日立製作所は、このたび、DDR方式シンクロナスDRAM(注1)モジュールのドライバ用途として、DDRク
ロック入力とSSTL_2インタフェース(注2)を採用したアドレスドライバIC「HD74SSTL16857T」、および
PLLクロックドライバIC「HD74CDC857T」を製品化し、平成11年5月からサンプル出荷を開始します。
今回の2製品で高速DRAMモジュール(DIMM(注3))のドライバ部を構成できるとともに、2.5Vの低電圧で
クロック周波数150MHzに対応し、ワークステーションやサーバにおけるDIMMの安定した高速データ転送
を実現できます。
ワークステーションやサーバのシステムの高速化、CPUの高性能化に伴い、DRAMの高速化も進んでおり、
DIMMに大量のデータを高速かつ安定して転送するために、ドライバICが必要となってきました。
当社は、DIMMのドライバICとして、アドレス信号の伝達を行うアドレスドライバIC「HD74ALVCシリー
ズ」とクロック信号を供給するPLLクロックドライバIC「HD74CDC2509B/10B」を製品化しており、クロ
ック周波数100MHzのシステムに対応しています。しかし、さらなる高速化に対応した次世代高速DRAMと
してDDR方式のシンクロナスDRAMが登場し、DIMMのドライバICにもDDR方式に対応したクロック入力と、
2.5Vでの高速動作が可能なインタフェース規格SSTL_2インタフェースへの対応が要求されています。
そこで今回、DDR方式のシンクロナスDRAMのDIMM用に、2.5Vの低電圧で150MHz動作をサポートするアド
レスドライバIC「HD74SSTL16857T」とPLLクロックドライバIC「HD74CDC857T」を製品化しました。
アドレスドライバIC「HD74SSTL16857T」はクロック周波数200MHzに、PLLクロックドライバIC
「HD74CDC857T」は150MHzに対応しています。「HD74CDC857T」はPLLを内蔵しているため、システムク
ロックとDIMM内部のクロックの位相差を削減できます。また、SSC(Spread Spectrum Clock)変調に対応
しており、EMI(Electro Magnetic Interference)ノイズの小さいシステムが構成可能です。
今回の2製品は、DDRクロック入力に対応し、SSTL_2インタフェースを採用しています。
「HD74SSTL16857T」はクロックとデータ入力、「HD74CDC857T」はクロック入力がSSTL_2に対応してい
ます。また、「HD74CDC857T」はクロック入力を10本の出力に分配できます。
プロセスは0.35μm CMOSを採用し、電源電圧2.5Vおよび3.3V両方で動作可能です。
また、パッケージはDIMMの基板実装面積の低減を図るため、0.5mmのリードピッチ、1.2mm厚の薄型パ
ッケージTSSOP-48ピンを採用しており、機器の小型化・薄型化に対応できます。
なお、今後はクロック周波数200MHzに対応したPLLクロックドライバを開発するとともに、システ
ムの進歩に対応したドライバICを開発するなどの品種展開を行っていきます。
(注1)DDR方式シンクロナスDRAM:DDRはDouble Data Rateの略。DDR方式シンクロナスDRAMは、クロック
の立ち上がりと立ち下がりに同期させてデータの入出力を行うため、通常のシンクロナス
DRAMの2倍のレートでデータを転送できる。
(注2)SSTL_2:SSTLはStub Series Terminated Logicの略。低電圧(Vcc=2.5V)のインタフェース規格。
(注3)DIMM:Dual In-line Memory Module(注4)ALVC:Advanced Low Voltage CMOS
<応用製品例>
・高速、高性能シンクロナスDRAMモジュールおよびメモリボード(DDRおよびSSTL_2対応)
<価 格>
製 品 名 サンプル価格(円)
HD74SSTL16857T 500
HD74CDC857T 750
<仕 様>
型 名 HD74SSTL16857T HD74CDC857T
機 能 14ビットSSTL_2
レジスタードバッファ PLLクロックドライバ
クロック周波数 200MHz Max. 50〜150MHz
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ロジックインタフェース SSTL_2:DATA、CLK、 SSTL_2:CLK、CLK、FBIN、FBIN
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2.5V CMOS:RESET 2.5V CMOS:G
電源電圧 Vcc=2.3〜3.6V AVcc=2.3〜3.6V
プロセス 0.35μm CMOS
パッケージ TSSOP-48ピン
以 上
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