日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 伊藤 達)は、このたび、自動車のエアバッグ制御やシャーシ制御等のシステム向けに、車内LAN規格であるCAN(注1)に加え、周辺デバイスのチップセレクト付き高速同期式シリアル通信インタフェース(SSU:注2)を内蔵し、最大動作周波数24MHzでフラッシュメモリを内蔵したF-ZTATTM(注3)マイコン「H8S/2628F」を製品化しました。2003年2月からサンプル出荷を開始します。
また、本製品のマスクROM版として、128Kバイトの「H8S/2628M」および96Kバイトの「H8S/2627M」を開発しており、2004年3月に量産を開始する予定です。
近年、車載機器やFA等の産業機器の制御分野においては、通信方式は従来のシリアル通信から高速でかつ信頼性の高いCANバス通信への移行が進んでおり、CANインタフェースを搭載したマイコンが求められています。また、自動車のエアバッグ制御等のシステムは、制御するエアバッグ数の増加やシートベルト・プリテンショナー等のシステム機能の拡大により、センサ入力などの周辺デバイスが増加し、それら周辺デバイスとの高速通信が可能な高性能マイコンが必要になってきています。
当社は、これまでCANインタフェースを内蔵したエアバッグ制御システム向けの製品として、「H8S/2623シリーズ」や「H8S/2612シリーズ」をラインアップしています。今回、システムの高機能化や高性能化のニーズに対応するため、CANインタフェースの内蔵に加えて、高速同期式シリアル通信インタフェースを内蔵した上、動作周波数を向上した16ビットシングルチップマイコン「H8S/2628F」を製品化しました。
本製品は、0.35μmプロセスを採用しています。当社の16ビットマイコンの最上位機種である「H8S/2000」CPUコアを搭載し、最小命令実行時間41.6ns(動作周波数24MHz)を実現しています。搭載インタフェースは、CANインタフェース、シリアルコミュニケーションインタフェース(SCI)に加え、高速同期式シリアルコミュニケーションインタフェース(SSU)等を内蔵し、且つ100ピンのコンパクト外形を実現しているため、高機能なエアバッグ制御システムをコンパクトに実現できます。また単一電源でデータの書き込み/消去が行える128Kバイトのフラッシュメモリを内蔵しているため、システムの開発が容易です。本製品の主な特長は以下のとおりです。