日立概要ページへ トップページへ
日立の概要 ニュースリリース トップページへ

このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。

 

2001年12月17日

 

 
256Kバイトの3.3V単一電源フラッシュメモリを内蔵した
65MIPSのSuperHTMシングルチップマイコンを製品化
−当社従来品の約2倍に向上した65MIPSの高処理性能と大容量フラッシュメモリの内蔵により、
デジタル家電やOA機器、産業機器のコントローラに適し、機器の高性能化や低価格化を実現可能 −

SH-2コア内蔵の65MIPSシングルチップマイコン
      左:SH7144F 右:SH7145F        

  日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 長谷川 邦夫)は、このたび、デジタルビデオカメラやビデオプリンタなどのデジタル家電、ファクシミリやカラーコピー機などのOA機器、ACサーボやシーケンサなどの産業機器向けに、65MIPSの高処理性能で、256Kバイトの3.3V単一電源フラッシュメモリを内蔵した32ビットシングルチップRISCマイコンのF-ZTATTM版(注1)「SH7144F」と「SH7145F」およびマスクROM版の「SH7144」「SH7145」を製品化しました。F-ZTAT版の「SH7144F」「SH7145F」は、2002年2月からサンプル出荷を開始し、マスクROM版の「SH7144」「SH7145」は、2002年4Qから量産を開始します。
  本製品は、SuperHTMファミリ(注2)のCPUコア「SH-2」を搭載し、民生や情報、OA、産業分野などの組み込み機器向けに好評な「SH7040シリーズ」の後継製品です。プロセスを0.35mに微細化してCPUや周辺モジュールの高速化を図り、処理性能を65MIPSと当社従来品の約2倍に向上しています。さらに、周辺機能やインタフェースを強化しており、本製品を採用することでシステムの高性能化と低価格化が実現可能です。

  近年、デジタル家電やOA機器、産業機器などの分野では、32ビットマイコンの採用が拡大し、機器の高性能化が図られています。当社はこのような市場向けに、CPUコアの「SH-1」を搭載した「SH7034」や「SH-2」搭載の「SH7040シリーズ」などを製品化してきました。しかし、今後、システムは単なる制御だけでなく、音声や画像を扱うなど、ますます高機能化、高性能化が進む傾向にあるとともに低価格化が進められています。しかし、従来、音声や画像のデータ処理については、専用LSIまたは価格の高い高性能マイコンによるミドルウェアで対応しており、機器の低価格化を進めるうえで問題でした。このため、市場ニーズとしては、この問題に対応できるコストパフォーマンスの良い高性能デバイスであることとともに、周辺機能の充実により、さらなる周辺回路部品数を低減し、機器の低価格化を図れるデバイスへの強い要望があります。
そこで、当社は、このような市場ニーズに対応するため、今回、好評な「SH7040シリーズ」の後継製品として、さらなる高性能化、低電圧化を実現した、3.3V単一電源フラッシュメモリ内蔵のF-ZTATマイコン「SH7144F」「SH7145F」を製品化しました。

<製品の特長>
本製品の特長は以下のとおりです。
(1) 最大65MIPSの高処理性能と3.3Vの低電圧動作の実現。
0.35mの微細プロセスを採用し、最大動作周波数を50MHzに高速化。これにより、処理性能は65MIPSを実現し、当社従来品の「SH7044」「SH7045」に比較して約2倍に向上。さらに動作電圧を 3.3Vに低電圧化しているため、システムの低消費電力化が図れ、また外部のフラッシュメモリやSRAMなどと直接接続できるため、バッファなどの部品数削減が可能。
(2) 256Kバイトの単一電源大容量フラッシュメモリの内蔵
1サイクルでアクセス可能な256Kバイトの3.3V単一電源フラッシュメモリを内蔵。システム制御プログラムだけでなく、JPEGや音声合成、音声認識処理などのミドルウェアを格納し、65MIPSの高処理性能で実行することで、従来、高性能なマイコンや専用LSIで対応していた処理を本製品で実現できることから、部品数を削減でき、機器の低価格化が可能。またフラッシュメモ リは、基板に実装した状態でプログラムの修正や制御データの書き換えができるため、システ ム開発の期間短縮が可能なうえ、出荷後の市場でのプログラムの書き換えによるプログラムの変更や修正も可能。書き込み・消去の方式としては、従来のF-ZTATマイコンと同様に、一括消 去や、制御データの調整時などに効果的なメモリを大/小ブロックに分割(12分割)して必要なブロックのみを消去できる機能もサポート。
(3) 周辺機能を強化し、より高性能なシステムに適した豊富な周辺機能を内蔵
周辺機能は、従来品の「SH7044」「SH7045F」が内蔵していた周辺機能を強化。例えば、シリアルコ ミュニケーションインタフェースを4チャネルに増加し、センサなどの周辺I/Oとの接続を強化。また、I2Cバスインタフェース(注3)を新たに1チャネル内蔵。これにより、EEPROMやオー ディオ系のIC等との接続が容易に実現可能。さらに最大16本のPWM出力が可能な多機能タイ マ(MTU:注4)を内蔵しており、ステッピングモータの制御やパルスのカウント、産業用インバ ータ制御用の三相PWM出力が可能。

  また本製品はシングルチップマイコンでありながら、外部のデータバスを最大32ビットまで拡張可能。内蔵のDMAコントローラを併用することで、CPUに負荷をかけることなく大量のデータを高速転送でき、プリンタやファクシミリなどのOA機器での画像データなどの大容量データ転送に有効。さらに、本32ビットのデータバス拡張機能により、外部メモリに格納されたプログラムも高速に実行可能。
  その他、A/D変換器の変換時間は、動作周波数の高速化により、9.3sから5.4sへ高速化。 さらに低消費電力モードとして、モジュールスタンバイ機能は、必要のないモジュールへのクロックの供給を停止させることができるため、アプリケーションの状況に応じて低消費電力化を図ることが可能。

  開発環境としては、従来のクロスソフトウェアを利用可能です。また、ハードウェアについてもエミュレータ「E8000S」を使用でき、さらにオンチップデバッグ機能(H-UDI、AUD:注5)を搭載しているため、PCカードサイズのエミュレータ「E10A」を使用でき、小型のユーザシステム基板への接続が容易です。
パッケージは、「SH7144F」「SH7144」は112ピンQFP、「SH7145F」「SH7145」は144ピンLQFPを採用しており、それぞれ従来品の「SH7044」「SH7045」とピン配置互換です。

  今後は、さらに高速化を図り、周辺機能を強化した製品の開発を行なって行きます。

(注1) F-ZTATTM(Flexible Zero Turn Around Time)は、フラッシュメモリを内蔵したマイコンで、(株)日立製作所の商標です。
(注2) SuperHTMは、(株)日立製作所の商標です。
(注3) I2C:Inter IC Busの略で、Philips社が提唱しているインタフェース仕様。
(注4) MTU(Multi Function Timer Pulse Unit):5チャネルの16ビットタイマにより構成され、最大16本のパルス入出力が可能な多機能タイマ。
(注5) オンチップデバッグ機能(H-UDI:Hitachi-User Debug Inetrface、AUD:Advanced User Debugger):従来エミュレータに搭載していたデバッグ回路の一部。この機能を内蔵することでシステム評価時に実デバイスを使用して簡易エミュレーションを実現可能。

■応用機器
●民生機器:デジタルビデオカメラ、ビデオプリンタ、DVDアプリケーション等
●OA機器:プリンタ、カラーコピー機、PDP、ファクシミリ等
●産業機器:ACサーボ、インバータ、工作機械、シーケンサ等

■価 格


■仕 様

以 上




top of this page


(C) Hitachi, Ltd. 1994, 2001. All rights reserved.