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未知のウイルスからPC内の重要ファイルを保護する
ソフトウェア技術を開発
ワンクリックでPCの安全な環境を実現
日立製作所システム開発研究所(所長:小坂満隆/以下、日立)は、このたび、コンピュータウイルス(以下、ウイルス)などの有害なプログラムから、PCに格納された重要なファイルを保護するソフトウェア技術を開発しました。本技術は、一般的なウイルス対策ソフトで検知できない有害なプログラムの侵入をブロックし、重要な情報の漏えいや不正な書き換えを未然に防ぐもので、簡単にワンクリック操作で使用PCに適合した形でインストールできる特長があります。未知のウイルスの侵入や、情報漏えいの防止に向けたセキュリティソフトです。
ウイルスには様々な種類があり、日々新種が出現しています。PCにウイルスが感染すると、重要なファイルの情報が外部へ漏えいしたり、不当に書き換えられたりする恐れがあることから、これら新種のウイルスに対しても有効なセキュリティ技術の必要性が高まっています。しかし、新種のウイルスは、最新のウイルスパターンを用いても検知できないことから、ネットワーク社会の大きな問題となっています。
このような背景から、日立では、重要なファイルの読み書きに利用するプログラムを限定し、不審なプログラムには一切読み書きをさせない制御を行うアクセス制御ソフトを開発しました。開発したソフトは以下の特長をもち、セキュリティと使い勝手の両立を実現しています。
(1) 簡単な操作で定義ファイル*1を作成
PCに格納されているファイル( .docなど)とプログラムの関連付け情報*2を利用し、保護すべき重要ファイルに関連付けられたプログラムを全て読み出して、自動的に定義ファイルに登録する技術を開発しました。これにより、本来手間のかかる定義ファイルの設定作業をワンクリックで簡便に行えるようにしました。
(2) プログラムの追加・更新時への対応
プログラムの追加や更新があった場合はユーザーに通知し、ユーザーがワンクリックで定義ファイルに追加できるシステムとしました。
(3) プログラムの不正な差し替えを自動検知
保護すべき重要ファイルに関連付けられたプログラムは、特徴となる情報を予め定義ファイルに登録しておくことで、同じプログラム名称のようななりすまし(プログラムの不正な差し替え)を防ぐことを可能としました。
開発したアクセス制御ソフトを導入すると、ウイルスによる個人情報の漏えいや、重要なデータの改ざんを未然に防ぐことができ、PCのセキュリティが高まります。また、従来のウイルス対策ソフトと併用すれば、既知のウイルスについてはウイルス対策ソフトで検知・駆除し、未知のウイルスが侵入したときには、ワクチンを入手するまでの間、本アクセス制御ソフトにより重要なファイルを守り続けることができます。
今後、日立はインターネットを利用する各種情報システムのクライアントPCへの搭載に向けた製品化を進める予定です。
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用語説明 |
*1 |
定義ファイル: |
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重要ファイルと利用プログラムとの対応関係を記述したものです。ここに登録していないプログラム(ウイルスなど)からは、重要ファイルに一切アクセスできません。 |
*2 |
関連付け情報: |
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ファイルの種類(拡張子)によって利用するソフトが決まっている場合に、両者を対応付けるための情報で、OSが管理するもの。たとえば、拡張子が".doc"のファイルに、ワープロソフトが関連付けられている場合、".doc"のファイルをダブルクリックすると、ワープロソフトがそのファイルを読んで起動します。 |
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ウイルス対策ソフトと組み合わせたときのファイル保護のイメージ(図) |
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株式会社 日立製作所 システム開発研究所 企画室 [担当:鈴木]
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