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専用ラベルに貼るだけで
既存のミューチップの通信距離を約70cmに拡大
宅配便などの幅広い物流分野での利用が可能に
日立製作所(執行役社長:庄山悦彦、以下/日立)は、このたび、世界最小クラスの超小型ICチップ「ミューチップ」*を、薄膜アンテナを内蔵した専用のラベル(62mm×76mm)に貼り付けるだけで、通信距離を約70cmに拡大する技術を開発しました。従来、「ミューチップ」の通信距離は、最大でも30cm以内であったため、衣料品用など近距離でのID番号読み取りに用いられてきましたが、今回の開発技術で通信距離が拡大することにより、例えば、ベルトコンベア上を流れる、形や大きさが異なる荷物に貼付する宅配便の送付票に取り付け、据付の読み取り装置を用いて、ID番号を自動で読み取ることにより、宅配便を自動分配できるなど、物流分野における応用範囲の拡大に道を拓くものと考えています。
「ミューチップ」は、128ビット(10の38乗桁)の情報を記録できる、世界最小クラス(外形0.4mm角)の超小型ICチップです。製造工程で、データをROM(読み取り専用メモリ)に書き込むことから、番号の書き換えができず、高い真正性が保証されます。これらの特長から、2005年日本国際博覧会(愛・地球博)の入場券や、衣料品の在庫管理などにも採用されています。「ミューチップ」の応用分野をさらに広げていくためには、その特長を維持したままで通信距離を拡大する技術の開発が求められています。しかし、従来、「ミューチップ」のように2.45GHz帯の電波を用いている非接触ICタグでは、チップとアンテナ間の電気的整合性を取ることが難しく、通信距離を伸ばすためにアンテナの寸法形状を変えると、チップ自体の再設計が必要となることや、アンテナを変更するたびに製造ラインの再構築が必要になることから、コスト面でのメリットがなくなるという課題がありました。
このような背景から、今回日立では、従来の「ミューチップ」を設計変更することなく、専用のラベルに貼るだけという、製造が簡便でかつ再設計が不要な方法で、通信距離を拡大する技術の開発に成功しました。「ミューチップ」が持つ、他の非接触ICタグにはない、外からの電波を受け入れる特性が高いという特徴を生かして、今回、通信距離を拡大する薄型アンテナを作成し、それを内蔵した専用ラベルを試作しました。専用ラベルの外形は62mm×76mmで、宅配便の送付票などにも使用することができます。開発した専用ラベルに「ミューチップ」を貼り付けて、読み取り装置を用いて通信距離の測定を行った結果、通信距離が70cmに拡大することを確認しました。
なお、本開発技術は2005年9月14日から16日まで開催される、社団法人日本自動認識システム協会主催第7回自動認識総合展(東京ビッグサイト)にて展示します。
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「ミューチップ」は日立製作所の商標又は登録商標です。 |
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電話 : (042)327-7777 (直通)