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News Release

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平成10年7月15日

業界最大容量512kバイトのフラッシュメモリを内蔵した
32ビットRISCマイコン「SuperHファミリ」を製品化

―大容量のフラッシュメモリを搭載し、
FA等の産業機器や自動車のエンジン制御などに最適―

 日立製作所は、このたび、FA等の産業機器や自動車のエンジン制御など、高性能のCPUと大容量の
フラッシュメモリが必要となる分野向けに、32ビットシングルチップRISCマイコン「SH7050シリーズ」第二
弾として、動作周波数40MHzで、業界最大容量512kバイトの大容量フラッシュメモリを内蔵した
「SH7055F」を製品化し、平成10年10月からサンプル出荷を開始します。

  近年、マイコン組み込み電子機器においては、プログラム規模の増大や製品開発期間の短縮、機器
仕様の改善、制御データの調整のため、開発から試作、生産立ち上げ、量産の各工程においてマイコン
プログラムの書き換えや調整が容易なフィールドプログラマビリティが求められています。

  当社は、このようなニーズに応えるため、機器組み込み後でもプログラムやデータの書き込み・書き換
えが可能なフラッシュ内蔵マイコンとして、「F-ZTAT(TM)マイコン(注1)」シリーズを8ビット、16ビット製品お
よび32ビットRISCマイコン「SuperH(TM) RISC engineファミリ」(以下、SuperH(TM)ファミリ(注2))で展開して
おり、現在すでに21品種を製品化しています。
  そして、今回、さらなる幅広いユーザーニーズに対応するため、フラッシュメモリを大容量化し、さらに単
精度の浮動小数点演算器(FPU)を内蔵した高性能のSuperH(TM)ファミリを製品化しました。

 SuperH(TM)ファミリは、当社のオリジナルアーキテクチャにより、高性能な演算処理を実現するとともに、
応用機器のニーズに合った多くの周辺機能を内蔵し、マイコン応用システムを容易に開発することが可能
なRISCマイコンです。平成4年11月に世界で初めてシングルチップRISCマイコン「SH7034」を製品化して以
来、すでにSH-1、SH-2、SH-3、SH-4に加え、RISC CPUとDSP(Digital Signal Processor:信号処理プロセ
ッサ)を融合させたSH-DSPを開発し、これら5種類のCPUコアを用いた製品展開を行っています。

  今回製品化した「SH7055F」は、高性能の「SH-2」コアに業界最大容量の512kバイトフラッシュメモリを内
蔵し、最高動作周波数40MHzでの1サイクルアクセス動作が可能です。また、演算性能の向上を図るため、
単精度のFPUを内蔵しています。さらに、一括消去の他に、応用システムの制御データの調整時などに効
果的なフラッシュメモリを大/小ブロックに分割(16分割)して必要なブロックのみを消去できる機能をサポー
トしています。
  また、本製品は高精度な制御を実現し、各種制御の統合処理が必要な応用分野向けに、豊富な周辺機
能を備えています。強力なタイマ機能としては、10本のフリーランニングカウンタ、16本のダウンカウンタと
8本のPWM(Pulse Width Modulation)カウンタから構成されるアドバンストタイマユニット-II(ATU-II)、インター
バルタイマにも使用可能なウォッチドッグタイマ1チャネル、2チャネルのコンペアマッチタイマを内蔵していま
す。   
  ATU-IIは、32ビット/16ビットのインプットキャプチャ、16ビットのワンショットパルス、16ビットのアウトプットコ
ンペア、16ビットのPWMといったパルス入出力処理を最大65本実現でき、各チャネル間の連動機能により、
CPU割り込みを発生させずに高精度なパルス信号処理が可能です。
  内蔵A/D変換器としては、分解能10ビットで変換精度±2LSBを実現しており、32チャネルを実装しています。
これにより、多数のセンサからのアナログ信号を使用した高精度なシステム制御が可能です。また、Bosch
CAN Ver.2.0B activeに準拠した2チャネルの日立コントローラエリアネットワーク(HCAN:Full CAN対応)を内蔵
しており、2チャネルの16メッセージバッファ、または1チャネルの32メッセージバッファに設定可能な上、高速
で信頼性の高い通信が可能です。その他、強力なオンチップデバッグ機能なども持ち、自動車等の産業制御
機器への応用において、高機能・高精度のシステム制御を実現できます。

 電源電圧は、CPUをはじめとした内部ロジックを3.3±0.3Vとして低消費電力化を図るとともに、周辺I/O端子
を5.0±0.5Vとし、従来の周辺回路を使用可能としました。

 プロセスは0.35μm CMOSプロセス、パッケージは256ピンQFPを採用しています。

 今後、F-ZTAT(TM)マイコンとしては、他のSuperH(TM)ファミリやH8Sシリーズ、H8シリーズに今回開発した
フラッシュメモリを用い、製品ラインアップを拡大していきます。また、「SH7050シリーズ」は、0.18μmプロセス
を用いて、より一層のCPU高速化、メモリ容量拡大、周辺機能強化を図った製品を順次開発していく予定です。

(注1)F-ZTATは、日立製作所の商標です。
(注2)SuperHは、日立製作所の商標です。

<応用製品例>
・産業:FA、シーケンサ、NC
・自動車:エンジン制御、AT制御、サスペンション制御

<価 格>
          製 品 名               内蔵フラッシュメモリ容量        サンプル価格
SH7055F  HD64F7055F                 512kバイト                     4,000円



                                                                                                                    以  上


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