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日立ソフトボール部

北京五輪 試合結果

斎藤JAPAN 壮絶なドラマを演じ、悲願の金メダル獲得!!

 2008年8月12日〜21日にかけて、北京五輪ソフトボール競技が行われ、我が日立ソフトウェアからは選手として、馬渕智子(外野手)、西山麗(内野手)、山田恵理(外野手)の3選手が、さらに、スタッフとして、斎藤春香(ヘッドコーチ)、田本博子(コーチ)、亀田悦子(マネージャー)、篠崎仁美(トレーナー)の計7名が出場した。
 日本は予選リーグから西山、馬渕、山田が大活躍し、アメリカに次ぐ2位で決勝トーナメントに進出。決勝トーナメントのアメリカとの初戦は、上野が力投するも延長で敗れ敗者復活の3位決定戦へ。勝てば再度決勝へ勝ち上がり、負ければ3位というオーストラリアとの3位決定戦は、延長12回という球史に残る壮絶な戦いとなったが、1点を先行された11回裏に馬渕がしぶとくタイムリーを放って同点。さらに12回裏には一死満塁で西山がサヨナラタイムリー!! 壮絶な死闘を制し決勝へと勝ち上がる。アメリカとの3度目の対戦となった決勝は3回表に1点を先行し、さらに4回表にはチームキャプテンの山田が、金メダルを確信させてくれる値千金のホームラン!! 投げては決勝トーナメント二日間の3試合で28イニングという4試合分に匹敵する413球を上野が一人で投げ抜いて悲願の金メダル!! 日本中を感動の渦に巻き込んだ。
 女子団体競技での金メダルはモントリオールオリンピックのバレーボール以来、32年ぶりの快挙で、この時も主力選手が日立であり、なんらかの因縁を感じる。残念ながら次回のロンドン大会ではソフトボール競技は外されてしまったが、これだけの感動を与えられるスポーツなのだから、2016年の競技の再開を切に願いたい。
 選手、スタッフの皆さん、本当に感動をありがとう! さらに、大会期間中、数多くの激励メールをくださいました皆様、ありがとうございました。また、現地会場、テレビなどで熱い声援を送ってくださいました皆様、本当にありがとうございました。

[写真]北京五輪

決勝トーナメント

[結果]決勝トーナメント

決勝 対 アメリカ戦(8月21日)

山田、ゴールドメダルホームラン!! 斎藤JAPAN、悲願達成!!

試合結果
チーム名 1 2 3 4 5 6 7
日本 0 0 1 1 0 0 1 3
アメリカ 0 0 0 1 0 0 0 1
  • 【バッテリー】☆上野−峰
  • 【本塁打】山田 【二塁打】三科

試合レポート

アメリカとの三度目の対戦で初めてエース、オスターマンが先発。昨年、横浜スタジアムで行われたジャパンカップでオスターマンと対戦した山田に試合後、聞いたことがある。オスターマンのドロップはなかなかヒットにならないからライズを狙っていたと。ジャパンカップで山田はそのオスターマンのライズを狙い撃ち、痛烈なライナーをレフトに放つが好守備に阻まれ、日本はサヨナラ勝ちを逃していた。

そのオスターマンのドロップに日本の打者は初回から6者連続三振。山田も一度もバットを振らずに見逃し三振に倒れるが、実はオスターマンの球筋を見るため、あえて振らなかったと言う。1,2回を完全に抑え込まれた日本打線であったが、3回表、7番三科の二塁打でチャンスを作り、二死三塁で1番狩野の当たりはサードの頭を越える内野安打! 日本に待望の先制点が入る。しかし、強力打線相手に1点ではまだまだ安心できず、なんとかもう1点を奪いたい。

4回表、先頭打者は山田。初球、ドロップを空振りした後の2球目、狙い通りのライズを叩くと、打った瞬間、スタンドの日本応援団は総立ち。打球は一直線でセンターフェンスを越える値千金のホームラン!! 右手を高々と突き上げて塁を回る主将の姿に、このとき金メダルを確信した。

上野は前日のアメリカ、オーストラリア戦の延長となった2試合、21イニングを一人で投げ抜く獅子奮迅のピッチング。二日間で3連投となるこの日も気迫の投球でアメリカの強力打線に挑む。その上野は初回、いきなり無死一、二塁のピンチを招くが、ここは踏ん張って切り抜け、これで日本の先制点を呼び込む。日本が2点リードで迎えた4回、雨で一時中断となり、再開直後、アメリカの主砲4番ブストスに外角低目のストレートをスタンドに運ばれ1点差。上野は6回裏にも満塁のピンチを迎えるが、ここも気迫の投球で切り抜けて最終回の攻防へ。

最終回、流れは完全に日本。アメリカの守備の乱れをつき、藤本のエンドランでさらに1点を追加。その裏、逆に日本は好守備を連発。上野が先頭打者にヒットを許すが、西山、広瀬のファインプレーが飛び出し、ついに金メダルに王手。最後の打者もサードゴロに打ち取り送球が逸れるものの、一塁の佐藤がショートバウンドを良く救い上げてゲームセット。日本、ついに悲願の金メダル獲得!! 胴上げで宙に舞う斎藤監督の姿を見て、初めて金メダル獲得の実感が湧いてきた。

3位決定戦 対 オーストラリア戦(8月20日)

決めた、西山、サヨナラヒット!! 延長12回の壮絶な死闘を制し決勝へ

試合結果
チーム名 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
オーストラリア 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 3
日本 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 1 1x 4
  • 【バッテリー】☆上野−峰
  • 【本塁打】広瀬 【三塁打】藤本,狩野 【二塁打】藤本

試合レポート

負ければ3位決定、勝てば再度決勝へと進めるこの試合、まさか、延長12回の死闘になることを誰が予想しただろうか。日本の先発は午前中のアメリカとの試合で延長9回を投げ抜いた上野。その上野は初回、二死から3番のポーターにセンター前ヒットを許すと、続く4番ルイスに外角のストレートをライト線に運ばれ一塁ランナーが一気にホームイン。初回から早々と1点を失う重苦しい展開となる。

一方、日本は3回までオーストラリアの先発、スメザーストを攻略出来ず。しかし、4回裏、一死から4番馬渕がライト前ヒットでで出塁。二死となるものの、6番広瀬がライトスタンドに起死回生の逆転2ラン!! ついに試合をひっくり返して上野を援護する。

1点差で迎えた7回表、オーストラリアの攻撃も既に二死。日本の誰もが勝利を確信したその瞬間、なんと、2番ワイボーンが、まさかまさかのセンターオーバーの同点ホームラン。土壇場で試合を振り出しに戻される。

延長タイブレークに入って上野が踏ん張り、8,9,10回のオーストラリアの攻撃も得点を許さない。しかし、日本も代わったハーディングから点を奪えず、タイブレークランナーが併殺や牽制でアウトになるなど、依然として緊迫した状態が続く。延長11回表、ランナーを三塁に送られ、二死で6番ワードを打席に迎える。この日のワードは上野の速球にまったくタイミングが合っていなかったが、配球ミスかチェンジアップをレフト前に運ばれてついに失点。しかし、日本も粘りに粘る。その裏、山田がきっちりと三塁に走者を進め4番馬渕にあとを託すと、その馬渕がショートの頭上をフラフラと越す執念の同点タイムリー!!

そして迎えた12回の攻防。上野はこの日だけで3試合分に匹敵するイニングに突入するが、気迫の投球で12回表を無失点で切り抜ける。その裏、8番峰のバスターが相手の失策を誘い無死一、二塁。9番藤本が確実に送ると、オーストラリアは満塁策をとり1番狩野を敬遠。一死満塁で迎えるバッターは、前の打席のチャンスにセンターフライに終わった2番西山。西山はやや詰まりながらも右中間に打球を運ぶサヨナラヒット!! 壮絶な戦いについに決着をつけ、日本は決勝で再度アメリカと対戦する権利を得た。

準決勝(予選1位 VS 予選2位) 対 アメリカ戦(8月20日)

上野、好投実らず延長9回に力尽きる 日本は敗者復活の3位決定戦へ

試合結果
チーム名 1 2 3 4 5 6 7 8 9
アメリカ 0 0 0 0 0 0 0 0 4 4
日本 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1
  • 【バッテリー】☆上野−峰

試合レポート

予選を圧倒的な強さで1位通過したアメリカとの決勝トーナメント初戦。予選でのチーム打率.375の相手強力打線を上野がいかに抑え、予選7試合で5安打しか打たれていない防御率0.00の相手強力投手陣を打線がどうやって攻略するかがポイント。その上野は強力打線相手に3回まで見事な投球を披露。守備陣も4回表、この回先頭の2番ローがレフト線へ運んで二塁を狙うが、馬渕の好返球でタッチアウト。さらに6回表、一死一、二塁のピンチにはサードライナー併殺など、力投の上野を野手が盛り立てる。

一方、打線は先発、アボットのスピードに押され攻略の糸口がつかめない。7回裏、二死から馬渕が四球を選び続く5番佐藤がセンターに運んでサヨナラのチャンスを作るが、得点出来ずに延長に突入。

延長8回表、上野が内野安打を許して無死一、三塁の大きなピンチを招く。しかし、続く打者を二者連続三振、ピッチャーゴロに打ち取り得点を許さずアメリカの前に立ちはだかる。その裏、日本はサヨナラのチャンスに二者がいずれも送りバント、バスター失敗で内野フライを打ち上げ、タイブレークランナーを三塁に進ませることさえ出来ずに攻撃終了。この試合、日本が勝てるパターンは延長イニングを上野が無失点で抑え、日本はタイブレークランナーを三塁に進めてタイムリー、エンドラン、スクイズなどでの1-0勝利を期待していたが、1点を取るためのお膳立てが出来ず、流れはアメリカに傾く。

延長9回表、先頭打者の2番ローの当たりは二遊間へ。西山が必死にグラブを差し出すものの、あと一歩届かず、センター前へ転がる間に二塁走者がホームイン。アメリカに先取点を奪われる。それまで好投してきた上野がこれで気落ちしたか、続く3番メンドーザに四球を与えて無死一、二塁。続く4番ブストスは内角を狙っていたように見えたが、そこに速球を投げ込み完璧にスイングされてレフトスタンド上段まで運ばれる特大の3ラン。力投を続けてきた上野がついに力尽き4失点で万事休す。

その裏、日本も代打伊藤がこの回から代わったエース、オスターマンからセンター前タイムリーで1点を返すものの、4点のビハインドはあまりにも重かった。9回に4点を奪われた上野であるが、8回までは強力打線相手に無失点を続ける素晴らしい力投。一方、その上野を援護すべき打線は、形はどうあれ、1点をなんとかして取りに行かなければならなかったはずなのに、走者を送るべきところを送れずに終わった日本らしからぬミスが敗戦の原因。しかし、まだ終わったわけではない。再度アメリカと対戦するためにも、夕方の敗者復活の3位決定戦をなんとしてでも勝ちあがることに気持ちを切り替えて欲しい。

予選リーグ

対 オーストラリア戦(8月12日)

馬渕、特大の先制3ラン!! 西山、山田、馬渕で初回に3点

試合結果
チーム名 1 2 3 4 5 6 7
オーストラリア 0 3 0 0 0 0 0 3
日本 3 1 0 0 0 0 x 4
  • 【バッテリー】☆上野−乾
  • 【本塁打】馬渕(3ラン) 【三塁打】広瀬

対 台湾戦(8月13日)

馬渕、2試合連続の先制ホームラン! 山田、追加点となるタイムリー! 

試合結果
チーム名 1 2 3 4 5 6 7
日本 0 0 0 1 1 0 0 2
台湾 0 0 0 0 0 0 1 1
  • 【バッテリー】☆坂井−乾,峰
  • 【本塁打】馬渕

対 オランダ戦(8月14日)

西山、山田、馬渕で初回に2点を先制! 5回の追加点も西山、山田がチャンスを作る

試合結果
チーム名 1 2 3 4 5 6 7
オランダ 0 0 0 0 0 0 0 0
日本 0 2 0 0 1 0 x 3
  • 【バッテリー】☆坂井,江本−峰

対 アメリカ戦(8月15日)

日本、屈辱の1安打コールド負け 初黒星を喫する

試合結果
チーム名 1 2 3 4 5 6 7
アメリカ 4 0 0 3 0     7
日本 0 0 0 0 0     0
  • 【バッテリー】☆江本,染谷−峰,乾

対 中国戦(8月16日)

西山、馬渕でチャンスを作り、佐藤が決勝の3ラン!!

試合結果
チーム名 1 2 3 4 5 6 7
日本 0 0 3 0 0 0 0 3
中国 0 0 0 0 0 0 0 0
  • 【バッテリー】☆上野,坂井−峰,乾
  • 【本塁打】佐藤 【二塁打】狩野

対 ベネズエラ戦(8月17日)

馬渕、追撃の第3号! 山田、逆転2ラン!!攻守でチームの危機を救いメダルを確定

試合結果
チーム名 1 2 3 4 5 6 7
ベネズエラ 0 0 1 1 0 0 0 2
日本 0 0 0 1 4 0 x 5
  • 【バッテリー】☆坂井−乾
  • 【本塁打】馬渕,山田 【二塁打】佐藤、広瀬

対 カナダ戦(8月18日)

西山、先制の2点タイムリー!! 2位で決勝トーナメントへ

試合結果
チーム名 1 2 3 4 5 6 7
日本 0 2 2 0 0 2 0 6
カナダ 0 0 0 0 0 0 0 0
  • 【バッテリー】☆上野,染谷−峰

予選リーグ対戦成績表

チーム名 日本 アメ
リカ
オー
スト
ラリア
中国 カナダ ベネズ
エラ
台湾 オラ
ンダ



日本   ●0-7
 
○4-3
 
○3-0
 
○6-0
 
○5-2
 
○2-1
 
○3-0
 
6 1 2
アメ
リカ
○7-0
 
  ○3-0
 
○9-0
 
○8-1
 
○11-0
 
○7-0
 
○8-0
 
7   1
オースト
ラリア
●3-4
 
●0-3
 
  ○3-1
 
○4-0
 
○9-2
 
○3-1
 
○8-0
 
5 2 3
中国 ●0-3
 
●0-9
 
●1-3
 
  ●0-1
 
○7-1
 
●1-2
 
○10-2
 
2 5 6
カナダ ●0-6
 
●1-8
 
●0-4
 
○1-0
 
  ●0-2
 
○6-1
 
○9-2
 
3 4 4
ベネズ
エラ
●2-5
 
●0-11
 
●2-9
 
●1-7
 
○2-0
 
  ●0-3
 
○8-0
 
2 5 7
台湾 ●1-2
 
●0-3
 
●1-3
 
○2-1
 
●1-6
 
○3-0
 
  ●2-4
 
2 5 5
オラ
ンダ
●0-3
 
●0-8
 
●0-8
 
●2-10
 
●2-9
 
●0-8
 
○4-2
 
  1 6 8