日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 伊藤 達)は、このたび、当社の高性能マイコンSuperHTM(注1)と複数のメモリを3段積み重ねて実装することでコンパクトに1パッケージ化可能な3段スタック構造のシステムインパッケージ(SiP)「3段スタック・HJ931シリーズ」を製品化し、2002年12月よりカスタム品の受注を開始します。
また、本シリーズの第一弾として、低消費電力機器に適した「SH-3」をCPUコアとした「SH7705」と、64MビットシンクロナスDRAM(SDRAM)、16Mビットフラッシュメモリをコンパクトに1パッケージに搭載した「HJ931201BP」を製品化し、同年12月よりサンプル出荷します。
本シリーズは、デジタルカメラやPDA等の携帯機器向けに、通常1チップ化の難しい、マイコンとSDRAMやフラッシュメモリなどの異種のメモリを1パッケージ化できると共に、3段積層実装により従来各々のパッケージで構成した場合に比べ大幅に実装面積を削減できます。
「HJ931201BP」の場合、「SH7705」と64MビットSDRAM、16Mビットフラッシュメモリの合計3チップを、13mm×13mm、厚さ1.7mm(max.)のパッケージに搭載しており、システムを3パッケージで構成した場合に比べ、当社比で約65%の実装面積削減を実現しました。
<背景>
近年のデジタル民生機器市場、特にデジタルビデオカメラ/デジタルスチルカメラやPDA等の携帯機器分野においては、高性能・小型化への要求が高く、マイコン・ASICやメモリを1チップ化したシステムオンチップ(SoC)や、1パッケージ化するSiPへの要求が高まってきています。特にSiPにおいては、SoCと比較して早期開発が可能であること、開発コストが低減できること、多様化する製品ニーズや市場の急激な変化にも容易に対応可能であることなどから、急速に需要が高まっています。
当社では既にSiP(またはマルチチップモジュール:MCM)として、SuperHとSDRAMやフラッシュメモリなどのメモリとユーザのASICなどを1パッケージに搭載した平置きSiP、2段スタックSiPを量産中ですが、今回3段の積層構造を採用することで、より小型化を実現する「3段スタック・HJ931シリーズ」を製品化しました。