日立は、側面と底面のハイパワーIHヒーターをインバーターを切換えることにより、昔からおいしいと言われてきた「かまど炊き」を忠実に再現した炊飯方式を2001年から採用しています。今回は、内釜内部のごはんの温度を直接検知する新開発の炊飯器用の赤外線センサー^*2を搭載しました。
　この赤外線センサーと従来の釜底の温度センサーとあわせ、内釜上下の温度を炊飯の予熱から炊き上げ、さらに保温までの全工程で見はりながら、内釜全体が発熱する上下大火力で理想的な炊飯の温度上昇となるように適切に制御します。少量でも満量でも理想的な炊き方で、どこをとっても、一粒一粒のごはんをふっくらおいしく炊き上げます。
　清潔感あるステンレスの新ボディは、液晶部も従来の150％と大型化し^*3、使用頻度の高い「炊飯」などの3つのボタンを中央に大きく配置し、使いやすさにも配慮しました。

　ジャー炊飯器の需要は、2002年度に624万台（前年比102％）と堅調に推移しており、この中でIHタイプは330万台（前年比104％）で、構成比52.8％（前年差＋0.6％）と微増傾向にあります。2003年度の需要も全体で630万台弱（前年比101％）と予想され、IHタイプは引続き構成比を上げ、340万台弱（前年比103％）の需要となる見込みです。（日立推定）
　昨今のIHジャー炊飯器は、火力も強く沸騰力や対流が重要視されていますが、従来、この大火力を活かすための制御は、内釜の底部に接触する温度センサーで釜底の温度や温度変化を見て、擬似的に内釜内の温度を推測しながら炊いています。しかし、内釜の中のお米の温度を直接測れないので最適な温度制御が難しく、炊飯量が少ない時は予熱中に糊化（のりか）が始まってしまい、表面が煮崩れる一方、芯は硬めになったり、満量時は表面は硬くても底は軟らかめになりやすいと、加熱の過不足が起こりやすいものでした。
　おいしいごはんを炊くためには、分量に合った火加減でお米の温度を理想的に上げることが重要です。今回「見はり炊き赤外線センサー」（ADシリーズは「見はり炊きセンサー」）を搭載し、内釜の内部のお米の温度が直接判るようになりました。これにより、炊飯の第一段階のお米に水が吸水される予熱工程での水温チェックから、以降の炊飯工程までお米の温度を直接検知し、理想の温度上昇が得られるよう加熱をするので、表面から底までふっくらツヤツヤのごはんに炊き上げます。また、保温のときも温度をチェックし、おいしさを保ちます。
　メニューや炊き分けのコースでは、「無洗米」はもちろん、「玄米」「発芽玄米」「玄米がゆ」など健康にも良い多彩な6コース11メニューを搭載しています。