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2019年11月5日
特許情報提供サービス「Shareresearch」の自動分類付与オプションを活用し、特許分類付与における作業時間の4割程度短縮が期待できるなど業務効率を向上
株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび、株式会社ニッセイコム(以下、ニッセイコム)の協力*1のもと、トヨタ自動車株式会社(取締役社長:豊田 章男/以下、トヨタ)向けに、業界シェアトップクラス*2の実績を有する日立の特許情報提供サービス「Shareresearch」(以下、シェアリサーチ)のAIを活用したオプションである、特許公報*3の分類付与を高精度に自動化する機能*4(以下、本機能)を、11月25日から提供し、本番稼働を開始します。本機能を導入することで、特許情報の分類付与における作業時間を導入前と比較し4割程度短縮する*5ことが期待できるなど、業務効率向上を実現します。加えて、特許公報に記載される課題を高精度に自動で抽出し、特許の内容把握を効率化する、AI読解支援機能*4も提供します。
自動車業界における電気自動車の普及や自動運転技術の発展など急激に市場が変化する中、トヨタでは、モビリティ・カンパニーの実現に向け、超小型電気自動車を活用した取り組みを開始する*6など、新たな事業展開が行われています。これに伴い、特許戦略においては、従来調査・分析対象としていた技術分野に加えて、競合他社の動向や自社の強み、課題を顕在化して、自社が注力すべき技術の判断に活用すべく、幅広く特許情報を把握する必要があり、知的財産部門のさらなる業務効率化が求められていました。
中でも、分類付与作業は、膨大な特許公報に対し、企業独自の技術体系などに基づいた分類を付与するものであり、研究開発における技術調査などで効率的に関連特許を検索するために重要です。しかしながら、適切に分類を付与するためには、技術分野に幅広く精通した知的財産部門の熟練者が特許内容を1件ずつ確認して行う必要があるため、多くの作業時間を要することが課題となっていました。
日立は、今回の本番稼働に先立ち、2019年4月から、膨大な特許公報に対する分類付与作業においてAIを活用し自動化する実証に共同で取り組んできました。具体的には、トヨタの中核事業に関わる特定分野における膨大な特許公報に対し、自社の技術体系を軸として独自で設定した社内分類コードを、AIが自動的に正しく付与できるかを検証しました。その結果、特定分野の特許公報において、特許業務の熟練者により分類付与した内容とAIによる自動付与が85%〜90%合致する高精度な結果を得ることに成功しました。
今回、11月25日より、AIを活用した自動分類付与オプションの本番稼働を開始し、従来の人手による作業時間の4割程度短縮を図ることが期待できます。なお、本機能は、SDI*7機能で通知された特許公報においても活用できるため、適切な調査担当者への特許公報の振り分けも迅速化することが可能です。これにより、トヨタの研究開発における類似特許検索の効率化やタイムリーな技術動向の把握を支援します。
日立は、今後も、トヨタ向けに、自動分類付与が可能な特許技術分野を拡大するほか、自社および他社の出願動向をわかりやすく可視化する機能を提供し俯瞰的な分析を可能にするなど、特許分析業務のさらなる効率化やIPランドスケープ推進*8の加速を支援します。
本発表は、2019年11月6日(水)〜8日(金)に、科学技術館で開催する「2019 特許・情報フェア&コンファレンス」の日立ブースにおいてご紹介します。
「Shareresearch」は、企業や研究機関などの知財部門や発明者などがWebブラウザ上で国内外特許情報を効率的に検索・閲覧し、グローバルな特許情報を迅速かつ効率的に収集するためのサービスです。発明提案から権利維持まで一連の特許業務を一元管理する知的財産管理システム「PALNET/MC6(パルネット/エムシーシックス)」とともに、日立の知的財産本部のノウハウを活用して機能拡張を重ねています。なお、今回トヨタで本番稼働した「自動分類付与オプション」は、デジタルトランスフォーメーションを加速する「Lumada」のユースケースを活用したものです。
記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。
以上