株式会社 日立製作所 情報・通信グループ(グループ長&CEO:小野 功、以下 日立)は、「高信頼IP/イーサネット
*1網」の実現へ向けた製品を開発し、提供していきます。具体的には、安全な通信を実現する各種VPN
*2や認証・フィルタリング
*3などの技術や、QoSなどを利用したギャランティ型
*4のネットワークを実現する「高信頼IP/イーサネット網」に対応した高性能ギガビットルータ「GR4000」と高性能ギガビットスイッチ「GS4000」を今後製品化し、それぞれ2003年第3四半期に出荷する計画です。
*1) イーサネット(Ethernet): IEEE 802.3委員会によって標準化されたLAN規格。 |
*2) VPN(Virtual Private Network) : 公衆回線をまるで専用回線のように利用できるサービス。 |
*3) フィルタリング : 送られてきたデータ情報を検査して、通過させるかどうか判断する技術 |
*4) ギャランティ型 |
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サービスの品質(QoS : Quality of Service)が保証されている通信ネットワーク。 |
現在のインターネットやイーサネットはベストエフォート型 |
インターネットやイントラネットのビジネス利用の拡大やブロードバンドの普及、さらにユビキタス情報社会の到来により、情報のやりとりは水や電気と同じように、私たちの社会生活を送る上で欠かすことのできないものとなり、それを支えるネットワーク・インフラはライフラインとなりつつあります。従来、高信頼や高品質を要求されるネットワークでは、専用線*5、フレームリレー*6、そしてATM*7が主流でしたが、運用の簡易さと優れたコストパフォーマンスにより、現在ではイーサネットを使って大規模なIPネットワーク(網)を構築するニーズが通信事業者や企業の間で増えています。しかし、IPとイーサネットにはセキュリティや帯域(通信速度)を保証していないベストエフォート型であるという課題があり、ライフラインとして位置づけるためにはギャランティ型の高信頼かつ高セキュリティなイーサネット網の提供が急務であると考えます。 |
*5) |
専用線 : ある特定の地点間を結ぶ定額なデータ通信専用の回線 |
*6) |
フレームリレー : パケット通信方式の一つ |
*7)
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ATM(Asynchronous Transfer Mode) : 非同期転送モードのことで、固定長データ列(ATMセル)を単位として情報をやり取りする
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そこで日立は「高信頼IP/イーサネット網」を実現するにあたり「GR2000シリーズ」の上位機種として高性能ギガビットルータ「GR4000」と、「GR4000」と同等のルータ機能を備えた高性能ギガビットスイッチ「GS4000」を製品化し、それぞれ2003年第3四半期に通信事業者や企業向けに提供します。「GR4000」は従来の「GR2000シリーズ」で培った技術・ノウハウを継承、発展させた最新鋭のギガビットルータで、「GS4000」はレイヤ3(ネットワーク層)のギガビットスイッチです。日立は「GS4000」にてギガビットスイッチ分野に本格参入します。
「高信頼IP/イーサネット網」実現へ向けた対応の概要はつぎの通りです。
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■「高信頼IP/イーサネット網」実現へ向けた対応の概要 |
(1) |
「GR2000シリーズ」で培った高信頼化技術を継承したネットワーク機器開発 |
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「GR4000」「GS4000」の市場投入(2003年第3四半期) |
<超高速、高信頼、高品質> |
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10ギガビットイーサネットのワイヤレート(理論限界性能)転送が可能 |
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IPv4なみの安定性・性能・機能を誇るIPv6のルーティング能力 |
<安全性の保障> |
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安全な通信を実現するIP-VPN/L2-VPN機能、高性能できめ細やかなフィルタリング技術 |
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国産ベンダとして充実した保守/サポート体制による迅速かつ、きめ細やかなサービスの提供 |
(2) |
ベストエフォート型からの脱却 |
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専用線なみの高信頼かつ高品質のネットワーク環境を低価格で提供 |
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イーサネット上のトラフィックを優先度や最低帯域の保障などが制御可能な日立独自の強力なQoS |
この、「高信頼IP/イーサネット網」は、ユーザがコアビジネスに集中し、高信頼性かつビジネスの変化に即応した最適なシステムを構築できる環境を提供するという日立のサービスプラットフォームコンセプト「Harmonious Computing」に基づいています。
なお、「GR4000」及び「GS4000」は2月5日から3日間、幕張メッセで行われる「NET&COM2003」の日立ブースにおいて参考出展する予定です。
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■他社商品名称に関する表示
・ Ethernetは、米国Xerox Corp.の商品名称です。
・ イーサネットは富士ゼロックス(株)の商品名称です。
・ その他記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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