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2003年1月16日

高速・高性能のCISCマイコン用32ビットCPUコア「H8SX」を開発し、第一弾製品として、PC周辺機器やOA機器向けの「H8SX/1650」を製品化

- 当社従来品の16ビットマイコンとソフトウェア互換性を維持しながら、約3倍に高性能化したCPUコアにより、高性能なシステムを実現可能 -


「H8SX/1650」
高速・高性能の32ビットCISCマイコン第一弾「H8SX/1650」


 日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 伊藤 達)は、このたび、CISC(Complex Instruction Set Computer)マイコン用のCPUコアとして、当社独自のアーキテクチャによる32ビットの「H8SX」を開発しました。本CPUコアを搭載した第一弾製品として、光ストレージ機器などのPC周辺機器やOA・民生機器向けの32ビットマイコン「H8SX/1650」を製品化し、2003年4月からサンプル出荷を開始します。

 CISCマイコンは、ビット制御など多くの命令数をもつ複雑な命令セットを備えたマイコンで、RISC(Reduced Instruction Set Computer)マイコンに比較して、一般的に動作周波数の高速化は難しいものの、プログラミングを行い易いなどの利点があり、様々な機器に採用されています。 当社は、これまで、8ビットの「H8/300シリーズ」、16ビットの「H8/300Hシリーズ」や高速版の「H8Sシリーズ」を製品化し、様々なニーズに対応してきました。
しかし、近年のPC周辺機器やOA機器および民生機器の分野では、システムのさらなる高速化・高機能化が進み、これを実現できる高性能CISCマイコンへの強いニーズがあります。

 当社は、このような市場ニーズに応えるため、16ビットマイコンのCPUコア「H8S」をベースに、バス幅を32ビットに拡張したCPUコア「H8SX」を開発しました。「H8SX」は、PC周辺機器やOA・民生機器、車載機器と幅広い分野向けのCPUコアです。評価チップでは、動作周波数は、当社16ビットマイコンのこれまでの最高動作周波数である33MHzから48MHzに高速化し、「H8Sシリーズ」に比べて約3倍の性能向上を実現し、さらに各種の周辺機能を用意しています。そして、本CPUコアを搭載した「H8SXシリーズ」の第一弾として、光ストレージ機器などのPC周辺機器やOA・民生機器向けの「H8SX/1650」(35MHz動作)を製品化しました。
本「H8SX」CPUコアおよび「H8SX/1650」の特長は以下のとおりです。

<「H8SX」CPUコアの特長>
(1) 当社従来の16ビットマイコン比較し、約3倍の高処理性能を実現
 
0.18μmのCMOSプロセスを使用し、最大動作周波数は、従来品の16ビットマイコンでの33MHzに対し、48MHz動作と約1.5倍の高速化を実現。バス幅が2倍の32ビットになったことと合せ、処理性能は約3倍に向上。また乗算器の性能向上や除算器を内蔵しており、48MIPS(Drystone 1.1)の高処理性能を実現。さらに、周辺デバイスとの接続性を容易にするためのリトルエンディアンへの変換機能や、外部メモリのエリア毎に設定可能なアドレス/データのマルチプレクスバスI/Oインタフェースを内蔵しており、従来製品と比較し、外付け部品点数の削減やソフトウェアの負担軽減が可能。

(2)新命令追加に伴うコード効率の改善
 
「H8SX」CPUコアの命令セットは、従来品の16ビットマイコンの上位互換であることに加え、新規の命令やアドレッシングモードを追加。これにより、従来品のプログラムを流用できるだけでなく、コード効率の改善及びバス幅の32ビット化により、システムの高処理性能化が可能。さらに、アドレス空間の拡大により、システムの高機能化に伴うプログラムやデータの容量増大にも対応可能。

(3)高機能なシステム向けに強化した周辺機能を準備
 
評価チップで今後展開する製品向けに種々の周辺機能を用意し、スムーズな製品展開を予定。既存の16ビットマイコンで内蔵している周辺機能の強化版のほか、16ビットマイコンでは搭載していなかった新規の周辺機能を搭載。例えば外部や内部のデータ転送を高効率で行えるDTC(Data Transfer Control)やDMAC(Direct Memory Access Controller)、EXDMAC(External DMAC)などのデータ転送モジュールや、データ転送の停滞を防ぐFIFO付きシリアルコミュニケーションインタフェース、I2Cバスインタフェースを用意。さらに、ステッピングモータやDCブラシレスモータ等各種モータの制御が容易なマルチファンクションタイマユニット(MTU)を用意。評価チップで、これらの多彩なインタフェースを用意したことで、高機能なシステム向けの「H8SXシリーズ」製品を迅速に展開します。


<「H8SX/1650」の特長>
(1)コストパフォーマンスに優れ、システムの高性能化や低価格化に貢献
 
光ストレージ機器のようにシステムの高速・高性能化を図りながら低価格化が要求される分野に対し、コストと性能のバランスに優れた最大動作周波数35MHz品を準備。従来品に対しての処理性能は2倍以上に向上しているため、機器の高性能化を実現できるとともに低価格化に貢献。

(2)PC周辺機器やOA機器など幅広い分野に対応可能
 
タイマやシリアルインタフェースなどの基本的な周辺機能を搭載しているほか、10ビット分解能のA/Dコンバータを8チャネル、8ビット分解能のD/Aコンバータを2チャネル搭載。さらに、従来品には搭載していないリトルエンディアン変換機能、アドレス/データマルチプレクスI/Oインタフェースを内蔵していることで、光ストレージ機器だけでなくPC周辺機器やOA機器など幅広い分野に対応可能。

 開発ツールは、フルエミュレータ「E6000H」を用意します。

 今後、「H8SXシリーズ」として、高速版やフラッシュメモリ搭載品、USB(Universal Serial Bus)などの周辺機能等、ラインアップ拡大を図り、OA・民生分野や自動車分野等向けのASSP品の開発を行なっていきます。

* 記載の製品名、商品名、会社名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。

■応用製品
PC周辺機器:光ストレージ機器(CD-R/RW、DVD-R/RW、DVD-ROM/RAM等)など
OA機器・民生機器


■価 格
製品名 パッケージ サンプル価格(円)
H8SX/1650 (HD6411650) TQFP-120ピン 900

■仕 様


以上



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