株式会社日立製作所(以下、日立)、日本電気株式会社(以下、NEC)、古
河電気工業株式会社(以下、古河電工)、住友電気工業株式会社(以下、住
友電工)は、超高速・高機能 次世代インターネット技術の開発を共同で推進
することで合意しました。
本プロジェクトは、財団法人日本情報処理開発協会の支援を受け、平成
10年度の通産省の補正予算事業の一つである「先進的情報システム開発
実証事業(電子商取引の実用化等)」として行われます。尚、このプロジェク
トを推進するに当たり、上記4社および8大学*の研究者をメンバとして、本
日付けで、コンソーシアム「Real Internet Consortium(RIC コンソーシアム)」
(代表:東京工業大学 太田昌孝助手、事務局:日立)を設立し、今後趣旨に
賛同する企業や研究者を広く募り、開発・普及活動を展開します。
インターネットはメール、Webブラウザ等の利用を中心に急速に社会に浸透
しつつあります。さらに、次世代のインターネット技術の開発により、将来は、
データ通信、放送、電話を含めたマルチメディアの統合環境の実現が期待さ
れています。このような新しい統合環境の下、膨大な数の利用者がインター
ネット放送やインターネット電話等のサービスを快適に利用するためには、ネ
ットワーク・トラフィック処理の高性能化や通信帯域を確保したQoS*の保証、
ネットワークへの優先的ルーティング機能の導入等、さまざまな課題の解決
が不可欠です。
本プロジェクトでは、ネットワーク管理のオーバーヘッドが小さい、QoS保証
ルーティング・プロトコルや、大規模な映像配信を実現するマルチキャスト・プ
ロトコルを新たに開発します。開発成果をIETF*等の国際標準推進会議の場
で提案するとともに、新たに設立するオープンコンソーシアムの普及活動を
通じ、ネットワークプロトコルの開発、標準化におけるグローバル・スタンダー
ドを目指します。
さらに、開発したプロトコルを採用し、主にキャリア向けのバックボーンシス
テムとして、現行ルータの100〜1000倍に相当する、テラビット〜ペタビット
級の超高性能ルータのプロトタイプを平成11年度中に開発する予定です。こ
れらの成果により、音声や映像などを含む大容量のデータが、膨大な数の
利用者の間で、高速かつ快適にやりとりできる次世代インターネット環境の
実現を目指します。
本プロジェクトは、日立が幹事となり、下記の4つの開発対象をそれぞれ分
担して開発します。尚、8大学は、これら全ての開発に携わります。
・スーパーコンピュータ技術を利用した超高性能ルータ:日立
・超高性能並列ルータ:NEC
・QoS保証ルーティング・プロトコル:日立、古河電工、住友電工
・マルチキャスト・プロトコル:NEC、古河電工、住友電工
* 8大学:東京工業大学、京都大学、北海道大学、九州大学、広島大学、
広島市立大学、帝京大学、米国ミシガン大学
* QoS:Quality of Service:通信サービス品質
* IETF:Internet Engineering Task Force
以 上
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