。

(2) 高密度実装により、省スペースな高性能システムを実現

  2Uサイズのコンパクトな筐体にプロセッサーやメモリなどを高密度に実装し、ラックキャビネットにノードを16台搭載したクラスタ環境では単位面積あたりの性能3,738GFLOPS/m2と省スペースな高性能システムを実現します。

(3) クラスタ/並列環境の提供

  米国Myricom社のMyri-10Gネットワーク*10を採用し、10ギガビットイーサネット級のノード間高速通信を実現しています。特に、大量データの高速転送のために、複数のネットワークアダプタを1つにまとめて動作させるトランキング機能をサポートしています。

(4) 日立が長年培ってきたハイパフォーマンスコンピューティング向け技術を提供

  日立開発の自動並列コンパイラをサポートし、論理方式からアプリケーションまでを見たトータルチューニングを行います。

*9
SMP(Symmetric Multi Processor): 対称型マルチプロセッサー
*10
Myri-10Gネットワーク:米国Myricom社製の10ギガビットネットワーク

他社商標注記

  • AMD, Opteronは、Advanced Micro Devices, Inc. の商標または登録商標です。
  • Linuxは、Linus Torvaldsの米国ならびに他の国における登録商標あるいは商標です。
  • Red Hatは、米国およびその他の国でRed Hat,Incの登録商標もしくは商標です。
  • MyricomはMyricom, Incの登録商標です。
  • イーサネットは富士ゼロックス(株)の商品名称です。
  • その他、記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 情報・通信グループ
エンタープライズサーバ事業部 企画部 [担当:石口]
〒259-1392 神奈川県秦野市堀山下1番地
TEL : 0463-87-6786 (ダイヤルイン)

以上

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