日立製作所 情報コンピュータグループ(グループ長&CEO:加藤孝雄、以下日立製作所)は、
このたび、全モデルでIPv6(*1)をサポートした日立ギガビットルータ「GR2000」を11月30日か
ら販売開始します。「GR2000」は、IPv6を使用できる回線として世界最高速の2.4Gbit/s
(OC-48c (*2))に対応した製品です。
近年、インターネットでは、パソコンはもとより携帯電話、PDAといったメディアからのアクセ
スも可能となり、様々なコンテンツの提供、電子商取引、インターネットバンキングといった各種
サービスの普及、さらにはIT国家戦略構想のもとでの社会インフラとして、大容量化や高信頼化が
急速に進行し、その重要性が益々高まっています。
一方、利用ユーザと各種サービスを両輪とする世界規模での急激な普及は、通信機器の住所とも
言える現行インターネットプロトコル「IPv4」のIPアドレス(約43億個)の不足をもたらし、ネッ
トワークの運用・拡張の制限といった問題を発生させています。
このため、無尽蔵とも言える膨大なIPアドレスの利用を可能にし、かつセキュリティや優先制御、
自動構成等の高度な機能を持つ次世代インターネットプロトコル「IPv6」への移行・共存が求め
られています。
このような背景のもと、日立製作所では、IPv6の技術開発に早くから取り組み、平成9年6月にア
ドレス変換機能付のIPv6ルータ「NR60」を世界で初めて製品化し、平成10年8月には既存のIPv4対
応アプリケーションプログラムをIPv6環境で利用可能とするパソコン用ソフトウェア「Toolnet6」
のホームページからの無償配布を開始、さらに平成12年4月には「GR2000」の一部のモデルでIPv6
をサポートし、世界各地のキャリア、インターネットサービスプロバイダや研究機関、企業と共に
相互接続性の検証、運用ノウハウの蓄積に努めてきました。これらIPv6に関する取組みは、
「GR2000」が「Networld+Interop 2000 Tokyo」のBest of Show Award キャリアインフラ部門
でグランプリを受賞する等、高く評価されています。また、平成12年12月からは高速広域な次世代
ネットワーク(IPv6)技術に関して産官学共同実験にも参画し、「GR2000」を使った高速広域なIPv6
テストベッドの構築を支援します。
今回エンハンスした「GR2000」は、IPv6が利用可能な回線インタフェースとしては世界最高速の
2.4Gbit/s (OC-48c)を始め、ATM 600Mbit/s (OC-12c)等の各種高速回線をサポートしています。
さらに、IPトンネリング (IPv4 over IPv6、IPv6 over IPv4) (*3)機能、IPv6用MIB(*4)の実
装等、IPv6環境への移行・共存の際の実運用面にも考慮した機能エンハンスを行っており、高速
・高信頼なIPv6インターネット実現を強力に支援します。
また、日立製作所では、ユーザの現行ネットワークのIPv6環境へのスムーズな移行、現行のIPv4
とIPv6の共存するマルチベンダ・ネットワーク環境の実現に向けて、パートナ企業との協業を含め
たソリューション事業の強化、ブロードバンドアクセス(FTTH、xDSL、CATV、携帯電話)分野にお
けるIPv6対応等、今後とも積極的に推進していく予定です。
尚「GR2000」は、今後3年間で10,000台の販売を目標としており、欧米、アジアもターゲットに
全世界での販売を予定しています。
(*1)IPv6 (Internet Protocol Version 6):現在のインターネットプロトコル
IPv4(Internet Protocol version 4)を拡張・高機能化した次世代
インターネットプロトコル。アドレスが128bit(約 3.4×10の38乗個)分ある。
(*2)OC-48c:光ファイバを用いた高速ディジタル通信方式の北米の規格であるSONET
(Synchronous Optical Network)の伝送レート系列で約2.4Gbit/sの速度を表す。
同様にOC-12cは約600Mbit/sを表す。OCはOptical Carrierの略。
(*3)トンネリング:ある通信パケットを別の通信パケットに埋め込んで(カプセル化)、
ネットワーク上の2点間で通信できるようにすること。本文の場合、IPv6(IPv4)
パケットをIPv4(IPv6)パケットに埋め込むことで、通信が可能となる。
(*4)MIB(Management Information Base):ネットワーク管理システム上で、管理
ソフト(マネージャ)が管理情報を効率的に検索、設定できるように番号付けして
並べた仮想的なデータベース。
■ホームページ
URL:http://www.hitachi.co.jp/network/
■新製品の価格・出荷時期
製品名 | 価格 | 出荷時期 |
GR2000 | 190万円〜 (2Sタイプ) | 平成13年2月1日 |
以上
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