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2003年10月9日
世界初、エンタープライズディスクアレイに内蔵可能なNASブレードを製品化
あわせてミッドレンジディスクアレイ最上位機種「SANRISE9580V」を投入し、
ストレージ管理ソフトウェア「JP1/HiCommandシリーズ」のラインアップを拡充
エンタープライズディスクアレイ「SANRISE9900V」用内蔵型NASブレード/ミッドレンジディスクアレイ「SANRISE9580V」
日立製作所 情報・通信グループ(グループ長&CEO:古川 一夫、以下、日立)は、このたび、エンタープライズディスクアレイサブシステム「SANRISE9900Vシリーズ」において、エンタープライズクラスのディスクアレイに内蔵可能な世界初のNAS(*1)ブレードを製品化しました。あわせてミッドレンジディスクアレイサブシステム「SANRISE9500Vシリーズ」においても現行モデル比約1.5倍の処理性能と2倍の容量60.1テラバイトを実現した最上位機種「SANRISE9580V」を製品化しました。さらに、ストレージ管理ソフトウェア「JP1/HiCommandシリーズ」では、日立の統合システム運用管理ソフトウェア「JP1」で培った自動化技術をストレージ分野に適用し、ポリシー(運用管理基準)に基づきストレージネットワークの統合運用を自動化する「JP1/HiCommand Policy Manager」、複数ストレージから必要に応じて最適なボリュームをサーバに対してオンデマンドに割り当てる「JP1/HiCommand Provisioning Manager」を製品化し、ラインアップを拡充しました。各製品は本日から販売開始します。今回のNASブレードを適用することで、これまでSAN、NASと用途別に分けて運用管理していたストレージを1つのディスクアレイサブシステムに統合することができます。また、ミッドレンジクラスで高性能・大容量のディスクアレイを投入することで、このクラスにおいても大規模なストレージ統合が可能となります。これらのハードウェア、ストレージ管理ソフトウェアを組み合わせることで、ポリシーに基づいたシステム全体の統合的な運用管理が実現し、管理の効率化、TCO(*2)の最適化が図られます。
*1) NAS: Network Attached Storage
*2) TCO: Total Cost of Ownership

  昨今、データ量の急増やアプリケーションの多角化、企業内の情報インフラ整備により、ストレージを取り巻くシステム形態が複雑化しています。SAN環境の浸透だけでなく、IPネットワーク(*3)を活用した全社規模でのファイル共有の普及や、部門システムにおけるストレージ統合の進展など、システムの目的や用途に応じたストレージやネットワークの使い分けが進んでいます。こうした様々なネットワーク環境でのストレージ利用が進む中、企業では、増加する各ストレージのより一層の効率的な統合と、運用管理の自動化・簡素化とによるTCOの最適化が求められています。
*3) IPネットワーク: Internet Protocolネットワーク。

  今回提供する製品群の特長は以下の通りです。

(1) NASブレード(エンタープライズディスクアレイサブシステム「SANRISE9900Vシリーズ」にオプション搭載)
- NASブレードは、高性能アーキテクチャ HiStar(*4)を採用した「SANRISE9900Vシリーズ」の内部に直接接続することが可能です。ファイバチャネルやスイッチ等のSAN関連の機器の準備や複雑な接続・設定作業が不要になり、導入や構成変更を簡素化します。
- 直接接続のため、ファイバチャネルやスイッチなどを経由することなくデータへのアクセスが可能となります。これらの機器を経由する方式に比べ、信頼性を向上させるとともに、アクセス時間に影響するオーバーヘッドを削減します。
- 「SANRISE9900Vシリーズ」が持つ最大147テラバイトまでのスケーラビリティを生かし、SAN、NASデータの混在を可能にします。

  これにより、同一ディスクアレイ筐体内でSAN/NAS統合管理が可能となり、接続するネットワーク環境を意識せずにストレージリソースを有効活用できます。

  なお、今後、「SANRISE9900Vシリーズ」では、既存のIPネットワーク環境からストレージに接続できるiSCSIプロトコル(*5)に対応するiSCSIブレードも2004年第1四半期までにサポートする予定です。
*4) HiStar: Hitachi Star typed network architecture:SANRISE9900Vのコントローラ内で、キャッシュメモリを高速のクロスバスイッチを介してネットワーク接続するアーキテクチャ。
*5) iSCSIプロトコル: ストレージとコンピュータの通信に使うSCSIコマンドを、IPネットワーク経由で送受信するためのプロトコル

(2) ミッドレンジディスクアレイサブシステム「SANRISE9580V」
- 高さわずか3U(約133.4mm)(*6)のコンパクトサイズで、コントローラのサーバ接続パス数およびディスクドライブ接続パス数を現行モデル「SANRISE9570V」と比較してそれぞれ2倍の8ポートに増やしました。これにより、現行モデルの約1.5倍に高性能化した世界最高クラスのシーケンシャルリード性能を実現します。
- ハードディスクドライブを最大449台まで搭載でき、現行モデル「SANRISE9570V」の2倍の60.1テラバイトまで容量拡張が可能です。キャッシュ容量も現行モデルの2倍の8ギガバイトまで拡張できます。

  これにより、ミッドレンジクラスにおいても大規模なストレージ統合が可能となります。
*6)1U: 1EIA Unit = 約44.45mm。ラック筐体の取り付け基本単位。

(3) ストレージ管理ソフトウェア「JP1/HiCommandシリーズ」
- 「JP1/HiCommand Policy Manager」:
顧客の業務ポリシー(運用管理基準)をベースとした自動化技術の採用により、ストレージネットワーク全体の運用を自動化・簡素化するストレージポリシー管理製品です。
- 「JP1/HiCommand Provisioning Manager」:
SAN内に分散した複数ストレージから条件にあった最適なボリュームを自動探索し、サーバに対してオンデマンドにボリュームを割り当てることで効率的なボリューム管理を実現するストレージリソース割当管理製品です。

  本製品の提供により、SAN/NASの計画、構築、割当、監視、拡張まで、あらゆる運用ライフサイクルをカバーします。さらにポリシーベースの運用自動化により、ストレージシステムの統合管理を実現し、TCOの最適化が図られます。

  上記の製品群強化にあわせて、SANRISEシリーズの現行モデルへの対応も含め、以下の機能強化も行います。

■ SANRISE9900V−SANRISE9500V間データコピー機能
  「SANRISE9900Vシリーズ」と「SANRISE9500Vシリーズ」の両ディスクアレイサブシステム間で相互にデータのコピーやバックアップを行う機能をサポートしました。分散した拠点のデータをデータセンターで集中バックアップを行うなど、顧客のシステム規模に合わせ最適なストレージを適用したシステム構成を可能にし、今後ますます多様化・複雑化が予想されるストレージ環境の統合とストレージ資源の有効活用を一層推進します。

■ 「SANRISE9500Vシリーズ」のHitachi QuickShadow機能
  「SANRISE9500Vシリーズ」では、指定した時点の論理ボリュームの複製を、同一サブシステム内でサーバリソースを使用することなく即座に作成する機能をサポートしました。誤ってデータを変更した場合に、過去の任意の時点のデータに回復することができ、ソフトウェア開発時の特定時点のソースコードへの復帰やオペレーションミスなどによるファイル消失の復旧などを即座に行うことが可能です。

■ ネットワークアプライアンス社製NASゲートウェイとの連携
  「SANRISE9500Vシリーズ」のストレージ統合を推進するために、ネットワーク・アプライアンス社(本社:米国カリフォルニア州サニーベール、社長:トーマス・F・メンドーザ)製のNASゲートウェイ「gFiler(ジー・ファイラー)」と「SANRISE9500Vシリーズ」の接続をサポートしました。SAN環境に「gFiler」を追加することでNAS環境も構築することが可能となり、SAN/NASストレージ統合によるストレージリソースの有効活用が図られます。

  なお、本製品群は日立のストレージソリューションコンセプト True North(*7) とその上位コンセプト Harmonious Computing に基づいており、高信頼性かつビジネスの変化に対応した最適なシステムを構築できる環境を提供します。
*7) True North: "道標"、"真に重要な目標"、"真北"の意味。「いつでも、誰でも、どこからでも、どんな情報でも、安心して利用できる戦略的データ活用の実現」の提供を目的とした日立のストレージソリューションコンセプト。

■新製品の価格・提供時期(国内)
1.SANRISE9900Vシリーズ
名称 概要 価格 出荷時期
NASブレード SANRISE9900VでNASを実現するためのNASブレード。
2ポートのNASブレード2式で構成。
91万円(注)(月額)〜 2003年10月末
増設キャッシュメモリ 4GBの増設キャッシュメモリ。
最大128GBまで増設可能。
35万円(月額) 2003年10月末
SANRISE9900V-SANRISE9500V間データコピー機能 SANRISE9900VシリーズとSANRISE9500Vシリーズ間で、オープンシステムデータのバックアップ/コピーを可能にする。 310万3千円〜 2003年10月末
注:別途ソフトウェアが必要となります。

2.SANRISE9500Vシリーズ
名称 概要 価格 出荷時期
SANRISE9580V SANRISE9500Vシリーズ最上位機。最大8ポート,60.1TB(RAID5)。 1,339万5千円〜 2003年10月末
Hitachi QuickShadow SANRISE9500V筐体内に論理ボリュームのレプリカを作成する機能。 66万円〜 2003年10月末
NASゲートウェイ SANRISE9500Vに接続しNASを実現するファイルサーバ。 1,500万円〜 2003年12月末

3.JP1/HiCommandシリーズ
名称 概要 価格 出荷時期
JP1/HiCommand Policy Manager ストレージネットワーク全体の運用を自動化・簡素化するストレージポリシー管理。 120万円〜 2003年11月
JP1/HiCommand Provisioning Manager 複数ストレージから必要に応じて最適なボリュームをサーバに対してオンデマンドに割り当てるストレージリソース割当管理。 79万5千円〜 2003年11月

■製品ホームページ
  ・SANRISEシリーズホームページ
    http://www.hitachi.co.jp/sanrise
  ・JP1/HiCommandシリーズホームページ
    http://www.hitachi.co.jp/jp1/

■他社商標注記
  ・NetAppは米国Network Appliance, Inc. の登録商標です。
  ・その他記載の会社名および製品名は、各社の商標もしくは登録商標です。


■取り扱い事業部・照会先
<SANRISEシリーズ>
株式会社 日立製作所 情報・通信グループ RAIDシステム事業部
事業企画本部 製品企画部 【担当:島田、岸本】
〒250−0872 神奈川県小田原市中里322−2
TEL:0465−49−1111(大代表) 内線5739、5733

<JP1/HiCommandシリーズ>
株式会社 日立製作所 情報・通信グループ SANソリューション事業部
ストレージソリューション本部 ソリューション企画部 【担当:松島、神田】
〒250−0872 神奈川県小田原市中里322−2
TEL:0465−47−1111(大代表) 内線5500

<SANRISE9500Vシリーズ用NASゲートウェイ>
株式会社 日立製作所 情報・通信グループ ネットワークソリューション事業部
ネットワークシステム本部 ネットワークソリューション開発部 【担当:城所、斉藤】
〒212−8567 神奈川県川崎市幸区鹿島田890
TEL:044−549−1684(ダイヤルイン)
以上
このニュースリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。発表日以降に変更される場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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