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Hitachi

2007年11月21日

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人と共存し人をサポートする機敏で小型軽量な対話型ロボット
「EMIEW 2」を開発

二輪・四輪変形機構や自分で地図を作成し、人込みを縫って目的地に向かう機能を搭載

[画像]対話型ロボット「EMIEW 2」

  日立製作所(執行役社長:古川 一夫/以下、日立)は、このたび、人と共存し、安全に人の生活をサポートするサービスロボットとして、機敏で小型軽量なロボット「EMIEW(エミュー)*1 2 (開発名称)」を開発しました。
  日立は、人と共存し人をサポートするサービスロボット、すなわち「人間共生ロボット」の 実用化に向けて、研究開発を進めています。2005年3月には、倒立二輪移動機構による機敏な 動作と遠隔音声認識によるコミュニケーション能力を特長としたロボット「EMIEW」を開発し、「2005年日本国際博覧会(愛・地球博)」でデモンストレーションを行いました。今回開発した「EMIEW 2」は、オフィスビルなどの環境での利用をめざして、身長80cm、体重13kgと「EMIEW」より小型化するとともに、二輪と四輪に変形する脚車輪型移動機構による機敏かつ安定した動作を実現しました。また、「EMIEW」の特徴であった音声コミュニケーションや歩く人の間を 縫って移動できる技術(障害物回避技術)*2に加えて、2006年3月に発表した、自ら生成した地図を用いて目的地へ自動で到達する「自律移動技術」も備えています。
  今回の「EMIEW 2」の開発は、人と対話しながら人をサポートするサービスロボットの実現に 向けた研究が、さらに前進したものと言えます。

  近年、わが国におけるロボット技術の進展は目覚ましく、サービスロボットが人と同じ環境で活動する日も近いと言われています。サービスロボットの普及には、人とのコミュニケーションや人の役に立つサポートができることに加えて、安全性の確保が必要であると、日立は考えています。安全性の確保のために移動速度を低く設定することがありますが、人をサポートするに 当たって、人にストレスを与えないためには、人と同様の機敏な動作が求められています。
  そこで、日立は、豊かなコミュニケーション能力を持ち、人にとって必要なサポートを行い、さらに人と安全に共存できるサービスロボットの開発を進め、このたび、「EMIEW 2」を開発しました。
  「EMIEW 2」の特長は次の通りです。

1. 機敏で安全なロボット性能

  機敏に動作しつつ、安全性を確保するために、「EMIEW 2」はオフィスでの使用を想定した場合の最適な身長として、高さを80cmに設定し、重さは13kgとしました。また、人と協調したサービス作業を行うためには、人と同等の移動スピードと停止時の安定した動作が必要です。そこで、移動時は「EMIEW」で開発した二輪による時速6kmの高速移動動作を継承し、また、停止時や作業時は安定な四輪姿勢に変形できる脚車輪型移動機構を、新たに開発しました。

2. 人にサービスをするロボット性能

  「EMIEW」に搭載されていた音声コミュニケーションや歩く人の間を縫って移動できる技術 (障害物回避技術)に加えて、2006年3月に発表した、自ら生成した地図を用いて目的地へ自動で到達する「自律移動技術」を搭載しました。これによって、オフィスの通路や机の配置に応じて自分で経路を見つけ、行きかう人の間を縫って訪問者を目的地に案内したり、飲み物や書類を 届けることが可能になります。

  「EMIEW 2」は、ロボットが真に人と共生する社会に向けて、コミュニケーション能力や役に立つ動きに加えて、機敏性、安全性に必要な技術を装備した点が新規な取り組みと言えます。今後は、オフィスを訪問した顧客の案内や巡回監視など、具体的なサービス実現に向けた技術開発を進めるとともに、その効果の実証のためのプラットフォームとして活用していく予定です。
  なお「EMIEW 2」は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業 「次世代ロボット実用化プロジェクト(プロトタイプ開発支援事業)」の一環として開発された「EMIEW」の技術をベースに、さらに技術を発展させたものです。

新型EMIEW の主な仕様

開発名称 EMIEW 2
寸法 幅300mm、奥行き250mm、高さ800mm
重量 13kg
移動機構 二輪・四輪変形 脚車輪型移動機構
最大速度 6km/h
最大加速度 2m/s2
自由度 27自由度
電源 リチウムイオン電池(動作時間:約1時間)
音声認識 14チャンネル マイクアレイによる遠隔音声認識
環境認識 レーザレーダを用いた地図生成、位置認識

注釈

*1
EMIEW: Excellent Mobility and Interactive Existence as Workmate
*2
筑波大学−日立連携事業実施協定の一環として推進している、坪内教授、油田教授らの研究グループとの共同研究の成果を活用

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 機械研究所 企画室 [担当:秋葉]
〒312-0034 茨城県ひたちなか市堀口832番地2
TEL : 029-353-3047 (直通)

以上

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