日立製作所はこのたび、高記録密度を実現する最先端技術であるGMRヘッド*1*2の搭載により、
薄型(12.7ミリ厚)でありながら記憶容量6.48ギガバイト*3を実現したノートパソコン用の2.5型磁気
ディスク装置「DK228A−65」を製品化し、5月15日よりパソコンメーカー向けに発売します。
近年、ノートパソコンは、低消費電力、省スペースなどの理由から、オフィスでの利用やモバイル用途
としての利用が急速に進み、インターネットの画像データや音声データをはじめ、大容量のデータを扱う
ケースが増加しています。こうした背景から、ノートパソコンの記憶装置である2.5型小型磁気ディスク装
置は、一層の大容量化と高性能化が求められています。
当社は、MRヘッドよりさらに高記録密度が可能なGMRヘッドに早くから着目し、耐熱性の高い材料を
独自に開発するなど、GMRヘッドを搭載したディスク装置の製品化をめざしてきました。
今回製品化した「DK228A−65」は、GMRヘッドの搭載により、6.48ギガバイトの大容量を実現しま
した。これは、従来のMRヘッドを搭載した磁気ディスク装置に比べ1.3倍*4の大容量化となり、
MPEG2*5で圧縮した場合、3時間以上の動画像データが記憶できます。
また、ディスク回転数も従来製品の4,000rpm*6から4,200rpmに高速化しました。
これらGMRヘッドの搭載とディスク回転数の高速化により、磁気ディスク装置内部のデータ転送速度
(媒体記録再生時)は最大13.4メガバイト/秒となります。さらに、高速アクセス技術の採用により平均
シーク時間12ミリ秒も実現しました。なお、インタフェースは標準インタフェースであるATA−4(Ultra
DMA 2)をサポートしています。
<2.5型磁気ディスク装置「DK228A−65」の概要>
記憶容量 | :6.48ギガバイト |
厚 さ | :12.7ミリ |
サンプル価格 | :12万円/税別 |
サンプル出荷時期 | :平成10年5月末 |
量産開始時期 | :平成10年6月末 |
*1:GMR(Giant MagnetoResistive):厚さ数ナノメートル(1ナノは、10億分の1)の磁性膜と非磁性膜
を積層した多膜層において、磁界による抵抗変化率が5%〜数10%と大きくなる現象。巨大磁気
抵抗効果と呼ばれる。
*2:GMRヘッド:読み出し用ヘッドに、従来のMR(MagnetoResistive)ヘッドに比べ数倍の感度を持つ
GMR素子を用いた高密度記録用の最新型磁気ヘッド。
*3:1ギガバイト=10億バイト、新聞記事約2年分。6.48ギガバイト=フロッピーディスク約4,500枚
の記憶容量に相当。
*4:当社従来製品「DK227A−50」(5.02ギガバイト)との比較。
*5:MPEG2(Moving Picture Experts Group Phase 2):国際標準化団体が定めた動画像圧縮の標準
方法。
*6:1分間の回転回数
以 上
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