日立製作所はこのたび、中国のNo.1パソコンベンダーである「聯想集団公司」
(総裁:柳伝志、本社:中国北京市、以下聯想)とパソコン事業において開発、製
造、販売を含む包括的な提携を行うことで合意しました。
両社では、今回の合意に基づき、第一弾として液晶ディスプレイを搭載した新機軸
の低価格デスクトップパソコンを共同で開発することを計画しています。
中国では、近年の急激な経済成長を背景として、企業向けを中心にパソコンに対
する需要が急速に拡大しています。 CICC*/上海の資料によれば1996年の中国
パソコン市場は前年比83%増の210万台で、現在は米国や日本に及ばないものの、
将来有望な市場として期待されています。
* CICC:Center of International Cooperation for Computerization
聯想は、中国科学院から独立したパソコンベンダーとして1996年に中国パソコン
市場でトップシェアを獲得していますが、外資系のパソコンベンダーが躍進するな
か、ボリュームの拡大による収益力の強化とより一層のシェアアップを目指して、
開発力強化と生産体制の整備を推進しています。
一方、日立では、1992年9月に中国電子工業部との合弁により「北京日立華勝信
息系統有限公司」を設立し、中国企業向けのシステム・インテグレーション事業や、
金融機関を対象とするATM(現金自動取引装置)事業を推進してきました。
パソコン事業については、国内事業に加え、昨年5月からは日立PC Corp.(社長:
David Hancock、本社:カリフォルニア州サンノゼ市)が米国市場でノート型パソ
コンの販売を開始するなど、グローバルな事業を展開しています。
今回両社が合意したのは、パソコンの共同開発や相互供給を含めたパソコン事業
における包括的な提携に関するもので、第一弾として中国市場で主流となっている
デスクトップパソコンの分野において液晶ディスプレイを搭載した低価格デスクト
ップパソコンの共同開発を行うことを計画しています。
さらに両社では、将来ノート型パソコンやPCサーバーを含め幅広い分野で事業協
力していくことについても検討していきます。
<聯想集団公司の概要>
1. 会社名:聯想集団公司
2. 所在地:中華人民共和国 北京市
3. 代表者:柳伝志(総裁)
4. 設立時期:1984年11月
5. 売上高:77億人民元(約1,110億円)
6. 従業員数:約6,000名(中国コンピュータ企業では最大)
7. 主な事業内容:
(1) パソコンの製造・販売・保守(代理販売を含む)
(2) システムインテグレーション
(3) パソコンマザーボードの製造・販売
<中国パソコン市場動向>(出典:CICC/上海の資料)
1. 市場規模
1996年度(実績) 210万台
1997年度(見通し) 300万台
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2000年度(予測) 1,000万台
2.ベンダー別市場シェア<1996年度>
(中国電子部計算機・微電子発展研究センター調べ)
| | 販売数量(万台) | (シェア:%) |
1位 | 聯想集団公司 | 20.7 | ( 9.9) |
2位 | IBM | 16.0 | ( 7.6) |
3位 | COMPAQ | 15.0 | ( 7.1) |
4位 | AST | 14.5 | ( 6.9) |
5位 | Hewlett Packard | 12.0 | ( 5.8) |
6位 | DEC | 7.5 | ( 3.7) |
7位 | 長城 | 6.4 | ( 3.2) |
| その他 | 117.9 | (56.1) |
| 計 | 210 | (100) |
以 上
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