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2001年6月4日
 
USBホストを搭載し、さらにUSBファンクションとカラーLCDコントローラを
1チップに内蔵した32ビットRISCマイコン「SH7727」を製品化
--  携帯情報端末やインターネット対応多機能電話などのマルチメディア機器に最適  --
SH7727
  日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 長谷川 邦夫)は、このたび、USB(Universal Serial Bus)ホストを搭載した上、さらにUSBファンクションとカラーLCDコントローラを1チップに内蔵した、動作周波数160MHz/100MHzの「SH7727」を製品化し、2001年7月からサンプル出荷を開始します。
  本製品は、高性能な32ビットRISCマイコン「SuperHTM(注1) RISC engineファミリ」のCPUコア「SH3-DSP」を搭載しており、音声、画像ミドルウェアの圧縮伸長処理を高速に実現できます。さらに、USBホストとUSBファンクション、カラーLCDコントローラなど豊富な周辺機能を1チップに内蔵していることで、携帯情報端末や多機能電話などのマルチメディア機器の高性能化、小型化、低価格化を図ることができます。

  近年、マルチメディア化の著しい発展に伴い、PCと周辺機器との接続インタフェースは、音声や画像等の大容量データを高速に転送できるUSBインタフェースが採用され、USBホストを備えたPCが増加してきました。このため、データを受け取る機能であるUSBファンクションを備えたプリンタなどの周辺機器が増加し、さらに携帯情報端末やデジタルスチルカメラなどのマルチメディア機器においてもUSBファンクションを備える機器が拡大しています。しかし、携帯情報端末とプリンタを直接接続するような場合は、どちらかの機器がUSBホストを備える必要があり、これまでは専用LSIで対応していました。このため、USBホストを備えるマルチメディア機器や周辺機器の開発では、小型化、低価格化を図ることのできる1チップ化への強いニーズがあります。一方で、家庭用の固定電話やFAXにおいては、インターネットの電子メールや画像表示等のデジタル情報によるサービスが普及し始めています。これにより、多機能化や表示のカラー化などマルチメディア対応の機器が拡大する傾向にあり、デジタルデータ処理による多機能化やカラー表示を実現できるデバイスが望まれていました。

  今回の「SH7727」は、これらのニーズに対応するもので、特徴は以下のとおりです。
(1) USB規格Rev.1.1準拠のUSBホスト、USBファンクションを搭載
USBホストは、アイソクロナス、インタラプト、コントロール、バルク転送をサポートし、最大で 12Mbps(bit per second)のデータ転送速度が可能。また、OpenHCI(Open Host Controller Interface)仕様に準拠しているため、デバイスドライバソフトウェアは、PCのドライバソフトウェアなどからの移植が容易。USBファンクションは、インタラプト、コントロール、バルク転送をサポート。さらに、USBトランシーバを内蔵し、バッファなどの外付け部品が不要。
(2) カラーLCDコントローラを内蔵
STN/DSTN/TFT液晶パネルに対応。表示画像データを格納するメモリは、UMA(Unified Memory Access) アーキテクチャを採用して、システムメモリと共有し、例えば、640×480ドットの画面サイズで、最大65,536色の表示が可能。さらに、2.4Kバイトのラインメモリバッファを内蔵しており、大容量データを高速に描画することが可能。
(3) 高性能32ビットCPU「SH3-DSP」コアにより高速処理を実現
動作周波数160MHzで、CPUが208MIPS、DSPが320MOPSの高い処理性能により、MP3(注2)、ADPCM(注3)、JPEG(注4)等の音声や画像のミドルウェアの高速処理を実現でき、インターネット電話などで使用されるVoIPのプロトコル処理も可能。

  さらに、本製品は多彩な周辺機能を搭載しています。AFE(Analog Front End)のICと接続できるインタフェースや音楽再生用途としてAudio CODEC ICに直接接続可能なインタフェースなどの特徴的な機能に加え、MMU(Memory Management Unit)やDMACのメモリ管理機能、アナログ信号処理用のA/DおよびD/A変換器、シンクロナスDRAM等の各種メモリインタフェース、赤外線通信用のIrDA(Infrared Data Association)Ver.1.0、PCMCIAコントローラなど豊富な機能を内蔵しています。

  また、オンチップデバッグ機能(H-UDI、AUD)(注5)の搭載により、開発ツールのPCカードエミュレータ「E10A」を使用して、最高動作周波数でのリアルタイムエミュレーションが可能です。
パッケージは、HQFP-240ピンおよびCSP-240ピンの2種類をサポートしています。

  本製品を使用することで、USBインタフェースを備えた機器の開発が容易にできるだけでなく、豊富な周辺機能により、部品数を低減して、高性能なシステムと、小型化、低価格化を実現できます。

  今後、SuperHファミリとして、市場ニーズに対応した製品ラインアップを強化するとともに、さらなる高性能・低消費電力化を図った製品展開を進めていきます。

(注1) SuperH:SuperHは(株)日立製作所の商標です。
(注2) MP3: MPEG-1 Audio layer 3の略。MPEGは、Moving Picture Experts Groupの略。
MPEGは、ビデオなど音声を含むカラー動画像の圧縮・伸長方式の国際標準規格で、MP3は、MPEGの音声に関する圧縮・伸長の規格。
(注3) ADPCM: Adaptive Differential Pulse Code Modulation の略で、差分を利用した音声の代表的なデータ圧縮・伸長方式。
(注4) JPEG: Joint Photographic Experts Groupの略で、カラー静止画像の圧縮・伸長方式の国際標準規格。
(注5) オンチップデバッグ機能(Hitachi-User Debug Interface, Advanced User Debugger):
従来エミュレータに搭載していたデバッグ回路の一部。この機能を内蔵することで システム評価時にマイコン本来の動作周波数でのリアルタイムエミュレーションが可能。


■応用製品例
●ハンドヘルドPC、LBP、マルチファンクションプリンタ
●ストレージ機器、ワイヤレスLAN、ネットワーク機器、VoIP搭載機器
●多機能電話、携帯情報端末、ビデオプリンタ、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ



■価格
価格


■仕様
仕様

以 上




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