日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 伊藤 達)は、このたび、CISC(Complex Instruction Set Computer)マイコン用のCPUコアとして、当社独自のアーキテクチャによる32ビットの「H8SX」を開発しました。本CPUコアを搭載した第一弾製品として、光ストレージ機器などのPC周辺機器やOA・民生機器向けの32ビットマイコン「H8SX/1650」を製品化し、2003年4月からサンプル出荷を開始します。
CISCマイコンは、ビット制御など多くの命令数をもつ複雑な命令セットを備えたマイコンで、RISC(Reduced Instruction Set Computer)マイコンに比較して、一般的に動作周波数の高速化は難しいものの、プログラミングを行い易いなどの利点があり、様々な機器に採用されています。
当社は、これまで、8ビットの「H8/300シリーズ」、16ビットの「H8/300Hシリーズ」や高速版の「H8Sシリーズ」を製品化し、様々なニーズに対応してきました。
しかし、近年のPC周辺機器やOA機器および民生機器の分野では、システムのさらなる高速化・高機能化が進み、これを実現できる高性能CISCマイコンへの強いニーズがあります。
当社は、このような市場ニーズに応えるため、16ビットマイコンのCPUコア「H8S」をベースに、バス幅を32ビットに拡張したCPUコア「H8SX」を開発しました。「H8SX」は、PC周辺機器やOA・民生機器、車載機器と幅広い分野向けのCPUコアです。評価チップでは、動作周波数は、当社16ビットマイコンのこれまでの最高動作周波数である33MHzから48MHzに高速化し、「H8Sシリーズ」に比べて約3倍の性能向上を実現し、さらに各種の周辺機能を用意しています。そして、本CPUコアを搭載した「H8SXシリーズ」の第一弾として、光ストレージ機器などのPC周辺機器やOA・民生機器向けの「H8SX/1650」(35MHz動作)を製品化しました。
本「H8SX」CPUコアおよび「H8SX/1650」の特長は以下のとおりです。