日立製作所は、このたび、デスクトップやノートパソコン向けに、64MビットシンクロナスDRAM(SDRAM)
を搭載した大容量SDRAMモジュールとして、256Mバイトの168ピンDIMM(注1)「HB52R329E2」および128
Mバイトの144ピンSO DIMM(注2)「HB52R168DB」を製品化しました。「HB52R329E2」は平成10年4月、 
「HB52R168DB」は同年5月より販売を開始します。
　本製品は、64MビットSDRAMのTCPを用いて大容量メモリモジュールを実現しており、低コスト化を図る
とともに高速動作が可能です。また、デスクトップパソコン用の「HB52R329E2」は、100MHzメモリバスに
対応しています。

　最近、パソコンの高性能化やアプリケーションソフトの大容量化に伴い、機器に搭載されるメモリ容量
も増大しています。また、ノートパソコンなど、機器のスペースは年々小さくなり、メモリを搭載するソケット
数も限定されます。そのため、メモリモジュールのサイズを変えることなく、機器のメモリを大容量化する
ために、モジュールの高密度化が強く求められています。
　従来、メモリモジュールの容量を増大させるためには、搭載するメモリの大容量化で対応していました。
しかし、例えば、従来のTSOPパッケージで64MビットSDRAMを搭載する場合、144ピンSO DIMMでは64M
バイトが限界で、高さも1.15インチ必要でした。

  今回製品化した168ピンDIMM「HB52R329E2」は、64MビットSDRAMのTCPを2段に重ねて実装する3次
元実装技術を採用したことで、従来の2倍の容量である256Mバイトまで実現可能な上、100MHzメモリバ
スに対応しており、サーバやハイエンドパソコンに最適なモジュールです。さらに、デスクトップパソコンの
マザーボード上の4個のソケットに、今回の256Mバイト品を搭載すると、1Gバイトのメモリ容量も実現でき
ます。なお、外形は
133.37mm×38.10mm×4.00mm、ピン数が168ピンで、JEDEC(注3)標準規格に準拠しています。

  また、144ピンSO DIMM「HB52R168DB」は、168ピンDIMMと同様に3次元実装技術を採用し、メモリモジ
ュールの大容量化を図っており、従来の2倍の大容量である128Mバイトを、高さ１インチで実現します。さ
らに、電源電圧は3.3Vで、バーストモード(注4)もサイクル10ns(100MHz)を実現しています。ビット構成は
16M×64ビットで、パソコン用途のUn-Buffer仕様をサポートしています。
  外形は67.6mm×25.4mm×3.80mm、ピン数が144ピンで、JEDEC標準規格に準拠しています。スペック
的には64MビットSDRAMを使用したTSOPの32Mバイト品、64Mバイト品と同一仕様のため、容易に置き
換えが可能です。
  なお、今後は、別基板を使用することで、100MHzメモリバスにも対応させる予定です。

  今後の積層TCPモジュールの展開としては、256MビットSDRAMを採用し、高速・高性能デスクトップパ
ソコン用途向けに1Gバイトの168ピンDIMMを、ノートパソコン用途に512MバイトDIMMを製品化していき
ます。

(注１)DIMM(Dual Inline Memory Module)：おもにワークステーションやサーバ、デスクトップパソコンに使
       用されている。
(注２)SO DIMM(Small Outline DIMM)：モジュール幅や寸法を通常の168ピンDIMMより小型化し、スペー
       ス制限のあるノートパソコンなどに使用されている。
(注3)JEDEC(Joint Electron Device Engineering Council)：米国の規格に関係している委員会。ICのパッ
       ケージ寸法、端子配列などの統一規格を定めている。
(注4)バーストモード：最初のデータアクセスは従来のDRAMと同様だが、2番目以降のデータをクロック
       サイクルに同期して高速に入出力動作をするモード。

＜応用製品例＞
高速、高性能デスクトップパソコン／ノートパソコン
(64ビットデータバス対応、クロック周波数100MHz動作対応)

＜価　格＞

                                                                         以  上