| HITACHI HOME | UP | SEARCH | | |
このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、
お問い合わせ一覧をご覧下さい。 |
平成12年9月25日 |
業界初、コンテンツ保護機能付 64Mバイト、32Mバイト セキュアマルチメディアカードを製品化 ─ 携帯電話向け音楽配信システム 「ケータイdeミュージック」の 本格サービスに向けて 大容量のカードをラインナップ ─ |
日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 石橋 正)は、このたび、音楽配信用途などの 著作権保護が必要なデジタルコンテンツの保存用フラッシュカードとして、業界で初めて64Mバイ ト、32MバイトのSecure MultiMediaCard(注1)(以下、セキュアマルチメディアカード)を製品 化し、64Mバイトの「HB288064SM1」を平成13年1月より、32Mバイトの「HB288032SM1」を平成 12年11月よりサンプル出荷します。 本製品は、三洋電機株式会社、富士通株式会社、および当社が共同開発した汎用コンテンツ保 護技術UDAC-MB(注2)をベースにした「ケータイdeミュージック」(注3)音楽配信システムにおい て、「ケータイdeミュージック マルチメディアカード」として採用されており、使い勝手の良さ と強固なセキュリティの両立を実現しています。 MP3(注4)等の一般的な圧縮技術を用いた場合、64Mバイト品では音楽データを約1時間、32Mバイ ト品では約30分間記録できるため、当社よりすでに製品化している16Mバイト品とあわせ、幅広い 音楽記録時間に対応できます。 <背景> 違法コピーを防止する汎用コンテンツ保護技術UDAC-MBをベースにした携帯電話・PHSへの音楽 配信システム「ケータイdeミュージック」の本格サービスに向けて、長時間録音が可能な大容量 セキュアマルチメディアカードのニーズがあります。また、今後音楽以外にも、画像データ、電 子書籍、教材等のコンテンツ保護を必要とするさまざまな応用分野が広がっていくと予想されて います。こうした大容量デジタルデータを安全に記録できるフラッシュカードとして、64Mバイト、 32Mバイトのセキュアマルチメディアカードを製品化しました。 <セキュアマルチメディアカードについて> 本製品は、フラッシュメモリとコントローラを1チップ化したシングルチップを搭載し、ハー ドウェア的なコンテンツ保護機能を実現しています。フラッシュメモリ部には、多値技術(注5) を採用した0.25μmの256Mビット(32Mバイト)AND型フラッシュメモリを使用し、小型化を実現、 コントローラ部には当社のRISCマイコン「SuperH」(注6)をCPUコアとして採用することにより、 高度な暗号処理を実現しています。 そして64Mバイト品では、当社の実装技術を活かし、本シングルチップと256MビットAND型フラ ッシュメモリの2チップを積層することで大容量を実現しました。 製品の主な特徴は、次の通りです。 (1)高度なセキュリティ機能を搭載 UDAC-MB方式に基づいた高い安全性を実現しています。カード自身に暗号化・復号化の機能を 持たせると同時に、暗号化・復号化の際に使われるライセンスキー(注7)等をカード内の安全な 領域に格納できるTRM領域(注8)を有しています。これに、コンテンツ保護関連命令セット(注9) を用いたソフトウェアを組込むことで、音楽配信システムで要求されるセキュリティレベルを 達成しています。 (2)標準MultiMediaCard(以下、マルチメディアカード)との互換性を維持 マルチメディアカードと機能のみならず、厚みも含め全く同一の外形を採用しており、上位互 換性を保っています。これにより、本セキュアマルチメディアカードは、コンテンツ保護機能が 必要な新たな機器だけでなく、既存のマルチメディアカード対応機器にも使用できます。マルチ メディアカードと同様に、読み出し速度が14Mビット/秒、書き込み速度が3Mビット/秒と、業界 最高レベルを実現し、かつ、2.7〜3.6Vの低電圧動作を実現しています。ピン数も7ピンで、マル チメディアカードと同一のピン配置です。 本セキュアマルチメディアカード仕様は、マルチメディアカードアソシエーション(MMCA)(注 10)のアプリケーションノートとして採用され、MMCAのホームページで公開されています。 カードの色は、64Mバイト品、32Mバイト品とも16Mバイト品同様、シルバー、ベージュ、オレ ンジ、ピンク、ブルー、ホワイト、パープルの7色を揃えています。 今後は、128Mバイトなどのさらなる大容量化を進めていきます。 (注1) Secure MultiMediaCard:「セキュアマルチメディアカード」はコンテンツ保護などの セキュリティ機能を内蔵したMultiMediaCardの総称です。その第一弾として、音楽など のデジタルコンテンツを配信するシステム向けに「ケータイdeミュージック マルチメ ディアカード」として製品化されています。 MultiMediaCardは、独 Infineon Technologies AG の商標です。 (注2)UDAC-MB(Universal Distribution with Access Control-Media Base): コンテンツをセキュアマルチメディアカードなどに配信し、ユーザ間でやりとりする状 況において、ユーザが不便を感じることのないような合法的コピーおよび合法的再生を 実現するコンテンツ保護機能。 (注3)ケータイdeミュージック: 三洋電機株式会社、富士通株式会社、当社の3社が共同で開発した携帯電話・PHSに音楽 を配信するシステムの技術規格。この「ケータイdeミュージック」は、3社で共同開発し た汎用コンテンツ保護技術である「UDAC-MB」をベースにした規格であり、セキュリティ ガイドライン、プロトコル規格、セキュアマルチメディアカード規格およびダウンロー ド・再生システム規格から構成される。 URL:http://www.keitaide-music.org/ (注4)MP3:MPEG-1/Audio Layer3の略。 (注5)多値技術:チップサイズの縮小に有効な今後の大容量フラッシュメモリに適した技術で、 通常のメモリでは'0'/'1'の2つのしきい値レベルであるのに対し、'00'/'01'/'10'/'11' の4つのしきい値レベルを持たせることで、1セルで2セル分の働きを実現します。 (注6)SuperH:SuperHは(株)日立製作所の商標です。 (注7)ライセンスキー:暗号化されたコンテンツを解くための秘密鍵(キー)を配信先のメディ アに固有の公開鍵などで暗号化した情報。このライセンスキーは、ネットワークなどを通 して購入、または正当に移動することにより、セキュアマルチメディアカード内に記録さ れる。再生時に正当なデコーダチップ内に安全に渡して初めて暗号化コンテンツを復号で きる。 (注8)TRM(Tamper Resistant Module)領域:タンパ・レジスタント技術は、半導体チップなど の内部解析や改ざんを物理的および理論的に防衛する技術です。例えば、チップ内部に 強固で粘着力の高いコーティングを施し、表面を剥がすと、内部の回路が完全に破壊さ れるようにしたり、ダミーの配線を施したりします。TRMは、本技術を用い、形成・構成 されるシリコン領域、またはカードの領域です。 (注9)コンテンツ保護関連命令セット:コンテンツ保護用セキュアマルチメディアカード専用に 用意された暗号に関する命令セット。ENCRYPT、DECRYPT等の命令がある。 (注10)マルチメディアカード アソシエーション(MultiMediaCard Association):現在製品 化されているフラッシュカードでは、世界最小クラスであるマルチメディアカード、お よび討議中のセキュアマルチメディアカードの標準化団体。現在、約80社の参加メンバ ー会社で構成される。 URL:http://www.mmca.org/ ■応用機器 ●コンテンツ保護が必要なデジタル情報を取り扱う全てのパーソナル機器 音楽ダウンロード/再生機能付き携帯電話、ポータブル音楽プレーヤ、玩具、ゲーム機など の携帯エンターテイメント機器 ●デジタルビデオカメラ、デジタルカメラなどの携帯画像機器 ●パームサイズPC、電子手帳等の携帯情報機器 ●スマートフォン、ページャ等の携帯通信機器
以 上
|
WRITTEN BY Corporate Communications Division |